FOG&MIST
『ボス!何処にいるの?』
探している時も並中生達がツナを罵っていた。
ツナとは違うクラスや学年の生徒達。
『全校生徒のほとんどがこんな感じじゃ、ボスは誰かに保護されてる可能性はないわっ!』
並盛神社や、公園、空地を探してもツナは見つからない。
見つからないツナ。クロームは焦り出す。
探し回って今クロームがいる場所は並盛と黒曜の境目にある寂れた公園。
かなり時間が経っていて外はもう薄暗い。
クロームは足を踏入れる。
ブランコと、滑り台に小さな砂場。植え込みが幾つかあって、ベンチが一つあるだけ。
「ぅ・・・」
クロームは声がする方に目を向ける。
向けた先は植え込みの方。
クロームは植え込みの方に駆け出す。
クロームは息を飲む。
植え込みと建物の隙間で倒れているツナ。
「ボス!」
クロームは植え込みの中に入って行った。
「ボス!しっかりして!」
傷だらけのツナ。
殴られた痕に刀で切りつけた痕。根性焼き。そして銃弾がかすった痕まであった。
クロームは無理矢理座り込み、ツナの上半身を抱き抱え、涙を流しながら骸の精神に呼びかけた。
『骸様!ボスが、ボスが!』
『クローム、綱吉君がどうしたのです!?』
『ボスを助けて!!』