儚き者達
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
始業式のため午前中に終わり華は帰り支度をしている。
『何か杏子の様子がおかしいわ。』
ぼーっとしている杏子に華は帰り支度したらと声をかける。
「え!?」
「え!?じゃないわよ。今日はもう終わり。」
「あ、そうだよね。」
帰り支度をする杏子に華は「何かあったの?」と切り出した。
杏子は一瞬躊躇ったが婚約のことを省いて華に話す。
「あのね、隣の組の安倍川さん、恭矢さんと歩いてたのを見掛けたの。あの恭矢さんが誰かを連れてるの見たことないから何でかなって。」
華は杏子と恭矢は幼馴染みのことを知っている。確かに人嫌いの幼馴染みが誰かを連れているのを見れば不思議に思うだろう。
「あー、それね。私も人から聞いたんだけど子供があんパンを食べながら歩いてたら軍人とぶつかってあんこがズボンにべったり付いちゃってさ。軍人が子供に怒鳴り散らしてる所に安倍川さんが子供を庇ったんだって。そしたら通りかかった雲瀬さんがその軍人を追っ払って助けたって。」
「そうなんだ。」
「まぁ、その後安倍川さんが御礼を渡しに雲瀬さんの家に行ったんじゃない?見掛けた人もいたし。」
華の話を聞いてもしかしたら自分の思い過ごしなのかと安心する杏子。
『そうだよ。私は婚約者だもの。』
だから大丈夫と杏子は帰り支度をして華と帰宅した。
津奈と渚は学校に残っていた。
「本当くじ運ないなぁ。」
「私も。」
くじ引きで見事「入学式委員」になってしまいその準備に追われていた。
他の組は立候補が委員になったが津奈の組はくじ引きで決めてみない?と言う話になり見事二人は引き当ててしまった。
「安倍川さん、大樟さん、こっちの列の椅子を並べて。」
担当の教師に指示された通りに椅子を並べていく。他の生徒達も椅子を並べたり紅白の幕を付けていた。
準備が終わり帰宅する津奈と渚。
「明日は片付けだね。」
「うん。」
入学式委員は当然片付けもある。ただ他の委員会と違って毎月集まって会議をするわけでは無いから明日の片付けが終れば終了だ。
始業式から忙しい二人だった。