FOG&MIST
骸は辟易していた。
セーラは帰宅し自室に入った途端、ベッドに乗っかり枕をバシバシ叩き付けていた。
「セーラは沢田君と結婚してボンゴレの財と権力を手に入れたいのに!そうすればバードンファミリーのやってることを誤魔化せるし、セーラは贅沢三昧出来るってのに!」
枕を壁に投げつける。
「何よりイケメンの守護者達を侍らせたいのよセーラは!!」
テーブルに乗っていたティーセットを力任せに薙ぎ倒す。
「クロームの奴が一々邪魔しやがるし!勿体ぶってないで、骸君に会わせなさいよね!大体沢田君を嵌めて孤立させてセーラの手を取るように仕向けてるのに、あのバカ女が沢田君を庇うから孤立させられないじゃない!」
クロームがツナに肩を貸したことを思い出し苛立ったセーラは今度はテーブルを蹴り倒した。
「何とかして沢田君を孤立させて、骸君をセーラの虜にしなきゃ!」
『僕は愛しい綱吉君を嵌めた雌豚の虜になる趣味はないですよ!』
骸はウンザリしながらカメラを回し続ける。
セーラはゼーゼー言いながら試案する。
「やっぱりクロームを沢田君みたいに陥れちゃおう♪このセーラの顔に傷付けたって言えばセーラの騎士や奴隷はクロームをボコってくれるし~、その事を骸君に言えばクロームを切り捨ててセーラを見てくれるもの~♪」
セーラは骸を虜にした後を考え始めた。
「骸君を虜にしたら次は雲雀さんよね♪雲雀さんもイケメンだからセーラの騎士にしなきゃ♪ただ、応接室に行っても草壁さんに追い返されちゃうから難しいのよね~?」
ベッドに座り込み考えをまとめる。
「クロームを陥れたら自動的に沢田君は完全に孤立するし~。そしたら二人共奴隷にしてやるわ~♪その後で骸君を騎士にすることに専念しないとね~♪その後に雲雀さんを攻略しましょ~♪キャハハッ♪イケメンもボンゴレの力も沢田君に流れている初代の血も全部、世界で一番綺麗で可愛いセーラの物なんだから~。」
セーラは全てを手に入れたときを思い醜い笑みを浮かべる。
「とりあえず明日当たりにでもクロームを嵌めてやるんだから~。散々セーラに楯突いた罰よ!キャハハハハッ♪」
『予想通りでしたね。この雌豚女はボンゴレを乗っ取る為に綱吉君を嵌めたのですね。』
それにクロームを下らない理由で嵌めようとは!
骸は殺意を抑えて急いでヘルシーランドに向かった。