FOG&MIST
「クフフ。綱吉君に指摘され漸く気付き謝罪とは、呆れてますよ。」
骸の目は怒りと軽蔑を宿していた。
「ボスに言われてする程度の謝罪なんかいらない。」
クロームは冷えきった声音で言う。
「何で俺には真っ先に謝ってクロームと子供達には謝らないの!?そのことで骸や千種達やランボのファミリー、風さん、フゥ太を知ってる人が傷ついて悲しむって思わなかったの!!」
ツナはリボーン達に怒りに満ちた声で言う。
リボーン達は考えたことなかったとますます首が垂れる。
「父さんも九代目も俺が男のふりをするのにどれだけ苦労したと思ったの?ちょっと考えれば分かることだよね?」
家光と九代目はツナの軽蔑の目に怯む。
ツナはそんなリボーン達に告げる。
「俺はボンゴレ十代目になんかならない!あっさり裏切って暴行に走る人間と一緒にいたいなんて思わない!!」
それに慌てたのは家光と九代目、リボーン、獄寺、山本、了平だ。
「ツナ!お前に拒否権はねぇっと言ったはずだ!」
「お前が継がないとボンゴレが潰れるだぞ!」
「綱吉君にはドンナになるのが決まっているんだよ。」
「十代目になる人は貴方しかいません!」
「何でそんなこと言うのな?」
「極限に納得出来んぞ!」
騒ぎ出すリボーン達に怒鳴るツナ。
「ふざけるな!セーラ・バードンさんを十代目にして喜んで事実が分かった途端に見捨てて、自分達がボロボロにした人間をまた祭り上げようなんて!どれだけ勝手なんだよ!」
「それは悪いと思っ・・・!?」
リボーンの言葉を無視して骸がある物を見せる。
「これを作成したのは誰でしょうね。」
骸が見せたのは勅命書。
「なっ!」
「何で骸がそれを持ってんだ!?」
「クフフ。フランを潜入させ持ってこさせたのです。」
「十代目を剥奪された以上、綱吉君が継ぐことは出来ないんですよ。」
「撤回し、新たに十代目就任の勅命書を作ろう。」
「娘は初代の直系で超直感を目覚めさせている!」
家光と九代目の言葉にユニが否を唱える。
「ボスを務める者が簡単に剥奪したり撤回したりするのは許されるものではありません!」
ユニは厳しい声で黙らせた。