FOG&MIST
「さて、僕はこのまま雌豚に張り付きましょう。クロームは千種と一緒に綱吉君が陥れられた日からの並盛の防犯カメラのデータを借りて下さい。 雲雀恭弥と草壁とかいう男の姿になれば簡単に借りれるはずです。」
あの雌豚の言っている事が嘘だと言う証拠があれば、綱吉君の無罪の証明になりますからと骸はクロームに話す。
実際はクロームが並中に残ったままだともしかしたら危険な目に合う可能性がある。だから護衛に千種を付け、並中の外に出しておこうと骸は考えた。
いくらクロームが覚悟を決めていても骸としてはいただけない話だ。
「分かりました。骸様。」
クロームは一旦ヘルシーランドに向かう為に屋上から出て行き、骸は嫌々セーラを監視する為に教室に向かった。勿論二人共姿を消したままで。
クロームが並中から出ると「待ちなよ。」と声をかけられた。
「君は六道の依り代だった女だろう?まだ授業中だよ?」
クロームは姿を消したまま後ろを振り向くと、返答次第では咬み殺すとトンファーを構えた雲雀が立っていた。
何故自分だと分かったのか思いつつも骸に呼び掛けた。
『ごめんなさい骸様、雲の人にバレてしまいました!』
クロームの呼び掛けに霧を纏いながら骸は雲雀の前に姿を表し、クロームを背に庇う。
「クフフ。勘が良いですね、雲雀恭弥。」
「咬み殺す!」
早くも雲雀はトンファーで骸を咬み殺そうと攻撃し、骸は「セーラ・バードンに用があるだけで君には用はありません。」と攻撃を受け流す。
「風紀違反女のことかい?」答えつつさらなる攻撃を仕掛ける雲雀に「僕はあの雌豚女を吊し上げにしに来ただけですよ。」と三又槍で攻撃を受け止めそのまま雲雀を弾き飛ばそうとするが雲雀は咄嗟に飛び退き骸から距離を取る。
「忌々しいけど風紀違反女を吊し上げるのは賛成だね。」
雲雀はトンファーをしまい顎で「ついて来い。」と示し骸と姿を表したクロームは雲雀について行った。