大空を信じる子供達





一方、骸は沢田家の様子を見に行っていた。

ツナの部屋に居るのはランボにイーピン、フゥ太。

「ランボさんツナに会いたいもんね！」

「ツナさん、会いたい！」

べそをかきながら寂しがるランボとイーピンを慰めながらフゥ太も不安で一杯だった。

いくら自分達がおやつや食事をこっそり持って行っても毎回持って行けるわけじゃないから断然に量が少ない。
ツナの怪我の手当てをしたくても奈々やリボーン、ビアンキに見付かれば救急箱を取り上げられる。

奈々がツナを追い出そうとしたとき駆け付けた自分達に首を振り口だけで『庇わないでいいから』とツナは自分達を止めた。

ランボ、イーピン、フゥ太は思い出して涙ぐんだ。


『まだ会わすことは出来ませんが、安心させておきますか。』

部屋の中に入ろうとした骸だが、流石に自分が入ったら子供達に警戒されることに気付きクロームの姿で入って行った。

部屋の中に突然現れた霧に怯えるランボを抱き上げるフゥ太。二人の前に出て構えるイーピン。

霧が薄れ人物の姿を見て警戒を解くランボとイーピン。
クロームの姿をした骸が「久しぶりだね。」と声をかける。

「クロームだもんね！」

「クロームさん！」

遊んでくれるクロームに会えて喜ぶイーピンにフゥ太の腕から飛び降りてピョンピョンクロームの回りを跳ねながら走るランボ。

跳び跳ねるランボを見て『相変わらずウザい子牛ですね。』と内心ウンザリ気味の骸。

ランボ達より少し年上のフゥ太は警戒しながらもツナを苛めに来たのかと質問する。

骸は首を横に振り「ボスは無事よ。ヘルシーランドで護ってるから。」と答えた。

ツナが無事だと分かって喜ぶ子供達。

「アルコバレーノ達の隙を見てボスと会わせるからもう少し待ってて欲しいの。」

「ランボさんもう少し我慢するもんね！」

「イーピン、寂しいけど我慢する！」

「クロームさん、ツナ兄を助けてくれてありがとう！」

辛そうに話すクロームに頷く子供達。

「それじゃそろそろ行くね。」

霧を纏い姿を消しながら去る骸。


ツナの部屋を出た骸は姿を戻しヘルシーランドに足を向けた。

ヘルシーランドでちょっとした事件を知るまであと少し。