FOG&MIST


「あの雌豚女の所から出てきました。」

骸は並中の応接室にいた。

「これ麻薬じゃない。あの風紀違反女、良い度胸じゃない!僕の並盛にこんな物を売り捌こうとはね!」

漆黒の目に怒りを宿す雲雀は力任せにトンファーを壁に投げつけた。無論トンファーは壁に刺さっている。

「で、君はわざわざこれだけを持って帰ってきたわけ?」

案に麻薬をセーラの部屋に置きっぱなしなのかと言っている雲雀。

「麻薬は全部僕が持ってきましたよ。雌豚が所持してる麻薬は幻覚にすり替えました。」

「なら良いよ。こっちは粗方準備は出来たよ。小動物の籍なら何時でも抜けるし養女の件も万端さ。」

「ありがとうございます。こちらももう少しです。」

そう言い残し骸は消え去った。

「あのナッポーが御礼を言うなんて気持ち悪い。」

雲雀は鳥肌を立てた。




「お帰り、骸。」

ツナの出迎えに心が和み癒される骸。

『綱吉君の愛らしさに比べたらあの雌豚女なんか汚物ですよ!と言うか比べるまでもないですが!』


台所の方からいい匂いがして骸は首を傾げた。男性陣とMMは料理など出来ないし、唯一作れるクロームはフランと交替し沢田家に行っている。

「今日は俺が作ってるんだ。」

簡単な物しか作れないけどと付け加えた。

「それは楽しみです。何を作っているのですか?」

「ポトフだよ。」

ツナはそう骸に言って台所に戻って行った。

平静を装ってもツナの手料理が食べれる日がこんなに早く来るとはとドキドキする骸だった。



「綱吉君、凄く美味しいです!」

「このベーコン美味いビョン。」

「・・・悪くない。」

がっつく骸、犬、千種にフランがミーの分がなくなりますーと慌てて食べて噎せる。

「そのベーコンもらった!」

そう言ってフランのベーコンを横取りするMM。

「美味しい。ボス今度作り方教えてね。」

「今度一緒に作ろうか?」

ツナと一旦帰宅したクロームは一緒に作ろうとはしゃぐ。

「ツナ兄、美味しいよ!」

「ツナさん、ポトフ美味しい!」

「あっ!それランボさんのだもんね!」

子供達も負けじと食べる。



その日の夕飯は賑やかだった。


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