FOG&MIST
思い切り息を吸い込むセーラ。そして。
「キャアアアアアアアーーーーッ」
「何の騒ぎだ!?」
「セーラちゃん、どうしたの!?」
「バードンさん何があったんだ?」
セーラの悲鳴で屋上のに駆け付けた生徒達に駆け寄るセーラ。
「ヒック、沢田君がぁ~、付き合ってていわれて~、ヒック、でもいきなり言われても困るって、言ったら、襲われそうになって、ヒックッ、」
「もう何も言わなくて良いわ、セーラちゃん!」
「沢田っ!お前何考えてるんだよ!」
「沢田君最低!」
「俺は何もしてないっ」
「セーラちゃんの代わりに制裁してやるっ!」
「や、やめて!」
「うるせーっやっちまえ!」
生徒達がツナに暴力を振るい始める。その間にもツナは真実を話そうとするが、誰一人聞く者はいなかった。
気が済むまで暴力を振るった生徒達は屋上から立ち去って行った。
暴力によってボロボロになったツナは何とか立ち上がり、『母さんとリボーンに相談しよう』と足を引き摺りながら帰宅した。
「ダメツナ!マフィアは女に優しくしろってあれだけ言っただろうが!セーラはボンゴレの同盟ファミリーのボスの娘なんだぞ!」
「ツッ君!何で転校してきたばかりの女の子を苛めたりしたの!その子、泣きながら家に来たのよ!今すぐ謝ってらっしゃい!!」
「待ってよ、母さん、リボーン。」
「早く謝って来なさい!謝らないうちはツッ君の食事は用意しませんからね!!」
母親と家庭教師からの非難と侮蔑の視線と言葉。
自分が暴力を振るわれている時にセーラが二人に吹き込んだんだろうと悟るツナ。
この日から地獄のような日々が始まってしまった。