FOG&MIST
翌朝ーーー
骸とクロームは幻術で姿を消し、下駄箱に入っているメモ用紙を取り出す。
ーークロームちゃんへ
これを見たら屋上に来てほしいな。
クロームちゃんと二人でお話がしたいの。
セーラよりーー
【骸様、今から屋上に行って来ます。】
走り出し屋上へ向かうクロームを見て骸は『嵌められようとしているのにお転婆にも程がありますよ!』と胸中でクロームにツッコミつつ、骸も後を追う。
「クロームちゃ~ん、来てくれたんだ~。」
ニヤニヤして声をかけるセーラ。
「私そんなに暇じゃないし話があるなら早くしてほしい。」
クロームはセーラを激高させるように遠回しに時間の無駄と素っ気なく話し、クロームの態度に腹を立てたセーラは怒鳴り出す。
「時間の無駄!?ふざけんじゃねーよ!」
クロームは内心『本当に分かりやすい人ね。』といとも簡単に引っかかるセーラに毒づきセーラは怒鳴りながらボロを出し始めた。
「あんたムカつくのよ!このセーラに刃向かうし、骸君に会わせねーし!骸君をセーラの物にしたいのに!おまけにあんたが庇うから沢田君を孤立させれないし!」
顔を歪め怒鳴り続けるセーラ。
「骸様は物じゃないし、何でボスを陥れたの!?」
言い返すクロームにキャハハッと笑うセーラ。
「魅力的なセーラを見たら絶対に骸君は私の虜になるもの~♪だから骸君はセーラの物♪沢田君はこのセーラと結婚するのを拒んだから嵌めただけよ~?」
酷いと睨み付けるクロームに笑いながらさらに喋るセーラ。
「沢田君と結婚したらセーラは贅沢三昧だし~、守護者だって私の物になるのにダメツナの分際で拒むんだもん!だから嵌めてリボーン君や両親、隼人達を騙してダメツナを苛めさせてるの~。」
「ボンゴレ欲しさにボスを嵌めてボスの親しい人を騙して苛めさせてるの!?」
「そうよー♪だってセーラは可愛いくて綺麗なお姫様だもん。イケメンはこのセーラの騎士で女は引き立て役のアクセサリー。あとはセーラの手足として動く奴隷かなぁ~。」
あまりに自分勝手な思考のセーラに唖然とするクローム。
「でもこんなに簡単に騙されるのも珍しいわね~。お陰でかなり楽だったもの~。セーラがちょっと泣くだけでアクセサリーや奴隷がダメツナを痛め付けるし、騎士は守ってくれるもの~。」