FOG&MIST
骸の真剣な顔を見てツナ達は何かセーラに関する事、しかも重要な情報を入手したのだろうと察して骸が話すのを待つ。
「あの雌豚は綱吉君と結婚しボンゴレの財産や権力を手に入れようとしていたみたいですが、綱吉君が拒否したので陥れた!」
「ボンゴレを手に入れてどうするつもりだったのかな・・・。」
ツナは溜め息をついた。
ツナからすれば覚悟はしたがボンゴレの業など出来れば背負いたくないと思う代物だ。
それに答えるように骸は続けた。
「どうやら雌豚のファミリーはかなり後ろめたい事をやっているのでそれを隠す為にボンゴレを手に入れたいようです。ついでに財産で贅沢をしたいと雌豚は叫んでいましたよ。」
「でもボンゴレは非道なマフィアとは同盟はしないんじゃ?」
ツナの疑問に骸は「ボンゴレ6世の傍系と偽って上手く隠蔽してきたのでしょう。」と答え、さらに話を続ける。
「しかも下らない事に僕と雲雀恭弥を手懐ける気でその為にクロームを陥れようと企んでます!ですからクロームは暫くはここで綱吉君を守って下さい。」
危険な目に合う必要はないと言う骸にクロームはそれを逆手に取ろうと言い出した。
「いいえ、骸様。寧ろ並中に行ってわざと嵌められてあの人の嘘を暴こうと思います!」
「クロームそんな事しないで!」
「クローム!?」
そんな事をすればセーラに盲信している守護者や並中の生徒達に大怪我を負わされるのは目に見えている。クロームに反対する骸とクロームの手を掴んでやめてほしいと訴えるツナだが、クロームは強い意思を持って言った。
「初めてボスに会った時、ボスは私を認めてくれた。それにボスは女の子なのに先頭に立って戦っていつも守ってくれた。今度は私がボスを守る番なの!」
リング戦では獄寺達が疑う中、ツナだけはクロームを認めた。未来に飛ばされた時は側にいて手を握ってくれた。シモンファミリーを操ったD・スペードに拉致された時は助けてくれた。虹の代理戦ではクロームを思って骸に抗議をしてくれた。
クロームはツナを骸とは違う意味で大切な存在になった。だからこそツナを助けようと決意した。
「骸様。確かに私は骸様やボスみたいに強くはありません。でも、私も戦えます!」
骸に教わった幻術があるのだからそれを駆使すれば戦える。
骸に助けられてからは骸の為に戦うことを決意していたことだ。
「嵌められても大丈夫なように幻覚で私自身を作れば大丈夫です!」
譲らないクロームに頭を抱えるツナと骸。
そしてそんなクロームに呆然とする千種と犬、MM。
やっぱりこの女怖え~と怯えるフランがいた。