FOG&MIST
その為にもツナの戸籍を沢田家から引っこ抜き、他の家の養女になれば初代直系の沢田家とは無関係になる。勿論ツナが納得したらの話だが。(と言うより納得するように仕向ける気満々の骸だ。)
「なるほどね。良いよ。それで赤ん坊達が慌てるのを見るのは面白そうだし、リングも突っ返すことも可能だろうしね。」
雲雀は穴だらけの嘘を見破れないリボーンに興味は失せていた。
そして雲のボンゴレリングは武器の一つだが同時にボンゴレに縛り付けられる物でもあった。それをチャラにし、並中の風紀も正せるなら雲雀としては万々歳だ。
お互い自分の為に手を組むことに成った。
退室する間際に骸が思い出したように雲雀に伝える。
「あの雌豚は僕と雲雀君を手に入れようとしてますから気を付けて下さい。まあ、雌豚に引っ掛かる君ではないでしょうけど。」
そう言い残し骸とクロームは応接室を出た。
「本当に忌々しい風紀違反女だね!」
雲雀は吐き捨てた。
並盛の防犯カメラのデータをかき集めたクロームと千種はPCに落としていく。
「昨日の帰りにボスに怒鳴られたって言っていたけどラ・ナミモリーヌでお茶してる。」
放課後にラ・ナミモリーヌで京子とお茶しをしているセーラ。
「駅ビルの中か?めんどい・・・。」
駅ビルの防犯カメラに写っているのはブランド物のアクセサリーを買い漁っているセーラ。
他にも獄寺、山本、了平と一緒に帰宅していたり、コンビニで京子や黒川とお菓子や飲み物を購入していたりするのが防犯カメラに写っていた。
「これだけ誰かしら側にいるのに沢田綱吉がセーラ・バードンを苛められるはずはない。」
眼鏡のつるを押さえる千種。その画像を観てめんどいと呟く。
「なのに苛められたとあの人が言っただけで暴力を振るって。少し考えればボスが苛める隙なんかないってわかるのに。」
あの人を守る為に側にいたんだからあの人が苛められるわけがないのにと憤る。
セーラのちゃちな嘘に呆れ返っていると、ツナの悲鳴が聞こえ振り向くクロームと千種。
そこには涙目で座り込むツナと数匹のゴキ〇リの幻覚をぶちまけたフランと「引っかかったぴょん!」と爆笑している犬がいた。
ビュッーーー
犬とフランの目の前に三又槍がキラリと光る。
「・・・ボスを守るのが役目なのにボスを怖がらせて・・・」
黒いオーラを纏いどす黒い笑みで三又槍を犬とフランに突き付けるクローム。
「・・・オシオキね。」
クロームが三又槍を頭上で回し蓮の蔦が現れ二人に襲いかかる。
「ブス女何するびょん!」
「この女マジで怖えぇ!」
犬とフランはクロームが作り出した蔦によって
フランは柱にくくりつけられ、犬は逆さ釣りにされた。
「骸様が帰って来るまでそのまま。」
普段のクロームからは想像できない行動とドス黒い笑み。しかも骸はいつ帰宅するかも分からないからかなりえげつない。
その光景を目の当たりしたMMはドン引き、ツナは自分の為にしてくれたこととはいえ複雑な心境になり、千種はめんどいと現実逃避を決め込み映像をチェックしていく。
この時千種、犬、フラン、MMはツナをからかうのは止めようと心に決めた。
クロームに本当に殺されかけない!!と。