儚き者達
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大間には入ると恭一が座るように言い恭矢は無言で座る。
「お前が連れてきたお嬢さんは何処の娘さんだ?」
「安倍川 津奈。安倍川家の一人娘だけど。」
恭一にそれがどうしたとばかりに答える恭矢。
「安倍川家って陰陽道の?」
「そうだよ。」
さすがに恭一と静香は驚いたが関係ない。
「実はな杏子さんとの婚約は破棄しようと思う。」
恭一の言葉に恭矢は内心さっさと破棄して貰おうと喜んだ。万が一津奈に知れたら婚約者の杏子を思って自分に会いに来なくなるだろう。
「構わないよ。弱い生き物に興味はないから。他に何か話が無いなら自室に戻るよ。」
恭一は特に話はないと言い恭矢は自室に戻る。
「後日、佐々川家に話をしないとな。」
恭一に静香は頷いた。
安倍川家ーーー
弥生から話を聞いた津奈は渚の母親に呆れていた。
「暫く渚ちゃんにはこの家に住んで貰うからそのつもりでね。」
「分かりました。渚ちゃんは?」
「疲れて今は寝ているわ。夕食の時間になったら起こしてあげて。」
「はい。」
津奈は渚と暮らすことに喜んだが同時に渚の心中を思うと悲しくなった。
新学期になり津奈は渚と同じ組になりお互いに喜んだ。
喜んでいる津奈を見ている杏子はあの日のことを聞きたいと思うが逆に何故?と聞かれたら答えられない。
婚約者になった日に恭矢に言われた言葉。
「大々的に発表するまでは婚約者だと言いふらさないで。」
何の感情もない目で言われた言葉。
杏子はそれを破れば恭矢に嫌われると思い聞き出せないと諦めた。
「杏子?どうしたの?自分の組がわからなとか?」
からかいながらも元気のない杏子を気遣うのは親友の黒河 華(くろかわ はな)だ。
「違うよ。」
「ふーん。早く教室に行こう。」
杏子は津奈を見つめながら華と教室へ向かった。