3章
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《……》
「………」
《……………》
「……………………」
《……………………………》
「……っ、ごめんて九喇嘛怒らないでぇぇええええ」
無言に耐えきれずスライディング土下座をかます
ぐすんぐすんと涙を流す私は今九喇嘛の中にいる
不意打ち食らってブラックアウトしたらここに居ました
《オマエは何故学習しない。不意打ちに弱いなど忍び失格ではないか》
「ヴッ…そうだけどさぁ…ほら、忍は一応人間だったから気配消しても少しはわかるもんなのよ…でも呪霊といったら、ねぇ…?」
なぁんて言うものの九喇嘛はしらん、と吐き捨てる…これはご立腹のようだ
《オマエは不意打ちに弱い、しかしそれはクレナも言うように呪霊に、だ…ワシが何が言いたいか分かるな》
「うん…信じたくないけど」
あの時、衝撃が走ってブラックアウト寸前に私は相手を少しだけ見ることが出来た、でもその人物はここに存在しないはずで
「あれは、夏油傑だった」
夏油傑は1年前、百鬼夜行の時に悟さんが殺したと言っていた
それなのにあの時私の目の前にいたのは夏油傑で
「でもおかしいよ、だって私人間だったらどんなに気配消してても分かるはず」
そこで先程の九喇嘛との会話に戻る
つまり私が不意打ち苦手なのは呪霊に対してだけであって、人間からの不意打ちは絶対避けきれるのだ、これでも忍なんだから
《もし、あの夏油傑がニンゲンでは無かったら》
「は?」
何言ってんだコイツ、という顔をすると尻尾で叩かれた痛い
《簡単だろう、あの夏油傑は夏油傑であって夏油傑ではい、恐らく呪霊の類ではないのか?》
そこまで言われてしまうと私も少し冷静になってくる
確かにアレがもしニンゲンでは無く呪霊なのだとしたら私が避けきれないのも納得が行く
それでもだ
「何それ…だとしたら最悪じゃん」
私は思わず顔を顰めた
だってそうだろう、もし夏油傑が生きているのだとしたら悟さんは……
「この事、悟さんにはまだ内緒でいこう」
《いいのか?昔黙ってて痛い目見たのはクレナだぞ》
「それでも」
《はぁ……どうなっても知らんぞ》
呆れたように言うものの私の意見に反対しないあたり本当よく出来た相棒だよ
「迷惑かけてごめんね」
《ワシはオマエの相棒だから、な》
フンッ、と鼻で笑いながら小さな声で呟いた言葉に頬が緩んでしまい私も小さな声で「ありがと、相棒」と言った
暫く九喇嘛の尻尾でモフモフしていると九喇嘛が伏せていた顔をゆっくりと上げる
「九喇嘛?」
《そろそろか》
ポツリと呟く九喇嘛にハテナを浮かべた
《オマエの身体、完治したぞ》
その言葉に漸く九喇嘛の言っていることが理解できた
「お、本当?ありがとう」
よーっし戻るかぁ〜。と肩をぐるぐる回しながら言うと《おい》と呼ばれる
《再三言ってるがワシの治癒も完璧ではない、それはオマエがよく知っているだろう…無理だけはするな》
ジッと見つめられ少し目を泳がせつつ「…うん」と答え私は意識を浮上させた
《寿命以外でオマエの死を見るのは二度と御免だからな》
____
__
_
「___!」
?
「!ー!!!」
うるさ…
「どこへ行く
んんんんんっ
「うっっさい!!!!!!」
ガバッとあまりの煩さに目を開け起き上がるとそこにはポカンとしている恵くんと野薔薇
それと窓に足をかけ逃げようとする悠仁くんとそれを追おうとする葵先輩が目に入る
「あ………オハヨウゴザイマス」
あはっ、と口元をひくつかせながら言うとフリーズしていた同級生3人はバッとこちらに近づく
「おまっ、やっと起きっ」
「んんっのバカ紅奈‼︎心配したんだからね⁉︎」
「運ばれた時重症だったんだぞ⁉︎」
3人にプチお説教されていると「それくらいにしてやれ」と葵先輩が止めてくれた
「波風、調子はどうだ」
「とりあえず完治しました」
「そうか…
葵先輩は悠仁くんに「じゃあな
「とりあえずご心配おかけしました…」
今だに心配が顔に出ている3人に言うと3人ははぁ…とため息をつく
「…オマエが無事ならそれでいい」
「なーに言ってんのよ伏黒ォ〜アンタ紅奈 1人にさせたことずっと後悔してたくせに」
「っ釘崎オマエッ」
「まぁまぁ落ち着けって2人とも…一先ず波風が目ぇ覚ましたんだし喜ぼうぜ」
ウッ…悠仁くんの笑顔が眩しい…
「私もまさかあそこで攻撃喰らうとは思ってなかったからさ…油断した…」
「波風が油断って…もしかして特級?」
悠仁くんの言葉に一瞬本当のことを言いたくなったが心配させたくなくて「…うん」と嘘をついた
「まっっじで⁉︎アンタ特級一体相手にしたの⁉︎…無事で良かった」
「あとで五条先生来るだろうからそん時に説明しとけ」
有無を言わさない恵くんの視線に「ハイ」と言わざる終えなかった
「んじゃ、先生来るまでピザ食おうぜ‼︎」
……なぜ医務室でピザ????
「ねぇ、なんで医務室がこんなピザくさいの?」
ウケんだけど、そう言いながら悟さんが医務室に入ってくる
「おっ、せんせーもピザ食う?」
もきゅもきゅとピザを食べる悠仁くんと野薔薇を横目に「今はいっかな〜」と断りを入れてた
「さて、紅奈も起きたことだし…説明してね」
くるっと私の方に顔をむけ口元がすんごく笑顔だった…逆らえませんこれは
「とりあえず帳内であったことは説明するよ…折角だし悠仁くん達にも共有しとく」
私は一呼吸置いて夏油傑の事をぼやかしつつも説明した
「ふーんつまり紅奈も九喇嘛もソイツの正体は視認できなかった、と」
「うん…攻撃受けて速攻落ちちゃったから…ごめんなさい」
しゅん、とすると生きててくれただけでも嬉しいから、と頭を撫でてくれた
「しっかし特急のようで特急じゃない存在…か」
うむむむむ…と悩む悟さんに少しの罪悪感が芽生える
「まっ、何が来てもぶっ潰せばいんだろ」
パシンッと自分の掌に拳を当てて言う悠仁くんに「同感」と口を揃えて野薔薇と恵くんか言った
「僕の教え子マジ頼りになるね〜、まっなにか分かったら教えるから慎重に行動するんだよ」
じゃ、お大事に〜と悟さんは医務室を後にした
「そんで、交流会ってどうなったの?」
再び4人の空間に戻ると私はずっと思っていた疑問を伝える
「一先ず休戦、この後全校集合で今後を決めるみたいよ」
ほら、だからさっさと着替えなさい
と私の制服を手渡してくる野薔薇にお礼を言って寝巻きを脱ごうと…「「まてまてまてまて」」…?
めちゃくちゃ恵くんと悠仁くんに止められた
「おっっっまえバカか!?!?」
「波風⁉︎流石にそれはアウト!!!!」
くわっとすごい形相で止められた
なぜ
「アンタはちゃんとその辺気にしなさいバカ‼︎男共は着替えるついでに此処から出てけ‼︎」
野薔薇がキョトンとしている私のそばで2人にそういうと悠仁くん達は急いで医務室を後にした
「野薔薇?」
いなくなった後「ったく」とぼやく野薔薇の名前を呼ぶと呆れた表情で「紅奈」と名前を呼ばれる
「アンタね…流石に異性の前で生着替えは良くないわよ…アイツら仮にも男よ…気をつけなさい」
ピンッとおでこにデコピンをされて「はい…」と額を抑えながら反省した
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____
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「っつー訳でさ色々あったし人も死んでるけど どうする?続ける?交流会」
あのあと着替えて皆のまつラウンジに向かった
着くとそこには既に京都校の先輩達もいて数人に心配された…もしかして京都の先輩達優しい…?
そんなこんなで悟さんも来て交流会を続けるかをきかれ皆が悩んでいると「当然 続けるに決まっているだろう」と葵先輩の声がラウンジに響く
「その心は?」
悟さんが楽しそうに聞くのを私達は黙って様子を見守る
「1つ 故人を偲ぶのは当人と縁のある者達の特権だ。俺達が立ち入る問題ではない 2つ 人死が出たのならば尚更俺達に求められるのは 強くなることだ 荒天的強さとは“結果”の積み重ね…敗北を噛み締め勝利を味わう そうやって俺達は成長する“結果”は“結果”として在ることが1番重要なんだ」
葵先輩のこの言葉に少なからず共感を覚えた私は「この人意外としっかりしてるよなぁ」と思った
「3つ 学生時代の不完全燃焼感は死ぬまで尾を引くものだからな」
フッ、と不敵の笑みを浮かべる葵先輩に「オマエいくつだよ」とツッコミを入れていた…いや本当それ
「俺は構いまわないですよ」
「どーせ勝つしね」
恵くんと野薔薇が言う
「屁理屈だが一理ある」
顔面包帯巻きの加茂先輩がいうと西宮先輩が「加茂君は休んだら?」と呆れた顔で言っていた
「意義なーし」
「しゃけ」
「個人戦の組み合わせはくじ引きか?つか東京人数多いけどそこはどうすんだよ」
パンダ、棘先輩も同意し真希先輩もOKを出しながらも疑問を口にした
「え 今年は個人戦やんないよ あと紅奈は今回おやすみね」
「はぁ!?なんで!?私もやりたい!!!!」
突然のお休み宣言に納得がいかなくてキャンッと吠えると周りに「どうどう」と宥められた
「僕ルーティンって嫌いなんだよね 紅奈は今回無理しすぎてるからだぁめ❤︎ゆうこと聞かないと寝かせる(強制)よ」
ポイッと木箱を悠仁くんに投げながら言う悟さんに少しの恐怖を抱き大人しくすることにした
「毎年この箱に勝負法入れて当日開けんの」
説明する悟さんの隣で悠にくんが箱の紙を取り出し確認すると…
野球
と書かれていた
「「や…野球ぅ〜〜〜〜??」」
急に現れた学長2人に悠仁くんは驚く
「じゃ、行こうか」
「ちょ⁉︎」
ヒョイっと悟さんは私の身体を担いで出口に向かう
「どういうことだ夜蛾」
「いや私は確かに個人戦と…待て悟‼︎」
正道さんの言葉を無視し悟さんはそのままそのまま外に出て行った…私を担いで
「皆さん悟先生がごめんなさいっっっ」
せめても、と思い担がれながらも私は全力で謝っといた
「悟さぁん…なんで私は担がれてんの…」
「ん〜嘘つくイモウトにお説教する為?」
そう隠さずに言う悟さんに冷や汗が背中を伝う
「なんのこと」
必死に平常心を保ちながらいうがそれさえも見透かされているようで「はい、嘘」と言われてしまう
「紅奈 僕に隠し事はもうしないって約束したよね」
ちらりと目隠しをはず片目をあえて晒し私を見つめる
「…」
「何も全部言えとは言わないさ…でも今の君は余りにも不安定だ…まるで一年前のようにね」
やっぱりこの人には敵わないなぁ…と思い私は話し始めた
「私も確信があるわけじゃないよ……私を襲った人物の気配が夏油傑に似ていた」
そこまでいうと流石の悟さんも驚いたようで息をのんでいた
「は」
「もしかしたら敵呪霊の能力なのかもしれない、現に私は人間からの攻撃なら避け切れる自信があるのに不意打ち喰らった」
「認知してる人物に化ける能力とかって事か…だとしたら悪趣味だな」
それ、僕と紅奈だけの秘密ね
と言って私達はこの会話を終わりにした
「ねぇ悟さん」
「んー?」
「今回野球なのっt「ナンノコトー?」…ふふなんでもなぁい」
今回野球なのって私がこれ以上怪我しないように?なんて野暮なこと聞かないでおこう
_____
___
_
「プレイボーッッ!!!」
そうしてやってきました野球大会!!
めちゃくちゃノリノリな悟さんに苦笑いを浮かべながら私はベンチで皆のことを応援する
「皆頑張れー‼︎」
真希先輩の凄まじい投球が京都校をどんどんアウトにしていく…ってか京都の人たちルール分かってる??
「ストライッバッターアウッチェンジ‼︎」
「…」
加茂先輩がバットを一切振らず攻守が交換した
歌姫さんが加茂先輩にめちゃくちゃ怒ってた…もしかして歌姫さん凄い楽しんでる?
「東北のマー君とは私のことよ」
野薔薇のかっこいい登場に私は「野薔薇ー‼︎頑張ってー‼︎」と応援するも男性陣の野次に野薔薇が睨んでいた
正直野球界隈の話はよくわからない…東北にマー君いるの?
「ちょっっっっと待て‼︎‼︎」
そして野薔薇のブチ切れ声にになんだ?と顔を向けると
「え?ぴっちんぐましーん???」
ピッチャーがマシーン(メカ丸)だったのだ
「どう見てもピッチングマシーンだろうが‼︎」
「釘崎がキレた‼︎乱闘だぁ‼︎」
みんな楽しそうでよかった〜と乱闘の様子もニコニコと眺めていた
まぁそんな乱闘もすぐに落ち着き仕方なく続きが始まった
「真希先輩かっこいー!!」
真希先輩のホームランの格好良さを目に焼き付けとうとした…のだが
ポスッ
「「「!!!????」」」
「うわぁあぁぁああせっこ‼︎」
「おかか‼︎」
「釘崎戻れー」
「あっはははあっまってうっそでしょっ」
まさかの人数のハンデを無くすために京都側は1人術式OKみたいで西宮先輩が使用いたみたい
こりゃ強敵だ
そしてチェンジで2回表
「フッ…キャッチャーか 捕球・送球・リード・フィールディングetc…
どどんっと葵先輩が登場すると「東堂‼︎」と悠仁くんが反応した
そして2人の会話が暫く繰り広げられる
「ん?あれ?真希先輩?なんで投球体制にぃぃいいいいいぃ!!?!?」
止める間も無く真希先輩は葵先輩に向かってボールを全力で投げて顔面に!?
「えぇええ!?コレは流石に」
京都側も怒るんじゃ…とチラリと見るが全員「ナイスピッチー」「ナイッピー」と言っていた…めっちゃ嫌われてんじゃん…
流石に不憫すぎて心の中で合掌しておく
そして迎える最終面
悠仁くんのホームランに西宮先輩も今度はキャッチできず…………
「おっし」
「やった‼︎」
2−0で30年度交流会勝者は東京校で幕が降りた
9*ぷれいぼー!
この平和が続きますよーに