FOG&MIST
テーマパークに着きそれぞれ仲の良い友人達とグループを作りアトラクションへ足を向ける。
セーラは獄寺、山本、京子、黒川、獄寺の荷物に忍んでいたリボーンとテーマパークを回ることに最初は浮かれていたが骸が居ないことに気付く。
「骸は幻術で姿を消してセーラを守ることにした。他校生だからな。」
他のメンバー(特に獄寺に知られたら揉めることは必須)に聞こえないようにリボーンは小声で言った。
セーラはそれじゃあ意味がないじゃないと腹を立てた。セーラは守護者達を侍らせ、京子達を引き立て役にしたかったのだ。
しかし普段良い子ぶってるだけに文句を言えず「そうなんだ~」と聞き分けが良いふりをするしかなかった。
「セーラさん!沢田とクロームがいないから楽しみましょう!」
獄寺の言葉にセーラはそれもそうだと頷き
「今日は皆と楽しみましょ~♪」
セーラ達は乗りたいアトラクションへ向かった。
骸もそれに続き契約するためにセーラの隙を伺い、ツナのことを思う。
『綱吉君と子供達は会えたころでしょうか?』
子供達と会い少しでも癒されて欲しいと骸は祈った。
並盛公園にランボ、イーピン、フゥ太はツナを待っていた。子供達の手にはブドウ飴やゴマ団子、コンビニの新作のお菓子。
ゴマ団子はイーピンとフゥ太が作っていたが途中からランボが参戦して三人で作った。
奈々は最初は珍しいと思って見ていたがまさかツナに渡すとは思っていなかったし後で公園に行くと言っていたからオヤツにするんだろうと微笑ましそうに様子を見守っていた。
暫くして三人の目に久しぶりの人物が写った瞬間、ピンクのワンピースにキャメル色のブーツとショートトレンチジャケットを身に付けたツナを見て目を点にさせた。辛うじて声が出せたフゥ太は恐る恐る聞いた。
「ツナ兄、その格好は?」
「実は俺、・・・・・・女なんだ。」
ツナは居心地が悪そうに騙しててゴメンと謝った。
子供達は驚いたがツナには変わりはないと抱き付いた。
「心配かけてごめんね!」
ツナは抱き止めた。
「ツナ兄を探そうと思ったんだけどママンとリボーンが探すなって中々外に出られなかったんだ。」
子供達は守れなかったからせめてツナを探して食料や薬を渡そうとしたがリボーンと奈々が「罪人を庇うな!」「悪いことをした人を庇うのは悪いことなのよ。」と探しに行こうとした子供達を強引に止めさせた。
クロームは健気な子供達を見て愚者達を嫌悪した。
子供達は幼いなりにもセーラの嘘を見抜きツナを信じた。
それなのに家光と奈々は自分の子供を、家庭教師は生徒を信じない。
晴は妹に話を聞いただけで暴行し、嵐、雨は命を助けられたのに恩を仇で返す始末。
出来ることなら二度とツナに近づかないでほしいとクロームは思う。
愚者達はツナの身体だけではなく心も傷つけたのだから。
「フゥ太、ランキング能力であの人のことを調べた!」
イーピンが怒ったように言い、ランボも「フゥ太が調べてるの、ランボさん見てたもんね!なのにリボーンが!」と怒り出す。
「何を調べたの?」
イマイチ飲み込めないツナはフゥ太に尋ねた。
「あの人の嘘付きランクは酷かったよ!マフィアの中でも10位だし全体的に調べても128位だったんだ。だからリボーンに知らせたんだけど。」
見え透いた嘘をつくんじゃねぇって蹴られて相手にされなかった。
悔しそうに言うフゥ太。
ランボに続きフゥ太まで。このままではイーピンまで酷いことをされてしまうかも知れない!ツナは不安になった。
いくら女性に優しくがモットーのリボーンだがいつイーピンに手を上げるか分からない。
子供達にまで暴力を振るうリボーン。リボーンに便乗するかのように子供達を叱る奈々に失望した。