FOG&MIST
セーラのスマホにメールが受信された。
「誰かしら?」
差出人は骸。セーラは慌ててメールを読む。
『もし宜しければ一緒に帰りませんか?返信待ってます』
幸い、山本と了平は部活で獄寺は運が悪いことにビアンキに会ってしまい腹痛で欠席していた。つまり骸は幻術で姿を隠さないでセーラの側にいるということ。
急いで返信し学校を出るセーラ。既に骸は校門の前で待っていた。
「こんにちはセーラさん、アルコバレーノ。」
「こんにちは、骸君。」
「ちゃおっす骸。珍しいなお前が並中に来るなんてな。」
「セーラさんを守る約束をしてますから。」
リボーンは骸が雲雀の牙城に来てまでセーラを守ろうとする態度を見てこの様子なら二人きりにしても平気だろうと判断した。
「俺様は先に帰ってるから二人で交流を深めておけよ。」
「分かりました。」
「分かったわ~♪リボーン君。」
リボーンが沢田家に帰りセーラは上機嫌だ。勿論リボーンがいた方が何か合ったら守ってくれるが骸と二人でいることの方が良かった。
「セーラさん、自宅までお送りしますよ。」
セーラに微笑む骸にセーラは胸を高鳴らせる。
「黒曜からわざわざありがとー♪」
骸はセーラを護衛する気があるとリボーンに見せ安心させることに成功させた。
腐っても最強のヒットマンだ。近くにいたら何かとやりにくい。
上機嫌のセーラを尻目に『この雌豚女をどう料理しましょうか。』と楽しそうに骸は思案していた。
「もう着いてしまいましたね。」
「もっとお話したかったわ~。」
セーラは骸とカフェでお茶をしたり買い物をしたかったがツナに苛められていると言う理由があるから下手に出歩けなくなっていた。ある意味自分で自分の首を絞めたようなものだ。
「僕もですよ。それではまた今度会いましょう。」
骸はセーラの手の甲に口付けをした。と言っても口が腐ると幻覚で誤魔化したが。
霧を纏い骸は去っていった。
「骸君てば~、完全にセーラの騎士じゃない~♪」
骸はセーラが口にする前に察して飲物を買ったり、車道側にセーラを歩かせないようにさりげなくエスコートしていた。そして何より周りの視線がセーラの自尊心を満たした。
骸を見た女性達はセーラを羨ましそうにまたは
嫉妬の目で見ていた。
「気分が良いわ~♪キャハハ♪」
セーラは満足して父親の用意したマンションに入っていった。
『全く気色の悪い雌豚ですね。憑依してバードンファミリーについて調べましょうか。クフフ。』
立ち去った様に見せかけ隠れていた骸はセーラの部屋へ足を向けた。