FOG&MIST


翌日の放課後。

山本は部活、獄寺は生徒指導の教師に呼び出され、ツナは一人で帰宅することになり、廊下を歩いていた。

それを見て『いきなりチャンス到来ね~。』とセーラはツナに話し掛けた。

「沢田くーん。ちょっと良いかなぁ?二人だけでお話したいの~。」

ツナの超直感が警報を鳴らす。が、セーラはツナの手を引っ張っていく。
運が悪かったのか周囲に生徒や教師が居らず、誰にも気づかれなかった。




屋上に着き、「あのね~。」とセーラは話を切り出した。

「私にはボンゴレ6世の血が流れてるのは知ってるよね~。だから沢田君、セーラと結婚しない?」

ツナはその言葉に引いた。そんなツナに気づかずに話続けるセーラ。

「初代の直系の沢田君と傍系だけど6世の血が流れてるセーラが結婚したら~、ボンゴレは今より強くなると思うの~。」

どうかなぁ~?とセーラは笑顔で語る。

そんなセーラにツナは無理だと思う。まず、血筋だけでボンゴレという組織が強くなるわけではない。
それにセーラの目は何故か獲物を捕らえようとする目でツナを見ているし、6世の血筋と言うのも怪しい。例えそれが本当でも自分はセーラとは結婚出来ない。
自分は性別を偽ってるのだから。

ツナは差し当たりのないようにセーラに言った。

「セーラちゃん、そんな理由で結婚しても絶対セーラちゃんは幸せにはなれないと思う。だから・・・」

セーラは何とかしようと食い下がる。

「でもぉ、この結婚でボンゴレファミリーとバードンファミリーの結束も強くなるしぃ~、いきなり結婚が難しいなら婚約だけでもしようよ~。」

ツナはハッキリ言わないとわかってもらえないと思い、

「俺はボンゴレを継ぐつもりはないから、結婚も婚約も無理だよ。」

それじゃ、と屋上を出ようとするツナにセーラは顔を醜く歪め、怒鳴り付けた。

「ふざけんじゃねーよ!この綺麗で可愛いセーラが頼んでんのよ!ここは喜んでセーラと結婚するのが当然でしょ!」

「セ、セーラちゃん?」

「もう一回だけチャンスをあげる!セーラと結婚しなさい!!」

「俺はセーラちゃんと結婚は出来ないから。」

「ダメツナのクセにムカつくわ!」

腹が立ったセーラはツナを突き飛ばし、ツナは尻餅をついた。

「つっ・・・」


「もう良いわ~、沢田君にはこれから、痛い目にあってもらうから~。」

「セーラちゃん!?」

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