儚き者達
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「今の、夢?」
「分からないけど津菜と僕がいたよね。それに駄犬達と赤ん坊に君の父親もいた。」
「クロームもいたよね。」
「うん。私を見捨てた両親も。」
体育館で眠るように気絶した津菜達は見ていた夢を何故か悲しい結末だったが宝物のように思えた。
ただ不思議なのは津菜と恭弥、クロームは同じ夢を見ていたことだ。
骸はクロームを抱き上げたまま憐也と晶がいる方に顔だけを向けた。
「クロームと沢田津菜、雲雀恭弥が見ていたのは前世ですね?」
「「「前世!?」」」
驚くツナ達に骸の言う通り前世だよと憐也が悲しさを感じさせる声で言い、晶は目を閉じて頷いた。
津奈は津菜。
恭矢は雲雀。
渚はクローム。
勇斗は獄寺。
武司は山本。
亮平は了平。
杏子は京子。
利庵はリボーン。
美樹はビアンキ。
闌丸はランバード。
家三は家光。
そして
憐也は憐也。
晶は晶。
「ピンと来ないだろうけど前世で私と兄さんはツナと雲雀恭弥の子供だったのよ。」
二人の話にツナと雲雀は会った時に懐かしいと感じた理由が分かりそれを素直に違和感もなく受け入れた。
「そっか、だから晶と憐也を初めて見たとき懐かしいって感じたんだ 。」
「そうだね。僕も蒼真憐也を間近で見たとき懐かしいと感じた。」
前世のことを覚えている人間は少ない。ツナと雲雀が忘れていても仕方ないと思っていたのにまさか懐かしいと感じていたのを知って晶と憐也は嬉しく感じた。
「うう・・・。」
「く、うぅ。」
呻きながら目を覚ますリボーン達はのろのろと頭を上げる。
「あの、夢はなんだったんた?」
「でも何故か自分のことにしか思えない。」
「俺もなのな。」
「極限凄くリアルな感覚だ。」
憐也と晶は冷たい目でリボーン達が居るところまで歩いていく。
「辛そうね。」
「ま、コイツらには手加減無しで思い出させたからな。」
「思い出させたって・・・・やはりあの夢は俺達の前世か!」
「頭が悪そうな癖に分かるなんてね!」
「御名答!」
馬鹿にする晶と肩を竦めて茶化す憐也にリボーン達は怒鳴り付けたいが自分達がしてきた前世を考えると出来なかった。
自分達がツナと雲雀、クロームを殺し憐也と晶の両親を奪ったのだ。
京子は自分より美人でもない、裁縫や料理が出来ないとツナを罵り傷付けた。前世の自分の醜さに俯いた。
「で、獄寺隼人、山本武、笹川京子。自分達の中に渦巻いていた黒い感情の正体は分かったの?」
「「「ッ・・・・!」」」
今なら分かる。
獄寺と山本は好きなツナを手に入れた雲雀に。
京子は密かに想っていた雲雀と付き合ったツナに。
醜い、醜すぎる嫉妬だ。