FOG&MIST


骸が憑依しようとした時にセーラのスマホに着信音が鳴った。

「パパ~♪久しぶり~♪」

「久しぶりだね、セーラ。どうだ?上手く沢田綱吉を陥れたか?」

「ええ、上手くいってるわ~。もう少し追い詰めればセーラの手を取るようになるわ~。そうなればバードンファミリーは最強のファミリーになるわ~♪」

「そうだな。お前にかかっているんだからな。絶対に成功させボンゴレを手に入れるんだ!」

「勿論よ~。パパ♪絶対にボンゴレを手に入れるわ~。その為にももっとあのダメツナを追い詰めて反抗心を無くして言うことを聞かせてやるんだから~!」

「そうだ可愛いセーラにお願いがあるんだが良いかな?」

「分かってるわ~。そろそろ『白粉』を並盛にばら蒔くんでしょ~?じゃなければセーラの荷物に少量だったけど入れたりしないもの~。」

「セーラは話が早くてパパは嬉しいよ。売り捌いて売上の一部はセーラのお小遣いだ。また後日そっちに送るからそしたらまた売り付けろ。」

「キャー♪嬉しいっ。それじゃあまたねパパ♪」

電話を切りベッドに寝転び「キャハハ♪明日からどうやって『白粉』を売り捌こうかしら~♪」とクローゼットを見る。

一部始終を聞きながら骸は『白粉』は十中八九麻薬だと検討を付けセーラに憑依した。


憑依した骸はクローゼットを開け、箱を取り出す。

「クフフ、やはり麻薬でしたか。しかしこれが出回ったらアヒル君が怒り狂って厄介です。下手をしたら僕に八つ当たりくらいはしてくるでしょうし。」

骸はぼやき、麻薬を持ち帰ることにし、箱の中に幻覚の麻薬を入れクローゼットに戻す。

骸は次にセーラのパソコンを起動した。

「これは製薬会社の本社や支社のデータのように見せかけて麻薬のルート。それからこれは薬品のデータに見せかけてますが明らかに人体実験のデータ。」

骸はセーラの記憶を覗きながらデータを見る。

「人体実験のデータを見たがり送信させるとは悪趣味な雌豚ですね!」

忌々しく吐き捨てる骸。

「これだけの事をしているファミリーです。まだ何かしらやってるはずです。しかし調べる事が出来ても証拠を見つけるのは流石に難しいでしょう。」

セーラの嘘なら簡単だがバードンファミリー全体となると話は別だ。

「やはり、あのファミリーに頼むしかないでしょうね。」

骸はそのファミリーに話を付ける算段をしながらパソコンのデータをカメラに写していった。

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