FOG&MIST
『これは一体・・・?』
ヘルシーランドに帰ってきた骸が目にした光景は異様な空気が立ち込めていた。
柱にくくりつけられたフラン。
逆さ釣りにされている犬。
必死に防犯カメラのデータを観ている千種。
引きながら何とも言えない顔のツナ。
ドン引きした表情のMM。
これだけでも異様なのにさらに異様な空気を醸し出している人物がいた。その人物は犬とフランを睨み付けているが骸の帰宅に気づいて振り向いた。
「骸様。お疲れ様。」
労いの言葉をかけるクロームだが、ドス黒いオーラを放っていた。
骸は背中に冷や汗をかきつつも「一体何があったのです?」と何とか言えた。
「犬とフランがボスに何匹ものゴキ〇リを放って嫌がらせをしていたので止めに入りました。」
クロームの言葉に眉を軽く寄せつつも、一応二人に聞いてみる。
「骸しゃん!ちょっとした思い付きでドッキリをしただびょん!」
「師匠!ミーの天才的な幻覚でゴキ〇リを数匹出しただけですー!」
つまり犬がフランに話を持ち掛けツナにドッキリを仕掛けた。
骸はドス黒いオーラを放ちドス黒い笑みを見せているクロームを見て引きながら「そのくらいで許してあげなさい。」としか言えなかった。
「綱吉君。」
食事を取り各々がしたいことをしていた時、骸はツナに報告した。
「沢田家にいる子供達に会ってきました。三人共元気そうでした。」
元気そうと言う言葉にツナの目が輝いた。
「良かった・・・。」
ツナは子供達のことが気掛かりで仕方なかった。もしかしたらリボーン達に酷いことをされているんじゃないかと。
「綱吉君のことを随分心配してましたし、アルコバレーノ達の隙を見て会う時間を作りますね。」
「何から何まで頼りっぱなしでごめんね。あと、ありがとう。」
ツナは感謝の気持ちを笑顔で骸に伝えた。骸はその可愛い笑顔は反則です!とツッコミながら、「気にしないで下さい。」と何とか返した。