FOG&MIST
「沢田っ!てめえに忠誠を誓った俺が馬鹿だった!」
「お前と友達になった過去の自分を殴ってやりたいのな!最悪だぜ!」
「女子を襲うとは極限に情けないぞ!」
「酷いよ沢田君!振られたからって、あんなことをして最低だよ!」
「本当にダメツナね、沢田は。セーラに近寄らないで!」
既に友人の獄寺、山本に京子と黒川に先輩の了平もセーラが吹き込んだんだ嘘を信じてしまっていた。ツナの言い分も聞かずに。
それから毎日、下駄箱は生ゴミや虫の死骸が入れられて、教室のドアを開ければバケツ一杯の汚水を頭から浴びせられる。
ずぶ濡れのツナを見てクラスの生徒達は嘲笑う。
机は油性マジックや彫刻刀で『死ね!』『学校に来るな!』『最低』などが書かれて、しかも油性マジックや、彫刻刀を持っているのは京子と黒川。
「これはセーラちゃんの敵討ちだからね!」
「沢田、あんたが悪いんだからね!」
「おはよ~、あっ・・・。」
大袈裟に怯えるフリをし涙目のセーラ。
「セーラさん、大丈夫ですか!」
「セーラ俺達が守るのな!」
獄寺と山本、数人の男子生徒がツナを取囲み暴力を振るう。
「皆聞いて!俺は何もしてないんだ!」
「セーラさんに謝罪するどころか、見え透いた嘘をついてんじゃねえっ!」
「本当なんだ!信じて!」
「そんな嘘信じられる訳がないのなっ!」
「お願い!少しで良いから俺の話を聞いて!」
「ウゼェんだよ!犯罪者が!」
担任が来て獄寺達は自分の席に着いていく。
ボロボロのツナは教室の隅で倒れているが、教師はそんなツナを放置し、何事もなかったかのように授業が始まる。
休み時間や昼休みも暴力やツナの私物を壊したり捨てたりしていた。
獄寺と山本、男子生徒達(昼休みは了平も)殴る蹴るなどをして暴言を吐いた。
京子と黒川は「これで、少しは反省して!」と通学カバンに落書きをしたり、教科書やノートを破いたり、筆箱を焼却炉に捨てたりしていた。
他の女子生徒達はツナの私物を捨てられたりしている様子を見て笑って見ている。
そして、クラスの生徒達に守られているセーラは酷い目に合っているツナを見てニヤニヤ笑っていた。