儚き者達
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結納を交わし津奈が16才になったのと同時に結婚をした。
数年後ーーー
雲瀬家の屋敷を走り回る少女と追う女性。少女は顔が赤く、女性はヘロヘロだ。
「待ちなさい!晶(しょう)はまだ熱があるのよ!」
「お母様、私は平気だもん!」
ドタバタ走り回る晶に津奈は捕まえようとするが晶はなかなか捕まらない。
「私は熱なんかに負けないもん!」
一部始終を見てた憐也(れんや)は真っ青になりながら先回りをし晶を捕まえた。
「晶、お願いだから大人しく寝ててよ。」
「お兄様!離してー!」
ジタバタと暴れる晶に苦戦しながら津奈の元へ連れていく憐也。
「憐也ありがとう。さぁ、晶は薬を飲んで寝るのよ。」
「平気だよ!薬も要らないもん!」
津奈は『憐也と晶は双子なのにこうも性格が違うなんて。』と晶をズルズルと引き摺るように歩いていく。
晶は体が弱くよく熱を出すが平気だとドタバタ走り回るのを何度も見ていくうちに憐也は心配性になった。
晶に薬を飲ませ寝かし付けた津奈はグッタリだ。
「ううぅ。この子の性格は恭矢さんに似たのかな。」
言い出したら聞かないところはそっくりだ。顔立ちも恭矢に似ている。
津奈に似たところは陰陽師の資質が高いところくらいだ。
一方、憐也は顔立ちは津奈に似ているが陰陽師の資質は然程高くはない。(それでも安倍川を継ぐには充分で津奈と晶がずば抜けて高いだけだ。)
その代わりなのか肉弾戦は恭矢譲りで、恭矢は憐也に稽古をつけている。
「津奈さん」と声をかけ晶を起こさないように襖を開ける静香。
「お義母様。」
「大変でしたね。晶は息子に似たみたい。恭矢も熱があっても動き回ってたから。」
『やっぱりーーー!!』
津奈は心の中で絶叫した。
看病が疲れたらいつでも言ってと告げ静香は部屋を出る。
津奈は恭矢は勿論、舅姑の恭一、静香との関係は上手くいっている。
子供の憐也、晶も健やかに成長していて。
毎日がとても楽しく幸せで。
そしてそんな日々が続くと信じていた。