儚き者達
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安倍川家は憐也と晶の誕生日祝いの準備で追われ、憐也と晶は自分達の誕生日の一週間後にまたお祝いして貰えると喜んでいた。
「「家三お祖父様、弥生お祖母様こんにちは。」」
「お父様、お母様こんにちは。」
「お久しぶりです。」
「こんにちは恭矢さん、憐也、晶。津奈も元気そうね。」
「ゆっくりしていくといい。」
津奈達は屋敷に上がると津奈と同じくらいの年の女性が居ることに気付き憐也と晶は駆け寄る。
「「渚さんこんにちは。」」
「憐也君、晶ちゃんこんにちは。」
渚は二人の頭を撫でる。憐也と晶は嬉しそうだ。
「渚ちゃん来てくれたんだ。ありがとう。」
「津奈ちゃん久しぶりだね。主人は商談が入っちゃったから私だけなの。」
済まなそうにする渚に津奈は首を横に振り二人は再会を喜び合う。
渚は母親に追い出されてから結局戻ることが出来ず、ならばと弥生と亡き日野江が働きかけ養子縁組をし安倍川の養女になった。
その後、偶然安倍川の遠縁に当たる男性と知り合い結婚した。
津奈と渚、弥生はお茶を飲みながら世間話に花を咲かせ、晶は津奈の隣で絵本を読んでいる。
憐也は庭に出て安倍川家が使役している九十九神や小鬼を見て首を傾げ、恭矢が声をかけた。
「憐也どうしたの?」
「お父様。此処にいる九十九神や小鬼達の様子が変なんだよ。」
「変?」
「上手く言えないけど何処と無く違う感じがする。」
いつもと感じが違うと九十九神達を見る憐也。九十九神や小鬼が見えない恭矢は津奈に見てもらうしかないと呼ぼうとするが家三がどうした?と二人の側に来た。
「九十九神達の様子?いつもと変わってないが。気のせいだろう。」
家三は豪快に笑いながらお茶でも飲んだらどうだ?と二人を津奈達が居る客間に向かわせる。
憐也は安倍川家の当主が言うならそうなのだろうと納得した。
九十九神達の意識を押さえつけていた家三は内心冷や汗だ。
夜中に美樹と一緒に利庵と闌丸、勝栄家の部下を手引きするのに九十九神達が邪魔する可能性が高い為に家三は力で押さえつけていた。
『何とか誤魔化せたか・・・。弥生と津奈と晶は気付いていないから大丈夫だと思っていたがやはり憐也は陰陽道の資質があるだけではなく勘も良いようだな。』
恭矢が津奈と二人の子供達が客間で過ごしているのを庭から見ていた家三は目を伏せる。
津奈の相手が闌丸だったら産まれた子供は今以上に陰陽道の資質が高かっただろうと。恭矢に嫁がせる為に津奈に修行をさせたわけではないと家三は憂いていた。