儚き者達
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安倍川家は嫁に行った使用人の代わりを埋めるためにある女性を雇った。
その使用人は美樹という名で大層な美人で武道を身に付けていた。
『利庵様の為に頑張らないと!これも愛の為!』
美樹は勝栄利庵の愛人で安倍川家に送り込んだ『草』。スパイだった。
美樹は陰陽道の資質は何とか使える程度だった。
《もうじきあの双子の7才の誕生日です。雲瀬家で祝った後、安倍川家でも祝うようです。》
美樹の式神を見て勝栄利庵は時期が来たと笑った。
『資質の高い女児は勿論、津奈も手に入れたいところだ。二人には劣るらしい男児も出来たら手に入れたいぞ。』
「父上。お呼びでしょうか?」
闌丸が部屋に入ると利庵は「時期が来たぞ!」と口角を上げる。
「では!」
闌丸は醜く笑い、利庵は「ここで決着を付ける。」と頷いた。
美樹は家三に安倍川家の存続の為に手を組もうと言って家三は頷いた。
そして美樹は家三に念のためと安倍川家の間取り図を書かせそれを利庵に届けている。
「双子の誕生祝の夜中に奇襲をかける!手引きは美樹と家三にさせる。と言っても家三には死んでもらうがな。」
最初は奇襲などせずに済む方法を企み、実行しようとした。
恭矢が死ねば津奈は未亡人。そこで縁談を持ち込み強引に結婚する。勿論家三に協力させて。その後家三、弥生、日野江を始末し乗っ取る。
ある日それを実行しようと美樹が安倍川家に来ていた恭矢が一人の時を狙い遅効性の毒を入れた飲物を出したがいきなり現れた憐矢がふざけて溢してしまい、結局飲むことはなかった。
仕切り直して別の日に実行しても今度は晶がふざけて溢してた。
それを怪訝そうに見ていた美樹は『もしかしてあの双子は気付いている?』と感じ利庵に式神を使かって知らせた。
それを聞いた利庵は双子が気付いているか、九十九神や小鬼がそれとなく知らせているのかも知れないなと毒を盛る作戦は無しにし、今度は事故を装うが事故が起こる直前に恭矢は避けてしまい失敗に終わった。 (憐也と晶は偶々お茶を溢しただけだ。)
「奇襲するならあの者達も一緒に始末したらどうでしょう?」
ニヤリと笑う闌丸に事故を装うのに使った人間を生かしてはおけないと利庵は笑う。
「では、津奈を救うために力を貸してくれとでも言っておきましょう。」
「そうしておこう。しかし滑稽だな。」
「嫉妬心がこんなに使えるとは思いませんでしたよ父上。」
全くだと、笑いが止まらないとはこのことだと笑う利庵と闌丸は前祝いだと酒を酌み交わしていた。