儚き者達
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狂気に満ちた勇斗と武司に津奈は恐怖した。
「さあ、津奈さん行きましょう。」
「そうなのな。アイツのことなんか忘れるのな。」
「わ、私は行かない!」
津奈の拒絶に二人は目が据わる。何故そんな怯えた顔で拒絶するのかと。
「・・・そんなに雲瀬恭矢が良いんですか?」
「アイツは乱暴な男なのな・・・。」
「「俺は初めて会った日から津奈(さん)のことが好きだった(のな) 」」
二人は津奈に手を伸ばしてくる。津奈は二人の自分へ向けていた気持ちを聞いてそんな知らなかった!とショックを受けたが今はそれ以上に大事な存在がいる。
津奈は恭矢が大切で憐也と晶を守らなきゃとかろうじて使役出来そうな九十九神達を使い恭矢の居場所を探し出させ、また美樹と勇斗、武司の動きを封じさせる。
しかし利庵が安倍川の九十九神を奪い取ってしまっているせいで上手く使役出来ない。勇斗達を押さえられるのも時間の問題。
「長くは持たない!皆早く逃げて!!」
津奈は叫ぶように言い使用人達は門に向かって逃げていく。
「渚ちゃん、憐也と晶を連れてここから離れて!」
「え!でも津奈ちゃんは!?」
「私は恭矢さんの所に向かう!また後で会おうね!」
「・・・分かった 、また後で!」
津奈の決意した目を見た渚は説得しても津奈は恭矢の元に行くだろう。愛し合っているのだから当然だ。
渚は憐也と晶の手を引き逃げる。
津奈は九十九神が示す方向に走り出し、勇斗達は何とかしようともがく。
「くっ!なんなのな!」
「九十九神よ!」
「だがもう限界みたいだぜ!九十九神の力が弱くなってる!」
津奈は不味いと振り返ると九十九神から逃れた勇斗達が追おうと走り出していた。
『怖い!』
どんどんと距離が縮まっていき勇斗に捕まりそうになったときドンッと音がし勇斗は突き飛ばされた。
「早く逃げて下さい!」
突き飛ばしたのは津奈のことを心配し戻ってきた使用人だった。
「津奈様、早く!」
とてもじゃないが若い勇斗と武司、美樹の動きを封じるのも一苦労だ。
「津奈様に従うのが安倍川の使用人だがこればかりは聞き入れられない!」
「そうよ!日野江様と弥生様、津奈様に恩返しをするときよ!」
使用人達はある者は職を失い、ある者は家族を失い、ある者は家族が重い病で薬代が高額で困り果てていた。
そんな彼等に救いの手を伸ばしたのは日野江と弥生。
落ち込んでいたら笑顔で励ましてくれたのは津奈。
使用人達は命を落とす覚悟で戻ってきた。