FOG&MIST


マジでここの連中は単純で騙しやすかったわ~と一頻り笑ったセーラはにやつきながらクロームに「そこでねー?」と切り出す。

「骸君に会わせて欲しいの~♪あとダメツナを追い詰めてセーラの手を取るようにするために苛めてくれないかなぁ?協力してよ~?」

「絶対に嫌よ!人を道具のように扱うような人に協力なんかしない!!」

「もう一回聞いてあげる!セーラに協力しなさい!これは命令よ!じゃないとダメツナのように嵌めてあんたも痛め付けるように奴隷共に囃し立てるわよ!!」

「皆を騙して嵌めてお姫様気取りの貴方に協力なんか絶対しないから!」

吐き捨てるクロームに「だったら仕方ないわ~。」とスカートのポケットからカッターを取り出し自分の右頬と左手の甲を軽く切りつけた。

「あんたもダメツナみたいに地獄を見なさい!キャアアアアアアーーッ誰かーーーー!!」

その後獄寺達や生徒達が入って来てクロームに暴力を振るう所で映像を止める。


静かになる体育館。

「そこの風紀違反女は沢田綱吉に苛められてると言っていたが、実際は沢田綱吉とクローム髑髏を陥れ嵌めたんだよ。」

さあ、無実の沢田綱吉とクローム髑髏とそんな彼等に暴力を振るった君達とどっちが警察行きかな?

楽しそうに言う雲雀に恐怖する生徒達。どう考えたって自分達の方が警察行きだ。

そんな空気を裂くような声で獄寺と山本が怒鳴った。

「確かにクロームは無実だったけど沢田の方は証拠がないのな!」

「そうだぜ!セーラさんは沢田に酷いことをされたんだ!仕返しに嵌めたんだ!」

獄寺と山本のツナには無実の証拠はないと言う言葉に他の生徒達はそうだと同意する。

「そうですよ!雲雀さん!沢田の無実の証拠はないじゃないですか!」

「それなのに警察行きなんて酷い!」

騒ぎ出す生徒達を見てセーラは獄寺達と奴隷達を再度味方に出来るとほくそ笑んだ。

雲雀は尚も自分達の非を認めない獄寺、山本、了平、京子、黒川と他の生徒達に呆れた。映像にハッキリツナを嵌めたと笑うセーラを見たのにも係わらずにだ。

「証拠ならあるよ。」と雲雀が嘲笑う。

「まず、沢田綱吉は右利きだ。沢田綱吉に殴られたなら左頬が腫れているはずなのにセーラ・バードンは右頬に湿布を貼っていた。」

2-Aの生徒達はツナが右利きであることを思い出した。雲雀はそんな生徒達に証拠はまだあるよと言った。

「そもそも沢田綱吉にセーラ・バードンをレイプすることなんか無理なんだよ。絶対に出来ないよ。」

雲雀は来なよと舞台袖にいる人物を呼んだ。


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