儚き者達
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「嫌ぁぁぁぁ!!恭矢さん!恭矢さん!」
「「お父様ーーー!」」
三発の銃弾を受け倒れ恭矢に泣きすがる津奈と憐也と晶。
弥生と渚がこの世を去り恭矢まで。津奈達は泣き崩れるしかなかった。
「そろそろ泣き止んで貰おうか?雲瀬津奈、憐也、晶。」
「俺達の屋敷に来てもらうぞ!」
津奈達の前に立った闌丸と利庵。二人の手には拳銃が握られていた。
津奈はキッと睨み付け叫ぶように言った。
「貴方達が父と私の友人を騙した勝栄家の人ね!!」
「騙した?騙される方が馬鹿なんだよ!本当に単純だった。お前の父親も友人とやらもな。」
「お父様は!?お父様は何処なの!」
涙を流しながら睨み付ける津奈にニヤリと笑う利庵。
「家光は殺したぞ。血筋を守る為に手を組もうと言ったら疑いもせずに嵌まったぞ。そんなことはもうどうでも良い。さぁ来てもらおうか?」
闌丸は津奈を無理矢理立たせるが津奈はその手を振り払う。
「触らないで!美樹さんが言っていたけど私は貴方の子なんて生みたくはない!私の子供は憐也と晶だけ!勿論、憐也と晶にも触れさせない!!」
「ハッ!守る術などろくにないのにそんな口を利くとはな。ブスで生意気な女は腹立つんだよ!!」
闌丸は津奈の胸ぐらを掴み手加減無しで平手打ちをする。
「ッ・・・。」
「チッ!声もあげないとは益々腹が立つ女だ!」
「お母様ーー!」
「お母様を離せ!」
泣きながら母親を呼ぶ晶に闌丸に憎悪を込めて睨み付ける憐也。
津奈は「これくらい大丈夫よ。」と笑顔を作る。
闌丸は津奈と子供達の絆を利用しようとゲラゲラと笑い出した。
「父上、作戦変更です。ガキ共を殺せばこのブスも大人しく言いなりになるでしょう。こういう人間は守る物がなければ無力。ましては守れなかったら抵抗する気も起きない。」
「それで構わんぞ。ガキ共は半分は陰陽師ではない血を汲んでいるし、津奈の方がお前も子作りしやすいだろうしな。」
闌丸と利庵は憐也と晶に銃口を向ける。津奈は憐也と晶を守ろうと自分を掴んでいる闌丸の手を振り払おうと暴れる。
「おい!暴れるな!鬱陶しい女だ!」
「離して!二人とも逃げなさい!」
ズガァンーーー
津奈が暴れ揉み合いになり銃が暴発。津奈は崩れ落ちる。
「お母様!嫌ぁぁぁぁぁ!!」
「この人殺し!!」
泣き叫ぶ晶と闌丸を睨む憐也に津奈は力なく笑う。
「守って、あげられ、ない母、親でゴメンね・・・。」
『恭矢さん、ごめんなさい。晶と憐也を守ってあげられなかった。』
津奈は目を閉じこの世を去った。
「チッ!どいつも邪魔ばかりしやがって!」
「全くだ!ガキだけでも確保出来たんだ。これで良しとしよう。後は秘術が記載されている書物を持ち出し、勇斗達を殺せば良いだけだ。」
憐也は泣きじゃくる晶を抱きしめる。これから自分と妹はどうなるのかととてつもない不安が不安で押し潰されそうになる。
「あっ!あそこにい、たのな・・・・。」
「本当だ!闌丸さん、利庵さ・・・。」
使用人達を気絶させ美樹の式神についていきたどり着いた勇斗と武司。(実際は美樹が先に勇斗達を向かわせ使用人達を殺していた。)
「これはどういうことなんだよ!?」
「何で津奈が死んでるのな!?」
腹部から血を流し息をしていない津奈に津奈の側にいる憐也と晶。
そして銃を持っている闌丸と利庵。
「闌丸さん!利庵さん!どうして津奈さんが亡くなられているんです!?」
「津奈と子供達を保護するんじゃなかったのな!?」
闌丸と利庵はニヤリと片方の口角を上げて笑う。
その笑いに憐也と晶、勇斗と武司はそれぞれ不気味な物を感じた。