儚き者達
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入口が荒々しく開くと警察官が何人も入ってきた。リボーンと家光は「何故警察が!?」と驚く。
「そこの大男と赤ん坊、それから座り込んでる連中を捕まえて!」
雲雀の声にリボーンと家光は警察が来たのは雲雀の仕業と分かり迂闊だったと後悔した。何故ならここは並盛で雲雀が牛耳っている町だ。
雲雀の一声で警察官を呼びつけるのは簡単なこと。
「座ってる連中は少年院にブチ込んで!数日前に人を殺してる。大男と赤ん坊は並高の生徒(ツナ)を恐喝し無理矢理連れ去ろうとしたから逮捕しな!」
警察官は座り込んでいる獄寺達に手錠をかけるのは簡単だがリボーンと家光には苦戦していた。
雲雀は壇上を飛び下りリボーン達の方へ走り出す。骸も三又槍を持って雲雀に続いた。
雲雀はさすがに警察官では取り押さえるのは難しいと判断し、マフィア嫌いの骸は単に家光を倒す為だ。
家光とリボーンは戦っているのは警察官。彼等は表の人間。本気で戦えばマフィアの掟を破ることになる。おまけに本気で向かって来る雲雀と骸とも戦わねばならない。
ジリジリと押されるリボーンと家光は最終的に隙を突かれて雲雀と骸に攻撃を食らい気を失った。
気絶した家光とリボーンを運んで行く警察官を見詰めていたツナはポツリと呟いた。
「これで終わったんだよね・・・。」と。
「終わったな。」
「ええ、兄さん。でも私はもう駄目み、たいよ。」
「俺も、だよ・・・。」
その場に座り込む憐也と倒れる晶にツナとクロームは慌て駆け寄る。
「しっかりして晶!憐也!」
「ボス!二人の体が!!」
見ると晶の体が透け始めていく。隣で座っている憐也も同様に。
「多分、無茶をした代償かと。そうですよね?蒼真憐也、蒼真晶。」
何かを知っているかのように話す骸にツナとクロームは一体どういうことなの!?と困惑する。
「彼等は前世に転生の術を使いました。そしてランバード・カーツェに掛けた術。多分それらは秘術と言うより禁術だったと思います。その上、沢田津菜に雲雀恭弥、クロームと愚者達に前世を思い出させる術も発動させた。この術はかなりの体力を消耗させるほどの秘術だったのでは?」
骸の説明に憐也と晶は頷く。
「恐らく術の代償は二人の命と肉体です。」
そんな!と泣き出すツナとクロームに晶と憐也は微笑んだ。
「ツナとクロームが、気にす・・・ることないの・・・よ。」
「俺、達はツナと雲雀恭、弥、を助けるた・・・めに、ここに来た。」
「俺と雲雀さんを助けるため?」
力なく頷く二人は声を絞り出すように話した。
「前世でアイツらを・・・殺、して・・・転生の術を使って輪廻を回ろうと、したの。」
「その時、見たのはアイツらの、魂から・・・黒い、鎖のような物・・・がツナと、雲雀恭弥、に向かって伸びて・・・た。来世も繋がりを持とう・・・として・・・。」
「それじゃ、意味が・・・無い。だから何とか振り払おう・・・としたんだ、けど何とか・・・出来たのはランバード、だけだったわ。リボーン達は、貴方達の魂、に鎖を・・・絡ませた。」
「本当、はツナと雲雀、と同世代・・・で生まれて、助けよう、としたんだけど、俺達が生まれたのはツナ達よ、り十年早かった・・・。」
「生まれ落ちた、ところは情報屋の家・・・。でも・・・ね、そのおかげ、で情報収集やハッキングが出来るようになっ、た。」
だからランバードがツナに近付くことがわかったと笑う憐也と晶にツナは禁じられた術を使ってまで助けてくれた二人に泣き出した。
「泣くな・・・よ、ツナ。」
「今度は、幸せに・・・なってね・・・。」
「雲・・・雀、ツナを、頼んだ・・・ぜ・・・。」
憐也と晶は眩い光を放って消えていった。
「晶!憐也!」
泣き出したクロームを慰める骸。
二人の名を叫びながら泣き続けるツナを抱きしめる雲雀。雲雀も一筋の涙を流していた。