FOG&MIST
リボーンは青ざめていた。
「なんだと!ダメツナは女だったのか!」
『敵対ファミリーに狙われない為に男のふりをさせていたんだ。だからセーラちゃんとは結婚出来ない。』
「じゃあ、セーラがツナにレイプされそうになったと言うのは・・・」
『レイプ!?どう言うことだリボーン!報告書にはセーラちゃんを苛めて暴力を振るったとしか書かれてなかったぞ!』
「すまねぇ、お前とママンを傷付けると思って黙っていた・・・。」
家光は今すぐ諜報部を使って調べると電話を切った。
会話を聞いていた奈々はへなへなと座り込みビアンキが駆け寄る。
「リボーンちゃん、今の話は・・・?」
「すまねぇ、ママン・・・。」
下を向き帽子の鍔を下げるリボーン。
「私、ツッ君になんて酷いことをしてしまったの!?」
毎日、傷だらけでのツナを頭ごなしに謝れと強制し、食事や、怪我の手当てもしなかった奈々は自分がしたことに恐怖し震えた。
「ツッ君はしてないって言っていたのに!私、あの子を見捨てようとしていた?」
奈々は悲鳴をあげ泣き出した。
「いやぁぁぁあぁぁぁーっ!!」
奈々を支えながらビアンキも青ざめていた。
「私、ツナにポイズンクッキングで虐待してしまったわ・・・。」
後悔をしているリボーン達を尻目にフランはツナの除名の勅命書を持ち去った。
「フラン、よくやりました。」
ヘルシーランドに帰ったフランは骸に勅命書を渡す。
骸は勅命書を見てニヤリとした。
『綱吉君には酷ですがこれを見せてボンゴレと愚者達を切り捨てて貰いましょう。』
骸としてはツナを傷付けたくは無いが、真実を知ったボンゴレとリボーン達は何もなかったかのようにツナを十代目に祭り上げるだろう。ツナの意志と心の傷を全く無視して。
そんなリボーン達にツナを渡すわけにはいかなかった。渡したら最後、リボーン達は無意識にツナを傷付けるだろう。
骸はツナの部屋に行き勅命書を見せた。