1章 【幼少期編】
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いつも通り母親が居なくなっては九喇嘛と2人でプチ修業をする毎日
今日も母親は気づいたら家から出て行っていた
「ねぇ九喇嘛、最近あの人の様子おかしくない?」
《確かにおかしいな。オマエに対する暴行が減って来ている…あと妙な事を呟いているな》
冷蔵庫の中を見ながらご飯の支度を始めつつ私達は最近の母親の対応に疑問を感じていた
最近よくブツブツと「後少し、後少し」と言っているのに少なからず嫌な予感がしていた
「暫く用心するに越したことはないね気をつけよう」
《オマエは今も昔も抜けているからな…しっかりしろよ》
はぁい、と気の抜けた返事をし作り終わったご飯をもぐもぐと咀嚼した
ごっくん、と飲み込んだ後小さく「ほんと、何もないといいなぁ…」と呟くと九喇嘛は静かに頷いた
「紅奈」
「おかあ、さん?」
何年ぶりに名前を呼ばれただろうか当然のことに呆然としながらも返事をした
ナカにいる九喇嘛もめちゃくちゃ驚いてる
「どう、したの?急に」
心臓がバクバクと音を立てながらも平常心を保たせる
そんな私を知らずか母親は何年も見ていなかった優しい笑みを私に向けてきて言う
「今までごめんなさい…実の娘に私はなんて酷い事を…許される事ではないのは分かっているけれど、どうかこんな私を許して…」
《…この女は何を企んでいる?油断するなよ》
「(わかってる、けど…)」
私の頭を優しく撫で、ぎゅっと抱きしめてくる母親に私はただ呆然と受け入れるだけだった
前の世界でも今の世界でも直接受けることのできなかった母の愛を私はこれが例え偽りだったとしても否定したくなかった
「おかあさん…」
抱きしめられた温もりに酔いながら私は母親の背に小さい腕を回しぎゅっと抱きしめ返した
「あぁ、可愛い可愛い私の紅奈…私の為に」
トスッ、と首に何か刺された感覚と共に意識が朦朧としてくる
「…え、お、かあ、さん…?」
ー私の為に居なくなってねー
九喇嘛の声が頭に響きながら私は意識を失った
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目を覚ましたら暗い牢屋みたいな所にいた
九喇嘛に状況を聞こうにもいくら呼びかけても応じてくれない
キョロキョロと辺りを見回すと鉄格子が目に入りそこには色々なお札が沢山貼られていて、きっとこれが九喇嘛との接続を邪魔しているんだと直感した
足は短めの鎖で繋がれていて鉄格子まで届きそうにない
一息ついて私は一つの考えに至った
ーあの母親に売られたんだー
と
まぁ見た目は珍しいし?そりゃ売れるよなぁ…と自分の事なのに他人事のように思えてくる
親の愛に飢えてる下弱き子供の心中利用しやがって…と文句がたくさん出てくるが一度堪え、これからの事を考えようと思った
九喇嘛と相談もできないしどうしようか、と考えているとギィッとドアが開く音がしその音のする方へ目を向ける
そこには80〜90位の見た目のお年寄り1人と大人数名が入ってきた
流石に嫌な予感しかしないんだけど…と意味無いのは分かっているがなるべくその人達の近くに行かないよう部屋の隅へと逃げるが呆気なく牢の中に入ってきた大人達に捕まり老人の前に突き出された
「なんですかあなた方は、母はどこに…」
キッと睨みつけるように言うが老人は答えず私をジィッとみつめ、そして
「間違いない、文献通りじゃ」
「本当ですか‼︎ではこれで私達も」
「え、なになんの話」
「お狐様…我々にお力をお貸しくだされ」
老人の言葉の後、その場にいた全員が私に土下座をした
意味がわからず私は目が点になり何も言えずにいた
とりあえず神様
2*どうしてこうなった
私は前世で何か悪いことをしたのでしょうか
そう思うことしか出来なかった