FOG&MIST

大空の姫の決別





骸の背に護られていたツナが骸の隣に立つ。骸はツナの手を繋いだ。頑張れと励ますように。

リボーン達はツナと骸が手を繋いでいるのを怪訝そうにしながらも優しいツナの事だ、許してくれると思っていた。

「・・・母さんとリボーン、獄寺君に山本、お兄さん、京子ちゃん、ビアンキ。他に言うことは?」

リボーン達はツナだけを傷付けたわけではない。子供達と有幻覚とはいえクロームも傷付けた。(奈々とビアンキはクロームに手を出してはないが。)

リボーン達はツナが何を言っているか分からず困惑する。

「分からないなら良い。母さん、何で信じてくれなかったの?」

「そ、それは、セーラちゃんが泣いていて、それで・・・」

「そう。俺も泣いたと思うけど。」

「っ・・・」

ツナに言われ、奈々は言葉が詰まる。

ツナは家光と九代目の方を向く。

「父さんと九代目にも言えることだよ。勝手にリボーンを送り込んで十代目になれって有無を言わさずマフィアの世界に引きずり込んでおきながらあっさり捨てて。」

いとも簡単にツナを捨て罪人扱いした家光と九代目は気まずそうツナを見る。

「それに子供の頃から男のふりをさせられてるのもリボーンが来て理解できたんだよ。父さんも九代目も説明なんか今までしたことないよね?」

「「・・・・・・」」

家光も九代目はただツナに男のふりをさせて理由一つしていないことを思い出しツナから目を反らした。


ツナは温度を全く感じさせない声で言った。

「皆に信じて貰えない上に暴力や暴言でどれだけ俺が傷付いたと思ってるの?毎日暴力を振るわれて、食事も無かったからどんどん弱ってたんだよ?」

リボーン達は目を反らし黙り混んだまま。

「暴力を振るうのが、暴言吐くのが、俺の物を壊すのが、とても愉しいって顔をしていたよ。」

リボーン達は違うと言いたかったが最期の方は一人の人間に暴力や暴言を吐く行為に愉悦を感じていて下を向いた。

「リボーン達に最初に聞いたことなんだけどまだ分からない?」

「・・・他に言うことなんかまだあったか?」

リボーンの声にツナは呆れて果てた。

「リボーン達はクロームと子供達にも俺にしたように酷い仕打ちをしたんだよ!」

クロームに暴力を振るって暴言を吐いたりしたよね?

子供達に怒鳴り付けたよね?

ランボを殴ってフゥ太を蹴ったよね?

ツナの言うことにリボーン達は青ざめ空かさずクロームに謝罪しようとしたがそれを骸が遮った。


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