FOG&MIST
セーラとのやり取りがあった後クロームはツナの有幻覚を作り出した。
「てめぇ!セーラさんにまた暴力を振るいやがって!」
「あんだけ制裁しても懲りねーのな!」
「沢田!あんたいい加減にしなよ!」
「最低だよ!沢田君は!」
「俺は何もしてない!!」
「分かるまで制裁してやる!」
「「「「賛成!」」」」
クラスの生徒達が暴力を振るい始め、獄寺達は煙草を押し付けたり、バットで殴ったりし始めた。
骸とクロームは怒りを押さえながら暴力を振るう獄寺達と醜い笑いを見せているセーラをカメラに録画していく。
暴力を振るって満足した獄寺達はツナを嘲笑いながら、セーラの元へ行く。
【クローム、綱吉君に肩を貸すふりをして教室を出ましょう。】
【はい。】
有幻覚のツナに肩を貸して出て行こうとするクロームを京子に咎められる。
「クロームちゃん!何で沢田君を庇うの?」
「私はボスを信じてるから。」
「クローム、いい加減、現実を見やがれ!」
「罪人を庇う必要なんかないのな!」
獄寺と山本が避難する。
『現実を見ているのはどちらかしら?』
クロームは有幻覚ツナに肩を貸しながら教室を出た。
クロームと骸は屋上に移動し、カメラを見る。
「ボスはこんな酷い目に合っていたのね・・・」
涙ぐむクロームを骸は頭を撫でて慰める。
「とりあえず、胸くそ悪いですが、セーラ・バードンの嘘と綱吉君の話を聞かず暴力を振るう愚者共の証拠を手に入れました。」
「はい。骸様。」
「しかしまだまだ足りません。もう少し証拠を入手します。」
クロームは頷いた。
「クローム、今日は帰りなさい。綱吉君の湿布や包帯を変えてあげて下さい。千種達は男ですし、MMはそこまでやってはいないでしょうから。」
「分かりました。でも骸様は?」
「今日一日セーラ・バードンを監視しながら証拠を集めます。」
クロームは帰宅し、骸は姿を消したままセーラを監視する為に教室へ戻って行った。