儚き者達
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「今まで嫌だって言ってるのにリボーンと父さんと九代目はボンゴレの跡継ぎにしようとするし、獄寺君達はいつも騒ぎを起こしていつも後始末を押し付けられて!それでも初めての友達だったから良いかって思ってたけど。でももういつまた裏切るか分からない人達と一緒にいるのは御免だよ!ボンゴレなんか継がない!」
ツナを切り捨てたリボーン達はまさかお人好しのツナに切り捨てられるとは思いもしなかった。しかしこればかりは到底受け入れるわけにはいかない。
ボンゴレが潰えてしまえば自分達が窮地に立たされてしまう。
「確かに俺達が悪かった!だがツナしかボンゴレを継げるのはいないしこれは決まったことだぞ!」
「父さんも全力でサポートするからボンゴレを継いで欲しい。」
「十代目!俺も今度こそ全力で護ります!」
「俺もなのな!」
「極限にだ!」
「私も!」
「本当に皆は俺の話を聞かないよね。」
ツナの言葉を無視してボンゴレを継げと言ってくるリボーン達にツナは呆れ返る。
「ウルセー!これは決定事項で拒否権はねぇ!」
リボーンがツナに向かって怒鳴り付けると体育館の入口が開き入ってきた人物に「拒否権はあるわ!」と怒りの含んだ声が聞こえリボーン達は驚いた。
「な、奈々!」
家光は何処まで聞かれたのか焦る。
奈々をマフィアに巻き込むことは絶対に避けたいと思っている家光に奈々は穏やかに言った。
「全部知ってるわ。」
「なっ!」
「ツッ君の人生はツッ君の物よ!娘の人生を犠牲にするなんて!こっちが捏造したとは言え葬儀にも出ないで!貴方にとって娘はどんな存在?」
「ツナは俺の娘だ。だが、」
「まさか娘だから自分がいる組織を存続させるための道具なんて言わないわよね?」
奈々の冷えきった声に家光は何も言えず立ち尽くす。
「もう良いわ。これにサインをして下さい。慰謝料は要りません。ツッ君は私が守って育てます!」
奈々がバッグから取り出したのは離婚届け。
「何故だ!俺は奈々を愛しているのに!」
「その愛情を何でツッ君に与えてくれなかったの?」
「・・・。」
ツナを自分の道具としか見てない家光に奈々は情けなくなる。
「もう別れましょう。ツッ君を大事に出来ない父親ならいない方が良いから。」
家光は奈々が持っている離婚届けを奪いビリビリに破り捨てた。
「絶対に離婚はしないからな!」
まだ奈々を愛してる家光にとって離婚は考えられないことだ。
「離婚なら僕が処理しておくから平気だよ。」
雲雀は奈々に言うと奈々はありがとうと笑顔で返し本当に離婚したいのかと家光は呆然とした。
奈々は家光を無視し、リボーンがいる方に顔を向ける。
「今日中にビアンキちゃんと出ていって。」
「!?」
「雲雀君に聞いたけど銃で脅したりする家庭教師はツッ君に必要ないわ!これ以上大事な娘に傷付けられたくはないから!それにボンゴレは他の人を新しく候補にしたのだからその人の家にでも行って頂戴。二度とツッ君に関わらないで!」
激しい奈々の拒絶にリボーンは何も言えなくなりボルサリーノのつばを下に向ける。そんなリボーンを一瞥し奈々はツナがいる檀上へ上がっていった。