FOG&MIST

陥れられた大空の姫





クロームが風邪で学校を休んだ日、季節外れの綺麗な少女が転校して来た。


「初めまして~。セーラ・バードンでぇす。イタリアから来ました~。よろしくお願いいたしま~す♪」

綺麗なセーラを見て、クラスの生徒、特に男子は騒いだ。

獄寺は「ケッ。転校生が来たくれーでウザすぎるぜっ。」悪態をつく。

山本は「ハハッ。獄寺は相変わらずなのな~。」マイペースだ。


ゾクッーーー

ツナはセーラを見て嫌な予感がした。

『何?何か嫌な予感がする!』

考え込むツナを見た獄寺が心配そうに話しかけた。

「十代目?どうかしましたか?」

「何でもないよ。ちょっと考え事してただけだから。」

ツナは首を降りながら答えた。


セーラは転校初日でクラスに溶け込み、人気者になった。

「ハハハッ、バードン凄いのな。あっという間に人気者だな!」

屈託のない笑顔で言う山本に獄寺は、

「あんな女より十代目の方が何千倍も魅力的で素敵なお人ですよ!」

ツナに力説した。ツナは苦笑いだ。

そんなツナ達、いや、ツナをセーラは獲物のように見ていた。


放課後、ツナ、獄寺、山本、了平にリボーンは召集をかけた。(雲雀は群れるのはごめんだと無視を決め込んだ)

「ここに居るセーラはバードンファミリーのボスの娘でボンゴレの同盟ファミリーだ。それに傍系だがボンゴレ6世の血を引いている。」

リボーンの説明にツナの超直感が訴える。

『違う、ボンゴレ6世の血筋どころかボンゴレの血など一滴も流れていない』と。

「お前ら、セーラと仲良くしてやれ。」

「よろしくね~♪」

セーラが可愛らしい笑顔で言うと山本、了平は

「よろしくなー。」

「極限によろしくなのだーっ。」

愛想良く返し、獄寺は

「リボーンさんが言うなら仕方ねー。十代目の足を引っ張るなよ!」

セーラに突っ掛かった。


ツナは硬い表情でセーラを見ていた。

可愛らしい笑顔だが、セーラがツナを見る目は見下すような、そして獲物のように見てくる。

ツナは

「・・・よろしく。」

しか言えなかった。


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