儚き者達
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
帰宅した津奈は日野江の部屋で間の抜けた声を出した。
「へ?」
「もう一度言う。安倍川家は雲瀬家の縁談を受けた。お前は雲瀬家に嫁いで貰うからそのつもりでいなさい。」
「えっ!?」
慌てる津奈を横目に日野江は顔合わせも近いうちにするからと告げ、津奈にとっては爆弾を投下した。
「お前は雲瀬恭矢を慕っているんだ。問題は有るまい。」
「なっ!?な、何でお祖母様が知ってるんですかー!?」
顔を真っ赤にする津奈に日野江は面白そうに笑う。
「弥生さんも渚ちゃんも知っている。」
「何でーーーっ!?」
津奈は恥ずかしさのあまりに踞ってしまった。
両手で顔を覆って自室に向けて歩いている津奈に渚が呼び止める。
「津奈ちゃん!好きな人からの縁談が来て良かったね!」
「渚ちゃん。いつから知ってたの?」
恐る恐る聞く津奈に渚は自分の目の前で恭矢が津奈を連れて行った時からだと話す。
「え!それだけで気付いたの!?」
「うん。津奈ちゃん嬉しそうだったし、顔が赤かったもの。」
津奈はそんなに顔に出ていたのかと驚いた。
「ええ。津奈が雲瀬恭矢さんに助けて貰った日から気付いてたわよ。」
『どれだけ顔に出ていたのーー!?』
弥生が渚よりも前に知っていたことに津奈はまた驚いていた。
数日後ーーー
「着物はこっちかしら?こっちの方が綺麗かしら?」
「帯はこちらの方が良いかもしれません。」
「髪飾りはこっちが素敵だと思う。」
「口紅はもっと鮮やかな色にして。」
「頬紅はこの色が良いかと。」
津奈はこの日弥生、渚、使用人達の着せ替え人形と化していた。