FOG&MIST
帰宅中獄寺達と別れセーラとリボーンはヘルシーランドに到着し入って行く。
不法侵入をしてきたリボーンとセーラを見て一瞬眉を寄せる骸。勿論ツナ達は幻術で隠している。
「これは珍しいですね?アルコバレーノ。一体何の用です?」
「お前に話がある。」
リボーンは骸を睨み付けながら話した。
「クロームの奴がセーラにカッターで顔と左手を切り付けやがったんだ!」
セーラの右側の頬と左手の甲にガーゼが貼られている。
「クロームちゃんは悪くないんです~。セーラの話し方が悪かったせいでクロームちゃんは~骸君を取られると思って切りつけちゃったんだと思いますぅ~。」
セーラは胸元に右手を握り、眉を下げながら言った。
気色悪い喋り方と胡散臭い演技のセーラに骸は鳥肌が立ったがここで一つ布石を打ちに出た。
「クロームが大変なことをしてしまったのですね。クロームは後で罰しますのでそれで許してはくれませんか?」
骸は鳥肌と吐き気を我慢し笑顔を作った。セーラはそんな骸を見て『ウフフ♪セーラの魅力で骸君は虜になったわね~♪』と嬉しがり、ここでさらに優しいセーラを演じる。
「セーラは気にしてないからクロームちゃんを罰したりしないでぇ~。」
悲しそうに言うセーラにリボーンはセーラに優しすぎだぞと困ったように笑う。二人のやり取りを見て視覚の暴力だと骸は苛立つがこれもツナの為だと抑えた。
「ですが罪を犯したのに罰を与えないわけにはいきません。」
だから罰すると言う骸にセーラはクロームにザマーミロ!ブス!と胸中で罵った。
ならクロームの処分は骸に任すと言ったリボーンは骸にこれからはセーラを守護して貰うと言い、骸は「僕は確か沢田綱吉の守護者ですが?」と何も知らないふりをした。
リボーンはため息をつき骸に説明しだした。
「ダメツナはセーラに告白したんだがセーラが断ったことが気に入らなくて襲いかかったんだ!幸いセーラの悲鳴に駆け付けた生徒達のおかげで未遂で済んだが。」
その事を思い出し下を向きながら震えるふりをするセーラに骸は大丈夫ですか?と声をかける。
「思い出しちゃうと怖いの~。」
泣きそうなふりをし『怯えるセーラを見てこれで骸君はダメツナをいたぶってくれるかも~。』と下を向いたままセーラは醜悪な笑みを浮かべた。
しかしこの時幻術で姿を消したフランがカメラを回していた。至近距離でカメラを回していた為、セーラの醜悪な笑みもバッチリ録画出来た。
フランは性格ブスの気持ち悪い笑顔は重罪ですねーと顔をしかめカメラを回し続けた。
「女性にとって男に襲われるのは恐ろしいことでしょう。分かりました。僕で良ければ守りましょう。」
笑顔の骸にセーラは『やったわ~♪骸君をセーラの騎士に出来たわ~♪』と喜んだ。