FOG&MIST
その金は骸達の生活費で、間違ってもツナの洋服、しかもブランド物に使う金ではない。
「別に良いんじゃない?骸ちゃんに買いに行くように言われて渡されたお金だし。」
何でもないように話すMM。ツナは骸の方を見て生活費をこんなことに遣うなと言いたかったが、カメラやら小型のカメラを扱っていて話しかけ辛かった。
ツナは小さくため息をし、ショッピングバッグの中を覗いた。普段ツナが着ている男物ではなく、可愛い洋服やらアクセサリーやらがこれでもかと入っていた。
「でも、俺には似合わないよ・・・。」
「ハァ?何言ってんの?アンタに似合いそうなのを選んできたのよ。」
この私のセンスを疑う気?と言わんばかりのMMに、超直感が逆らうような真似をしたら、彼女の愛用のクラリネットで殴られると警告してきた為、ツナはそんなことはないですと思いっきり横に首をブンブン振った。
翌日ーー
クロームと幻術で姿を消した骸は並中に潜入した。
骸は姿を消しつつ、クロームはカメラを持ち小型のカメラを制服やカバンに装着し、それらを幻術で隠していた。
教室に入るクロームと骸。
骸はある机を見て目を細める。
【あれが綱吉君の机ですね?】
【はい。】
【随分と幼稚なことをするものです。】
骸は2-Aの生徒達を鼻で笑う。
「ふえっ、ヒックッ・・・」
セーラが泣きながら教室に入って来た。
【骸様、あの人がセーラ・バードンです。】
あんな五流の演技に騙される人間の気が知れないと骸は呆れる。
確かに美人のの部類に入る。
しかし隠しているつもりだろうが、滲み出ている醜悪な内面は骸を苛つかせるだけだった。
泣いてるセーラを極寺や山本、京子達が慰め、ツナを罵る。
この光景を冷めた目で見るクローム。骸に至っては半目だ。