3章
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ザッザッと此方に変な言葉を発しながら近づいてくる特級に私達は嫌な汗を流しながらザリッと少し後に下がる
そしてジイッと特級の顔を見つめ私はあることを思い出した
「棘先輩…コイツ、悟先生が言ってた
未登録の特級です」
「…しゃけ」
まーじですかーと口元をひくつかせながら私は特級から目を離さずにいる
「ефщμ☶☳∡≈∮£(赤髪の少女…貴女が…)」
奴が何かを喋っているが何を言っているのか分からず舌打ちしてしまう
一向に攻撃を仕掛けてこないのに疑問を感じつつも好都合だと私は棘先輩に提案を持ちかける
「先輩」
「?」
「アイツ祓うのに呪言使いますよね、そこそこ強いやつ」
「…しゃけ」
「ならこれ受け取ってください」
そう言って反論が来る前に先輩の肩にポンッと触れ九喇嘛の衣を纏わせる
「すっじこ⁉︎」
突然自分の体に赤い炎のようなものが体を多いびっくりさせてしまったがある事に気づいたようでバッと此方を振り向く
「気づきました?これ、戦闘不能になるまで私の呪力をお裾分けと多少の強化ができるんです…なので棘先輩が反動で最悪死ぬことはありません」
「おかかっ」
どうやらそんなことしたら私が呪力切れになるのでは、と思ったらしい先輩が慌てて解くように言ってくる
「先輩忘れてませんか?私、呪力量だけなら悟さんを超えるって」
お茶目にウインクをすると諦めたのか「無理はしないで」と言ってくれた
「さっ、先輩のドーピングも出来ましたし…ちゃちゃっと祓いましょ」
「すじこ……しゃけ」
言い方…と呆れられたが戦闘態勢に再び入った
「✣<→СЖЁзжΑяэшΜ∵(その能力…厄介ですね)」
特級は再び変な言葉を発しながら襲いかかってくる
「っ‼︎水遁ー水龍弾の術‼︎」
「すじこっ」
急に相手から放たれた木々に応戦すべく水遁と繰り出す
力は互角で相殺される
「〈止まれ〉‼︎」
「先輩ナイス‼︎水遁ー大水槍の術ッ」
呪言で一瞬動きが止まった隙に地面から水槍を出現させ一撃を喰らわせる
「ちっ…大技でもかすり傷レベルとか本当特級ってバケモン」
「しゃけ」
「先輩ここだと恐らく向こうの領域です…開けたところに行きましょ、私も術が出しづらい」
「しゃけ」
コクン、と頷き特級と少しでも距離を置くべく先輩は「〈止まれ〉」と私は多重影分身を使い暫くの時間稼ぎをし急いでひらけたところへ全速疾走した
「§Μ∧Θ◛❖☗◝✤☩※(ほう…呪言との相性もいいのですか…益々厄介ですね…ではすこし遊びましょうか)」
特級は大して困った様子も見せず余裕そうにブンッと腕を一振りすると大量の大樹が此方に襲いかかってきた
「「!?」」
「うっっそでしょ先輩屋根に飛びましょっ」
「しゃけ‼︎」
このままだと大樹に潰されると思い私達は大樹を利用し屋根の上に飛び走る
「‼︎狗巻先輩⁉︎ 紅奈も⁉︎」
遠くから恵くんの声が聞こえその声のする方向に顔を向けると恵くんと和服先輩(名前知らん)が近くにいた
「棘先輩‼︎」
私が名前を呼ぶと意味を理解し先輩は2人に向かって呪言を使う
「〈逃 げ ろ〉」
これを聞いた瞬間2人は走り出しなんとか危機を回避し、私達は合流した
「棘先輩大丈夫です?」
「しゃけ」
「何故高専に呪霊がいる 帳も誰のものだ」
「多分その呪霊と組んでる呪詛師のです」
気づいたら帳も下されていた
「なにか知っているのか?」
「以前五条先生を襲った特級呪霊だと思います…」
「あ、やっぱあの絵の特級であってた?不安だったんだよね」
よかった〜と言うと棘先輩が「ツナマヨ」と言ってきた
「そうですね 五条先生に連絡しましょ」
「じゃ、その役目は恵くん頼んだ」
いつも通りの会話をすると和服先輩に待ったをかけられた…何故?
「君たちは彼が何を言ってるのか分かるのか?それに」
「今そんなことどうでもいいでしょ」
「そうですよ〜今は目の前の特級です」
「相手は[領域]を使うかもしれません 距離をとって五条先生の所まで後退ー「危ない‼︎水遁ー水陣壁ッ」!!??」
急に距離を詰めてきた特級に私は咄嗟に壁を出す
「〈動くな〉」
この隙を狙い棘先輩が呪言相手を止める
その間に和服先輩が術式を用いて相手に攻撃を繰り出すが傷一つついてなかった
そこに尽かさず恵くんも呪具でたたみかけるがびくともしていなかった
「∵⇔∮⊅⊄≈∧∡₳¢₧₦ (やめなさい 愚かな児等よ)」
急に特級の言葉が頭の中に響く
「気持ち悪ィな…‼︎」
「同感」
「▱₧☗◛✤☩Сф"*μ(私はただこの星を守りたいだけ)」
「呪いの戯言だ耳を貸すな」
「低級呪霊のソレとはレベルが違いますよ」
私達は棘先輩のカバーをすべく前に出る
そして少しだけ楽になるように先輩への呪力供給を増やした
「森も海も空ももう我慢ならぬと泣いています これ以上人間との共存は不可能です 星に優しい人間がいることは彼らも知っています しかしその慈愛がどれだけの足しになろうか」
特級は今も語り続ける
「独自の言語体系を確立してるんです」
だから私は精密に呪力を練りタイミングを伺う
「……狗巻を下がらせろ」
棘先輩を更に後ろに下げさせ、距離をとる
「彼らはただ“時間”を欲している “時間”さえあれば星はまた青く輝く 人間のいない“時間” 死して賢者となりなさい」
私は話し終えた瞬間を狙った
「金剛封鎖‼︎‼︎」
金の鎖を発動し特級を拘束する
少しの間でいい時間が欲しかった
「紅奈‼︎」
「恵くん‼︎和服先輩‼︎呪力残余‼︎‼︎」
名前を呼ばれたが構ってられない、私は要件だけ聞く
「(ほうこの鎖…難しいですね…)」
どうやら苦戦しているようで好都合だと思った
「2人とも早く答える‼︎」
「俺も加茂先輩もジリ貧‼︎」
「ちょっと君和服先輩って…」
早口に恵くんが答えてくれたおかげで私は恵くんと加茂先輩(やっと名前分かった)を近くに呼び肩に触れ九喇嘛の衣を纏わせた
「「!!???」」
やっぱり驚いたようで「詳しくは後でそれ、呪力自動回復」と簡潔に言うと実感したのか深くは聞かれなかった
「チッ…後で詳しく話せよ‼︎」
「もち」
話終わったと同時に鎖が破壊され激痛が走り顔が思わず歪む
「ーーっ(マジかコレ壊すやついんの⁉︎)」
「すじこ‼︎」
「っ。大丈夫です‼︎走りますよ‼︎」
そう言い私達は全速力で走り特級の攻撃から逃げるため一旦室内へと向かった
「説明しろ」
「簡単に言うとそれで呪力供給・多少の強化ができるの 私が戦闘不能にならない限り消えないから3人はその間呪力切れになることはない」
走りながら早口で説明すると加茂先輩が驚いた表情になる
「それって君の呪力を私達に送ってるってことか⁉︎」
「あ、私呪力量だけなら悟先生超えるんでまず呪力切れは無いです」
サラッと言うとはぁ!?と言った感じの表情された…何気にひどいなこの先輩
そんな話をしている間にも特級の攻撃は追ってくる
「しっつこいな‼︎水遁ー水鉄砲ッ」
クルッと後ろを向き複数の水の弾丸を繰り出し少しの足止めを行う
「大丈夫ですか狗巻先輩」
「しゃけ」
ぐびっと喉スプレーを飲み干す先輩を横目に私はほんの少しだけ3人の衣を強めた
「来るぞ‼︎‼︎」
加茂先輩の言葉とともに特級の攻撃が繰り出されるが先輩の「〈止まれ〉」の言葉に一瞬声が止まる
「百歛 穿血」
加茂先輩の攻撃が直撃し少しだけ傷がつく
「急げどうせすぐ治してくる」
びっくりしている恵くんに加茂先輩は一声かけ外へ向かう
棘先輩は咳をしながらも喉スプレーをも再び開けた
「(どんなに呪力供給してても無反動は無理か…先輩の喉が限界を迎えてる)」
チラリと棘先輩の様子をみて自分に苛立ちを感じ小さく舌打ちをする
「ねぇ…この特級しつこすぎませんかね」
外に出て勢いをつけ屋根へと飛び乗りながら目に入る汗を拭う
「当たり前だろ殺しに来てんだから…狗巻先輩が止めてくれる ビビらずいけ」
クシャッと鵺を撫で恵くんが飛ばし加茂先輩は術式を、そして棘先輩が呪言を__……
「⁉︎ゴホッ…」
呪言を発する前に棘先輩が跪きボタボタと口から血液を吐き出した
「棘先輩‼︎」
それに私達は気を取られてしまい鵺が攻撃を受け更に加茂先輩も攻撃をモロに喰らってしまった
私が棘先輩、恵くんが加茂先輩の所へ
「生きてますか‼︎加茂さん‼︎」
加茂先輩を回収した恵くんが安否確認をする
焦っている恵くんに棘先輩が近寄ろうとした為私がそれを止める
「こんぶ」
「ダメです。」
やろうとしていることがわかった私は一体の分身を出し棘先輩を抑える
「高菜‼︎」
「先輩は休んでください」
にっこりと笑って私は恵くんのところへ急いだ
棘先輩も加茂先輩ももう限界だから離脱してもらおう
後は私がなんとかする…これでも1級呪術師なんだから
「恵くん」
「‼︎」
私は攻撃をしようとしていた恵くんの肩をポンッと叩いそのまま後に下がらせた
「紅奈⁉︎」
「もう少しで真希先輩がくる…それまで下がってな」
九喇嘛が真希先輩の気配がすると言っていたのでもう少しでここに来るだろう
そうしたら2人のコンビネーションの邪魔はできないから私は先輩2人を担いで離脱しよう
「っお前も下がれ!‼︎」
恵くんが叫ぶ
しかし私は止まらず特級に近づきながら片手に尾獣玉を作る
「九喇嘛…特大ぶつけるよ」
《任せろ》
私と特級の距離が縮まる
向こうが攻撃を仕掛ける前に私は先制をうつ
「特大なのあげる!!ぶっとべ!!!!」
いつもの倍の大きさの尾獣玉を相手にぶつけ遠くに吹っ飛ばした
「…あとはよろしくね_真希先輩、恵くん」
吹っ飛ばした先で真希先輩と恵くんが戦っているのを確認し、特級は2人に任せ私は棘先輩と加茂先輩を運ぶことにした
「棘先輩大丈夫ですか?」
「じゃげ」
「ダメですね」
喉スプレーは切らしたらしくガラガラ声の先輩を一刀両断しよっこいせ、と加茂先輩を担ぐ
「先輩歩けそうですか?無理なら担ぎまs「すじこっ」はぁい」
全力で断られてしまい棘先輩には申し訳ないが自力で走ってもらうことにした
「あれ?キミは確か…」
暫く走っていると上空から声が聞こえ見上げると京都校の箒先輩(名前知らんPart2)が箒に跨ってふよふよ浮いていた
「ってあれ…加茂くん⁉︎えキミが運んだの⁉︎ってゆうかとっても黄色い」
先輩にめちゃくちゃ質問攻めされるが棘先輩が「こんぶ」と言って落ち着けた
「えっと、さっきまで特級といたので…先輩すみませんが加茂先輩だけでも先に帳の外に運べませんか?」
そう申し訳なく言うと「特級と⁉︎」と驚かれてしまった
「加茂くんくらいならなんとかなるけど、狗巻くんと…えっと」
どうやら私の名前が出ないらしく「波風 紅奈」ですと言うと「紅奈ちゃんね、よし覚えた。私は西宮桃」とここでは場違いな自己紹介が始まる
「とりあえず加茂くんは私が運ぶけど2人はどうするの?狗巻くんは見た感じギリギリじゃない…?」
「本当は棘先輩も運んでh「おかか‼︎」…こんな感じで嫌がるんで私達は走って帳まで向かいます あ、これどうぞ」
食い気味に嫌がる棘先輩に苦笑いしながら西宮先輩に九喇嘛の衣を受け渡し「呪力供給です」と言うとびっくりされたが「ありがとう…気をつけてね」と言ってくれ加茂先輩を渡し別れた
「じゃ、私たちも帳付近に向かいましょうか…呪霊が出ても私が祓うんで先輩は呪言使わないでくださいね…使ったら担ぎます」
「し、しゃけ」
有無を言わさない笑顔で言うと了承したので満足し私達は再び走り始めた
『ーーという訳だから五条以外は簡単に帳から出られるからそのまま硝子のところに行って治療受けな』
「はーい」
ピッ、と通話を切る
私達は帳付近に到着し歌姫さんに連絡をしていた
最初は悟さんにかけたが中々出ないからである
「と、言うことみたいなのでさっさと硝子さんの所に行きましょ」
「しゃけ」
棘先輩がスルッと帳外に出たのを確認し私も出ようとするが…
バチッ
「〜ったぁ!なにこれ!これ対悟さん帳じゃないの!?」
指先の痛みに直ぐ手を離す
なんで!?と混乱するが流石我が相棒、冷静に分析してくれた
《恐らく対クレナ用でもあったんだろう…五条のガキとは逆に"逃がさない為"の帳といった所か》
この言葉に更に頭を抱えるが一先ず棘先輩に「帳から出られないんで何とかします」と連絡をして私は一旦帳から離れた
____
__
_
「パンダ‼︎」
暫く森の中を走っていると前方から恵くんと真希先輩を担いだパンダが走ってきた
「おぉ、紅奈無事だったか」
「私はぴんぴんしてるよ」
ちらりと真希先輩達を覗き見ると重症ではあるものの命に別状はないことが分かりホッとする
「んで、なんでオマエは帳と反対方向に走ってる訳?」
「それがさ…この帳対悟さん対策の他に私が帳の外に出るのを拒むものでもあったんだよね」
だから原因探るために翻弄中
そう言うとパンダもだけど担がれている2人も驚いた表情をしていた
「お、まえ…それ1人じゃ危険だろ‼︎」
「パンダと一緒なら安全だろ」
「そう言うことだ、行くぞ」
3人に説得されるが私は首を横に振る
「多分こんな帳を下ろすくらいだし誰がいつ仕掛けてくるか分からないから単独行動するよ」
そういうと「尚更危険だ‼︎」3人に止められる
「大丈夫ですよ」
にっこり笑って私は3人の静止を振り切り森の奥へと走っていった
「ん〜。原因がわからないなぁ」
《この辺りには気配が全くないな》
3人と(一方的に)別れた後キョロキョロと辺りを見回しながら様子を伺う
「なんであんな帳下ろされたんだろ…」
《五条のガキは分かるがオマエは周知されていないはずだが》
「名家の生まれでもないし私のことを知ってるのは高専内だけの筈…もしかして」
《誰かが流している、か》
まじか…と顔を歪めながらも今はそんな暇はない、と頭を振る
さて、どうしたものか…そう思っていたら急に背後から術師の気配がし反応が遅れた
《紅奈‼︎》
「え」
九喇嘛が私の名前を呼ぶのと同時に脇腹に凄まじい衝撃が走りその方向をちらりと見やると霞む視界の先には__…
「あれぇげとーじゃん 何で居るの?」
高専からアル物を回収し終えた真人が夏油を見る
「来る予定は無かったんだけどね…ちょっと気になる子がいるからちょっかいかけにきちゃった」
にっこりと笑う夏油に「あぁ‼︎赤髪の子‼︎」と納得したような顔をした
「ちょっかいってなにしたのさ、俺も会いたいのに」
「ん〜半殺し?まぁ彼女なら平気だろうし、きっといつか会えるよ」
「半殺しってちょっかいの領域超えてんじゃん」と呆れながら真人は夏油と共に高専を後にした
「またアソボウね、紅奈チャン」
真人にも聞こえないくらい小さく呟いた
8*守るよ
あぁ、やっぱり私は不意打ちがダメみたい
そしてジイッと特級の顔を見つめ私はあることを思い出した
「棘先輩…コイツ、悟先生が言ってた
未登録の特級です」
「…しゃけ」
まーじですかーと口元をひくつかせながら私は特級から目を離さずにいる
「ефщμ☶☳∡≈∮£(赤髪の少女…貴女が…)」
奴が何かを喋っているが何を言っているのか分からず舌打ちしてしまう
一向に攻撃を仕掛けてこないのに疑問を感じつつも好都合だと私は棘先輩に提案を持ちかける
「先輩」
「?」
「アイツ祓うのに呪言使いますよね、そこそこ強いやつ」
「…しゃけ」
「ならこれ受け取ってください」
そう言って反論が来る前に先輩の肩にポンッと触れ九喇嘛の衣を纏わせる
「すっじこ⁉︎」
突然自分の体に赤い炎のようなものが体を多いびっくりさせてしまったがある事に気づいたようでバッと此方を振り向く
「気づきました?これ、戦闘不能になるまで私の呪力をお裾分けと多少の強化ができるんです…なので棘先輩が反動で最悪死ぬことはありません」
「おかかっ」
どうやらそんなことしたら私が呪力切れになるのでは、と思ったらしい先輩が慌てて解くように言ってくる
「先輩忘れてませんか?私、呪力量だけなら悟さんを超えるって」
お茶目にウインクをすると諦めたのか「無理はしないで」と言ってくれた
「さっ、先輩のドーピングも出来ましたし…ちゃちゃっと祓いましょ」
「すじこ……しゃけ」
言い方…と呆れられたが戦闘態勢に再び入った
「✣<→СЖЁзжΑяэшΜ∵(その能力…厄介ですね)」
特級は再び変な言葉を発しながら襲いかかってくる
「っ‼︎水遁ー水龍弾の術‼︎」
「すじこっ」
急に相手から放たれた木々に応戦すべく水遁と繰り出す
力は互角で相殺される
「〈止まれ〉‼︎」
「先輩ナイス‼︎水遁ー大水槍の術ッ」
呪言で一瞬動きが止まった隙に地面から水槍を出現させ一撃を喰らわせる
「ちっ…大技でもかすり傷レベルとか本当特級ってバケモン」
「しゃけ」
「先輩ここだと恐らく向こうの領域です…開けたところに行きましょ、私も術が出しづらい」
「しゃけ」
コクン、と頷き特級と少しでも距離を置くべく先輩は「〈止まれ〉」と私は多重影分身を使い暫くの時間稼ぎをし急いでひらけたところへ全速疾走した
「§Μ∧Θ◛❖☗◝✤☩※(ほう…呪言との相性もいいのですか…益々厄介ですね…ではすこし遊びましょうか)」
特級は大して困った様子も見せず余裕そうにブンッと腕を一振りすると大量の大樹が此方に襲いかかってきた
「「!?」」
「うっっそでしょ先輩屋根に飛びましょっ」
「しゃけ‼︎」
このままだと大樹に潰されると思い私達は大樹を利用し屋根の上に飛び走る
「‼︎狗巻先輩⁉︎ 紅奈も⁉︎」
遠くから恵くんの声が聞こえその声のする方向に顔を向けると恵くんと和服先輩(名前知らん)が近くにいた
「棘先輩‼︎」
私が名前を呼ぶと意味を理解し先輩は2人に向かって呪言を使う
「〈逃 げ ろ〉」
これを聞いた瞬間2人は走り出しなんとか危機を回避し、私達は合流した
「棘先輩大丈夫です?」
「しゃけ」
「何故高専に呪霊がいる 帳も誰のものだ」
「多分その呪霊と組んでる呪詛師のです」
気づいたら帳も下されていた
「なにか知っているのか?」
「以前五条先生を襲った特級呪霊だと思います…」
「あ、やっぱあの絵の特級であってた?不安だったんだよね」
よかった〜と言うと棘先輩が「ツナマヨ」と言ってきた
「そうですね 五条先生に連絡しましょ」
「じゃ、その役目は恵くん頼んだ」
いつも通りの会話をすると和服先輩に待ったをかけられた…何故?
「君たちは彼が何を言ってるのか分かるのか?それに」
「今そんなことどうでもいいでしょ」
「そうですよ〜今は目の前の特級です」
「相手は[領域]を使うかもしれません 距離をとって五条先生の所まで後退ー「危ない‼︎水遁ー水陣壁ッ」!!??」
急に距離を詰めてきた特級に私は咄嗟に壁を出す
「〈動くな〉」
この隙を狙い棘先輩が呪言相手を止める
その間に和服先輩が術式を用いて相手に攻撃を繰り出すが傷一つついてなかった
そこに尽かさず恵くんも呪具でたたみかけるがびくともしていなかった
「∵⇔∮⊅⊄≈∧∡₳¢₧₦ (やめなさい 愚かな児等よ)」
急に特級の言葉が頭の中に響く
「気持ち悪ィな…‼︎」
「同感」
「▱₧☗◛✤☩Сф"*μ(私はただこの星を守りたいだけ)」
「呪いの戯言だ耳を貸すな」
「低級呪霊のソレとはレベルが違いますよ」
私達は棘先輩のカバーをすべく前に出る
そして少しだけ楽になるように先輩への呪力供給を増やした
「森も海も空ももう我慢ならぬと泣いています これ以上人間との共存は不可能です 星に優しい人間がいることは彼らも知っています しかしその慈愛がどれだけの足しになろうか」
特級は今も語り続ける
「独自の言語体系を確立してるんです」
だから私は精密に呪力を練りタイミングを伺う
「……狗巻を下がらせろ」
棘先輩を更に後ろに下げさせ、距離をとる
「彼らはただ“時間”を欲している “時間”さえあれば星はまた青く輝く 人間のいない“時間” 死して賢者となりなさい」
私は話し終えた瞬間を狙った
「金剛封鎖‼︎‼︎」
金の鎖を発動し特級を拘束する
少しの間でいい時間が欲しかった
「紅奈‼︎」
「恵くん‼︎和服先輩‼︎呪力残余‼︎‼︎」
名前を呼ばれたが構ってられない、私は要件だけ聞く
「(ほうこの鎖…難しいですね…)」
どうやら苦戦しているようで好都合だと思った
「2人とも早く答える‼︎」
「俺も加茂先輩もジリ貧‼︎」
「ちょっと君和服先輩って…」
早口に恵くんが答えてくれたおかげで私は恵くんと加茂先輩(やっと名前分かった)を近くに呼び肩に触れ九喇嘛の衣を纏わせた
「「!!???」」
やっぱり驚いたようで「詳しくは後でそれ、呪力自動回復」と簡潔に言うと実感したのか深くは聞かれなかった
「チッ…後で詳しく話せよ‼︎」
「もち」
話終わったと同時に鎖が破壊され激痛が走り顔が思わず歪む
「ーーっ(マジかコレ壊すやついんの⁉︎)」
「すじこ‼︎」
「っ。大丈夫です‼︎走りますよ‼︎」
そう言い私達は全速力で走り特級の攻撃から逃げるため一旦室内へと向かった
「説明しろ」
「簡単に言うとそれで呪力供給・多少の強化ができるの 私が戦闘不能にならない限り消えないから3人はその間呪力切れになることはない」
走りながら早口で説明すると加茂先輩が驚いた表情になる
「それって君の呪力を私達に送ってるってことか⁉︎」
「あ、私呪力量だけなら悟先生超えるんでまず呪力切れは無いです」
サラッと言うとはぁ!?と言った感じの表情された…何気にひどいなこの先輩
そんな話をしている間にも特級の攻撃は追ってくる
「しっつこいな‼︎水遁ー水鉄砲ッ」
クルッと後ろを向き複数の水の弾丸を繰り出し少しの足止めを行う
「大丈夫ですか狗巻先輩」
「しゃけ」
ぐびっと喉スプレーを飲み干す先輩を横目に私はほんの少しだけ3人の衣を強めた
「来るぞ‼︎‼︎」
加茂先輩の言葉とともに特級の攻撃が繰り出されるが先輩の「〈止まれ〉」の言葉に一瞬声が止まる
「百歛 穿血」
加茂先輩の攻撃が直撃し少しだけ傷がつく
「急げどうせすぐ治してくる」
びっくりしている恵くんに加茂先輩は一声かけ外へ向かう
棘先輩は咳をしながらも喉スプレーをも再び開けた
「(どんなに呪力供給してても無反動は無理か…先輩の喉が限界を迎えてる)」
チラリと棘先輩の様子をみて自分に苛立ちを感じ小さく舌打ちをする
「ねぇ…この特級しつこすぎませんかね」
外に出て勢いをつけ屋根へと飛び乗りながら目に入る汗を拭う
「当たり前だろ殺しに来てんだから…狗巻先輩が止めてくれる ビビらずいけ」
クシャッと鵺を撫で恵くんが飛ばし加茂先輩は術式を、そして棘先輩が呪言を__……
「⁉︎ゴホッ…」
呪言を発する前に棘先輩が跪きボタボタと口から血液を吐き出した
「棘先輩‼︎」
それに私達は気を取られてしまい鵺が攻撃を受け更に加茂先輩も攻撃をモロに喰らってしまった
私が棘先輩、恵くんが加茂先輩の所へ
「生きてますか‼︎加茂さん‼︎」
加茂先輩を回収した恵くんが安否確認をする
焦っている恵くんに棘先輩が近寄ろうとした為私がそれを止める
「こんぶ」
「ダメです。」
やろうとしていることがわかった私は一体の分身を出し棘先輩を抑える
「高菜‼︎」
「先輩は休んでください」
にっこりと笑って私は恵くんのところへ急いだ
棘先輩も加茂先輩ももう限界だから離脱してもらおう
後は私がなんとかする…これでも1級呪術師なんだから
「恵くん」
「‼︎」
私は攻撃をしようとしていた恵くんの肩をポンッと叩いそのまま後に下がらせた
「紅奈⁉︎」
「もう少しで真希先輩がくる…それまで下がってな」
九喇嘛が真希先輩の気配がすると言っていたのでもう少しでここに来るだろう
そうしたら2人のコンビネーションの邪魔はできないから私は先輩2人を担いで離脱しよう
「っお前も下がれ!‼︎」
恵くんが叫ぶ
しかし私は止まらず特級に近づきながら片手に尾獣玉を作る
「九喇嘛…特大ぶつけるよ」
《任せろ》
私と特級の距離が縮まる
向こうが攻撃を仕掛ける前に私は先制をうつ
「特大なのあげる!!ぶっとべ!!!!」
いつもの倍の大きさの尾獣玉を相手にぶつけ遠くに吹っ飛ばした
「…あとはよろしくね_真希先輩、恵くん」
吹っ飛ばした先で真希先輩と恵くんが戦っているのを確認し、特級は2人に任せ私は棘先輩と加茂先輩を運ぶことにした
「棘先輩大丈夫ですか?」
「じゃげ」
「ダメですね」
喉スプレーは切らしたらしくガラガラ声の先輩を一刀両断しよっこいせ、と加茂先輩を担ぐ
「先輩歩けそうですか?無理なら担ぎまs「すじこっ」はぁい」
全力で断られてしまい棘先輩には申し訳ないが自力で走ってもらうことにした
「あれ?キミは確か…」
暫く走っていると上空から声が聞こえ見上げると京都校の箒先輩(名前知らんPart2)が箒に跨ってふよふよ浮いていた
「ってあれ…加茂くん⁉︎えキミが運んだの⁉︎ってゆうかとっても黄色い」
先輩にめちゃくちゃ質問攻めされるが棘先輩が「こんぶ」と言って落ち着けた
「えっと、さっきまで特級といたので…先輩すみませんが加茂先輩だけでも先に帳の外に運べませんか?」
そう申し訳なく言うと「特級と⁉︎」と驚かれてしまった
「加茂くんくらいならなんとかなるけど、狗巻くんと…えっと」
どうやら私の名前が出ないらしく「波風 紅奈」ですと言うと「紅奈ちゃんね、よし覚えた。私は西宮桃」とここでは場違いな自己紹介が始まる
「とりあえず加茂くんは私が運ぶけど2人はどうするの?狗巻くんは見た感じギリギリじゃない…?」
「本当は棘先輩も運んでh「おかか‼︎」…こんな感じで嫌がるんで私達は走って帳まで向かいます あ、これどうぞ」
食い気味に嫌がる棘先輩に苦笑いしながら西宮先輩に九喇嘛の衣を受け渡し「呪力供給です」と言うとびっくりされたが「ありがとう…気をつけてね」と言ってくれ加茂先輩を渡し別れた
「じゃ、私たちも帳付近に向かいましょうか…呪霊が出ても私が祓うんで先輩は呪言使わないでくださいね…使ったら担ぎます」
「し、しゃけ」
有無を言わさない笑顔で言うと了承したので満足し私達は再び走り始めた
『ーーという訳だから五条以外は簡単に帳から出られるからそのまま硝子のところに行って治療受けな』
「はーい」
ピッ、と通話を切る
私達は帳付近に到着し歌姫さんに連絡をしていた
最初は悟さんにかけたが中々出ないからである
「と、言うことみたいなのでさっさと硝子さんの所に行きましょ」
「しゃけ」
棘先輩がスルッと帳外に出たのを確認し私も出ようとするが…
バチッ
「〜ったぁ!なにこれ!これ対悟さん帳じゃないの!?」
指先の痛みに直ぐ手を離す
なんで!?と混乱するが流石我が相棒、冷静に分析してくれた
《恐らく対クレナ用でもあったんだろう…五条のガキとは逆に"逃がさない為"の帳といった所か》
この言葉に更に頭を抱えるが一先ず棘先輩に「帳から出られないんで何とかします」と連絡をして私は一旦帳から離れた
____
__
_
「パンダ‼︎」
暫く森の中を走っていると前方から恵くんと真希先輩を担いだパンダが走ってきた
「おぉ、紅奈無事だったか」
「私はぴんぴんしてるよ」
ちらりと真希先輩達を覗き見ると重症ではあるものの命に別状はないことが分かりホッとする
「んで、なんでオマエは帳と反対方向に走ってる訳?」
「それがさ…この帳対悟さん対策の他に私が帳の外に出るのを拒むものでもあったんだよね」
だから原因探るために翻弄中
そう言うとパンダもだけど担がれている2人も驚いた表情をしていた
「お、まえ…それ1人じゃ危険だろ‼︎」
「パンダと一緒なら安全だろ」
「そう言うことだ、行くぞ」
3人に説得されるが私は首を横に振る
「多分こんな帳を下ろすくらいだし誰がいつ仕掛けてくるか分からないから単独行動するよ」
そういうと「尚更危険だ‼︎」3人に止められる
「大丈夫ですよ」
にっこり笑って私は3人の静止を振り切り森の奥へと走っていった
「ん〜。原因がわからないなぁ」
《この辺りには気配が全くないな》
3人と(一方的に)別れた後キョロキョロと辺りを見回しながら様子を伺う
「なんであんな帳下ろされたんだろ…」
《五条のガキは分かるがオマエは周知されていないはずだが》
「名家の生まれでもないし私のことを知ってるのは高専内だけの筈…もしかして」
《誰かが流している、か》
まじか…と顔を歪めながらも今はそんな暇はない、と頭を振る
さて、どうしたものか…そう思っていたら急に背後から術師の気配がし反応が遅れた
《紅奈‼︎》
「え」
九喇嘛が私の名前を呼ぶのと同時に脇腹に凄まじい衝撃が走りその方向をちらりと見やると霞む視界の先には__…
「あれぇげとーじゃん 何で居るの?」
高専からアル物を回収し終えた真人が夏油を見る
「来る予定は無かったんだけどね…ちょっと気になる子がいるからちょっかいかけにきちゃった」
にっこりと笑う夏油に「あぁ‼︎赤髪の子‼︎」と納得したような顔をした
「ちょっかいってなにしたのさ、俺も会いたいのに」
「ん〜半殺し?まぁ彼女なら平気だろうし、きっといつか会えるよ」
「半殺しってちょっかいの領域超えてんじゃん」と呆れながら真人は夏油と共に高専を後にした
「またアソボウね、紅奈チャン」
真人にも聞こえないくらい小さく呟いた
8*守るよ
あぁ、やっぱり私は不意打ちがダメみたい