儚き者達
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「私の言った通りになったわね。」
ツナを屋上から落とす二日前に晶が獄寺達に言ったこと。
『ツナに対する苛立ちや憤りの正体を知った時に後悔するわ。それを覚悟した方がいいわよ。』
自分達の黒い感情の正体が醜い嫉妬だと分かり、あまりの醜さに落ち込み顔を下に向けた。
「で、どうだった?前世と言い、現世と言い自分達の身勝手な嫉妬でツナを殺した気分は?」
憐也は温度を全く感じさせない冷たい目で剣呑な口調で馬鹿にした。
雲雀にも同じことを言われて更に憐也に言われて獄寺達はボロボロになりながらも謝罪しようと口を開くが晶がふざけないでよね!と遮る。
「謝罪しようが自害しようが何をしようが私達は絶対に赦さないけどね!」
「「「「!!!」」」」
『赦さない』この言葉に獄寺達は自分達が思った以上に酷いことをしたと改めて痛感した。
叩き潰され大人しくなった獄寺達を横目に今度はランバードの居るところに憐也と晶は歩いていく。
「ヒッ!わ、わわ、悪かった、悪かったから」
「悪かったから何だよ!!」
「何って聞いてるのよ!!」
ランバードに怒りを容赦なくぶつける憐也と晶に怯えまともに話すことも出来ない。
二人からしたらランバードは前世ではツナと雲雀、クロームを殺し、今の世ではツナとクロームを嵌め回りの人間を騙して痛めつけてあげくに有幻覚とはいえツナを屋上から落とさせ殺した一番赦せない罪人だ。赦せる訳がない。
「でもそんなランバードに素敵なプレゼントがあるわ!」
「待たせて済まなかった!」
晶と憐也の声に応えたかのように復讐者のバミューダとイェーガーが姿を現した。
「罪人のランバード・カーツェはこの者か?」
イェーガーがランバードを見ながら確認すると鎖をジャラリと音をさせた。
その音にびくりとするランバードに晶は愉しそうに笑う。
「私達はね今の世では情報屋なの。それで良く復讐者の依頼を受けていてね今回はなんとお前のファミリーについて調べて欲しいって依頼を請けたの。兄さんなんか嬉しそうにハッキングしてお前のファミリーの悪辣さを事細かく調べあげたってわけ。」
「今までの依頼で一番頑張ったよ。」
憐也はゲス野郎のファミリーならと張り切ったと意地悪そうに話す。
「それでねお前のファミリーは復讐者に乗り込まれて壊滅したってわけ。後はお前を復讐者の牢獄に放り込めばカーツェファミリーは本当に終わりよ!」
まさか壊滅したなんてと信じられないと目を大きく開くランバードだがバミューダが「君の父親が一足先に牢獄の中で待ってるよ。」と告げられるとランバードの目に絶望の色が混じる。
晶は「お前自身も並盛に来る前にも他のファミリーの人間に脅して金品をせびったりしてたし一般人に麻薬を売り捌いていたから立派なマフィアの掟を破り。」と冷笑し、牢獄送りおめでとうと嘲る憐也にランバードは目の前が真っ暗になった。
「もうこの罪人を連れていくよ。」
バミューダが鎖を飛ばした。ただ未だ雲雀の手錠ががっちりついているからその上から鎖を巻き付けた。
雲雀はその様子を面白そうに見ている。自分のツナを嵌めてめちゃくちゃにした結果が復讐者の牢獄。雲雀からすればさぞ愉しいだろう。
「暫くしたら外せるように設定しておくから。」
だからさっさとランバードを連れていけと言う雲雀にバミューダとイェーガーは分かったとランバードを連れていこうと復讐者の牢獄への道を開けると憐也がしゃがみランバードに耳打ちする。
「晶がたった今お前に面白い術をかけておいてくれた。今の世で生を全うしたら次の生まれ変わりは無い。つまり転生出来ずお前の魂は終わりってことだ。」
憐也は言葉を一旦切ると復讐者に頼みがあるとバミューダとイェーガーに言う。
「コイツは一生牢獄なんだろ?だったらたまにで良いから死ぬギリギリまで拷問してやってくれ。じゃないとコイツやコイツのファミリーの犠牲になった奴らが浮かばれないからな。」
「君達の情報はいつも的確で助かっていたし今回も君達の情報でカーツェファミリーを潰せたしね。蒼真憐也の頼みは果たすよ。」
バミューダと憐也の会話にランバードは恐怖を感じた。手錠や鎖が巻き付いてなければ体を震わせていただろう。
ランバードは取り乱し喚き始めた。