儚き者達
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
杏子は帰宅し自室に行こうとした時、使用人に父と母に呼ばれていると伝えられ茶室に向かう。
茶室に入ると杏子の母が茶を点て父は茶を飲んでいた。
「杏子、大事な話がある。」
父親の真剣な顔を見て杏子はとても重要な話だと思いながら両親の向かい側に座る。
「雲瀬恭矢君との婚約は解消した。」
「!?」
父親の言葉に杏子はショックで言葉が出ない。母親が気遣うように話す。
「貴女と恭矢さんが上手くいってないのにこのまま杏子が嫁いだら辛い思いをすると。幸せになって欲しいと恭一さんと静香さんは頭を下げて婚約の解消を求めてきたの。」
「そ、そんな・・・。」
「この一年で会話一つ成立していない話を聞いて了承した。」
「杏子にとって辛い思いをさせてしまったけど幸せになれない結婚はして欲しくないわ。」
杏子は目の前が真っ暗になった。
「婚約、解消なんて考えても・・・無かった」
上手くいってなくても構わなかったのに。
杏子の部屋の前に兄の良平は妹の泣き声を聞いて恭矢に問い出させようと雲瀬家へ向かう。
『話を聞いた限りだと恭一さんと静香さんが来たが恭矢の奴は来ていなかったらしい。恭矢に杏子をどう思っているか超絶に聞いてみるのだ!』
「超絶に恭矢はいるかーーっ!!」
雲瀬家に着くなり取り次ぎも無視して騒ぎ立てる良平に使用人はおろおろする。
恭一は予想はしていたらしく対応しようとしたが恭一より先に恭矢が良平の前に立つ。
「超絶馬鹿、五月蝿いよ。」
「お前に超絶に聞きたいことがあるのだ!」
「・・・分かった。僕の部屋で良いね?」
「俺は構わん!」
恭矢と良平は恭矢の自室に向かい、恭一は二人の話が終わった後、どうやって良平を諌めるか考え始めた。どう考えても恭矢が平和的に相手に分かるように話すとは思えないからだ。
「杏子との婚約を解消したと聞いたが恭矢は超絶にそれで良いのか!」
「うん。」
恭矢の即答に良平は怒りを顕にした。