2章
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あれからはや数ヶ月、季節はすっかり冬になって皆マフラーとかで防寒する季節になった
「うぅ〜寒っ…」
「オマエほんっとに寒がりだよなぁ」
寒がりな私はマフラーに耳当てと防寒対策バッチリ
先輩達と歩いていると
「…っ」
私は当然訪れた寒気に立ち止まり鳥肌のたった腕を摩る。
憂太先輩は虚空を見つめているとパンダに呼ばれた
「どーした憂太、紅奈」
「えーっと なんかちょっと嫌な感じが…」
「同じく、なんか嫌な寒気がいたんだよね…」
そう2人で言うと3人は「気のせいだ」と言ってきた
「えぇ…ちょっと皆ぁ…」
「だって憂太の呪力感知超ザルじゃん…それに紅奈は最近任務続きだったから疲れてんじゃないのか?」
「まぁ里香みたいなのが常に横にいりゃ鈍くもなるわな」
「ツナ」
「え〜憂太先輩のはそうだったとしても私の予感は当たるじゃん…」
「それも酷くないかな…」
そんな事を言いながら歩いていると嫌な予感は的中
上空から異例の呪霊が姿を現す
「珍しいな」
「憂太の勘が当たった」
「?」
「だから言ったじゃないですか…」
現れた大きな鳥の呪霊から1人の男性が降り立つ
法衣と袈裟を見に纏うその男は一度見た事のある顔だった
「うわぁ…まじか」
「関係者…じゃねぇよな」
「見ない呪いだしな」
「すじこ」
「わーでっかい鳥」
私は瞬時に九喇嘛を、他のきょとんとしている憂太先輩以外は戦闘体制準備にはいる
そんな私達の事は気にせず男ー夏油傑はキョロキョロする
「変わらないね
そう言ってる間にも鳥の呪霊は口をグパッとあけ中から人が降りて来る
え…きもちわる
「うぇ〜〜夏油様ァ本当にココ東京ォ?田舎くさァ」
「奈々子…失礼…」
「えー美々子だってそう思うでしょ?」
「んもう‼︎さっさと降りなさい‼︎」
「アンタ寒くないの?」
女子高生らしき2人にオネェ…?が会話しながら出てくる
「アイツら何?」とぬいぐるみを持つ女子高生が言うと携帯で写真を撮りながらもう片方の女子高生が「パンダだー」と言っている
…嫌な感じ
「オマエらこそ何者だ 侵入者は憂太さんが許さんぞ」
「こんぶ‼︎」
「えっ‼︎?」
男子組がふざけだす…ここはふざけないで、と思って真希先輩をちらりと見るが
「憂太さんに殴られる前にさっさと帰んな‼︎」
「えぇ‼︎?」
うっそーん。真希さんまで悪ノリしていた
「先輩達‼︎そんな馬鹿なこと言ってないで…っ」
「初めまして乙骨君…私は夏油傑」
「「「「(__っ速い‼︎)」」」」
私が言い終わる前に夏油は瞬時にこちらに移動してきて憂太先輩の手を握る
私達はバッと夏油のへ顔を向ける
先輩はびっくりして思わず「えっあっはじめまして」と言っていた
そんな緊張感を持つ私たちを無視しながらも話を続けた
「君はとても素晴らしい力を持っているね 私はね大いなる力は大いなる目的の為に使うべきだと考える 今の世界に疑問はないかい?」
意味のわからない質問に憂太先輩はハテナを浮かべる…でも私にはわかるコイツ恐らく先輩を引き込もうとしている
九喇嘛と2人で攻撃のタイミングを伺う…今行うと確実に先輩まで巻き込む
「一般社会の秩序を守るため呪術師が暗躍する世界さ つまりね……」
いまだ夏油は語りづづける
冷静を保っていた私だったが夏油の一言で限界が来た
「非術師を皆殺しにして呪術師だけの世界を作るn」
最後まで言わせなかった
それは私の背から出た金の鎖_金剛封鎖を夏油に繰り出しそれと同時に九喇嘛が襲いかかったからだ
しかしひょいっと軽々に夏油はかわして私の方に視線を向けるとニコッと人の良さそうな笑みを向けられる
「おや?誰かと思ったら紅奈ちゃんじゃないか久しぶりだね、お互い生きててよかったよ」
「分かってはいましたけどなんで生きてるんですか大人しく捕まってください。あと名前で呼ぶな」
「《クレナ》」
「分かってる」
憂太先輩から引き離すことに成功したから遠慮なく私は九喇嘛の攻撃をうまく使いながら鎖を動かし捕獲を試みる
呆気に取られている先輩4人を置いてけぼりにしてしまっているが今はそれどころでは無い
ひょいひょい避けられて舌打ちをもらす
そんな事をしていると安心できる気配が背後から感じた
「僕の生徒にイカれた思想を吹き込まないでもらおうか 傑」
この一言に夏油は笑顔で「悟ー‼︎久しいねー‼︎」などと言っている 私の鎖を避けながら
「紅奈、一旦鎖をしまいな辛いだろ」
この一言に酷く安心して私は鎖を消し、九喇嘛を此方に戻した
少しフラつくとパンダに支えられた
「今年の一年は粒揃いと聞いたが…成程君の受け持ちか」
ふむ、と品定めするようにこちらを見てくる
「特級被呪者・突然変異呪骸・呪言師の末裔それと禪院家のおちこぼれ」
そう言った瞬間真希先輩は「テメェ」と殺気を出す
しかし続きを言わせないかのように夏油は話を遮る
「発言には気をつけろ君のような猿は私の世界にはいらないんだから」
真希先輩を害虫を見るかのような視線で見下す
私がキレてクナイを投げるより先に憂太先輩が口を開いた
「ごめんなさい 夏油さんが言っていることはまだ良く分かりません…けど友達を侮辱する人の手伝いは僕にはできない‼︎」
憂太先輩が言い切ると夏油はしゅんとした表情をみせ
「すまない。君を不快にさせるつもりはなかった…それに紅奈ちゃんもクナイを下ろしてくれると嬉しいな」
「ちっ」
「ほら、女の子が舌打ちはだめだよ」
舌打ちをしながらクナイを下ろす
それと同時に私たちと夏油の間に悟さんが入り込んだ
「傑なぜ紅奈の名前知ってる それに一体どういうつもりでここに来た」
「それはナイショさ。彼女とは一緒に死にかけた仲なんでね」
そう聞くと全員こちらをバッと振り返り説明しろと空気が言っているが私は目線を思わず逸らした
その様子を見ながら口がすべってしまったよ…ごめんね。と夏油は言ったので私は睨みつけた
「それとここに来た理由は 宣戦布告さ」
そう言って夏油は声高々に言った
「お集まりの皆々様‼︎耳の穴かっぽじってよーく聞いて頂こう‼︎ 来たる12月24日‼︎日没と同時に‼︎我々は百鬼夜行を行う‼︎ 場所は呪いの坩堝 東京・新宿‼︎ 呪術の聖地・京都‼︎ 各地に千の呪いを放つ 下す命令は勿論“鏖殺”だ 地獄絵図を描きたくなければ死力を尽くして止めにこい 思う存分呪い合おうじゃないか」
殺意に満ちた空気を纏い言い切る夏油に私達は呆然と聞いていた
殺伐とした雰囲気の中場違いな明るい声が響く
「あー‼︎夏油様お店閉まっちゃう‼︎」
「もうそんな時間か すまないね悟、彼女達が竹下通りのクレープを食べたいときかなくてね…お暇させてもらうよ」
そんな会話に漸く重たい空気から解放されたような気がする…しかし気は抜けない
「いやはやあんな猿の多い所の何が「このまま行かせるとでも?」」
悟さんが言葉を遮って言う
しかし夏油は気にせず「やめとけよ」と言い放つ
その瞬間周りには呪霊が大量に現れ私たちを囲んだ
「かわいい生徒が私の間合いだよ それでは皆さん戦場で」
そう言って呪いを残し夏油とその一味は空へと消えていった
「ちっ、アイツ…一先ずここの呪いを祓うのが先だ」
悟さんの声でこの場にいた全員で呪いを祓うことに専念した
「紅奈はあとで覚えとけよ」
久々に悟さんの口の悪い口調を聞いて「はい」と大人しく返事をした これは確実に説教コースだ
しかし今はそれを気にしてられず私も呪いを祓うことに専念した
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「さて、説明してもらおうか」
無事呪いも祓い終わり一件落着…と思っていたがガシッと悟さんが私の肩を力強く掴みゆく手を阻む
私は汗をダラダラ流しながら「ひゃい…」と返事をし教室に連行された
今私は畳の部屋で正座していた 九喇嘛も一緒に隣で座っている
悟さんは私を見下ろしながら冷ややかな声で言う
「で、なんで傑は紅奈の名前知ってたの。それに“一緒に死にかけた仲”ってどう言うこと」
「いや、あの…その…」
なんて説明しよう…頭をフル回転させていると九喇嘛が先に口を開いた
「《前に単独任務の時だ。コイツが自爆して運ばれた日に会った》」
「ちょ九喇嘛‼︎」
「いいよ続けて。紅奈は少し黙ってて」
圧をかけられ押し黙る
九喇嘛は続けて話す…もう何も誤魔化せない
「《夏油と名乗る男はその時にクレナに近づき勧誘をした。断ったがな それで男が逃げる前に相討ち覚悟で事に及んだ》」
「へぇ…君がいたのに止められなかったの?」
「《男が現れてからワシは戻されたからな…クレナの意識が正常な場合ワシの意思だけでは具現化できんからなす術なかった》」
話終わるとポフン、と姿を消した
ふぅ…と悟さんが息を吐く その音にさえビクッと反応してしまう
「紅奈」
「…はい」
「僕の言いたい事わかるよね」
「夏油傑と会っていたのに黙ってました」
「あの時僕聞いたよね?隠し事はないかって…嘘ついたの?」
「ごめん、なさい」
シュンとした顔をすると悟さんはため息をつく
「あのね、僕は心配して言ってるの なんで黙ってたの」
「心配かけたくなくて…でも余計に心配させてごめんなさい」
素直に言うと悟さんは私の頭を優しい手つき撫でる
「悟さん…」
「お願いだから心配かけさせないで…傑がああ言った時本当にびっくりしたんだから」
「うん。ごめんね…今度からちゃんと言います」
「絶対だからね」
そう言って私達は子供のように指切りをした
「さ、12月24日の為に作戦を練ろう」
そう言ってこの日はお開きになった
因みに寮に帰ったら先輩達にもお説教されました…
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ー12月24日 百鬼夜行当日ー
《五条のガキの方へ何故行かなかった》
私話今高専内のある部屋で待機していた
「確かに新宿に行くべきだったかもしれない。それこそ私は一級だし…でもね思うの憂太先輩を…いや里香さんを今日野放しにしたら多分夏油傑の思う壺な気がしてね だから私はここに残ったんだよ」
座禅を組み精神を集中し周辺の気配に気を配る
《それはあの男がココにくるって事か》
「それもありえるって事だよ…最悪の想定はしておくべきでしょ?まぁそんな事にならないのが1番なんだけどね」
そう言って私はまた目を瞑り精神を集中させる
「………来ちゃった」
暫く瞑想していると急に空気がピリッと変わり目を開くと何故か帳が降りていた
そして高専内にあの男の気配を感じる
私は印を結び影分身を一体作る
「君は憂太先輩のところに行ってサポートお願い」
『了解‼︎』
影分身の私は返事をするとドロンと消え先輩の元へと向かった
「さて…気配的に真希先輩に近いな…早く行こう九喇嘛」
《死ぬなよ》
「誰に言ってるの。死なないよもう」
そう言って私は〈九喇嘛リンクモード〉になりすぐに飛んだ
「真希先輩!」
私が飛んでくると既に真希先輩は重症の状態で倒れていた
そばには夏油がいる
「ちっ…夏油傑‼︎」
「おや、君はここに残っていたのか…これは誤算だったな これは困った」
ふむ、と対して困っていないような感じで言われて怒りが湧く
でも今ここで怒りに身を任せても良いことがないのは分かっているから冷静を保つ
「もっと困ってもいいと思いますよ…申し訳ありませんが悟さんがくる前に私があなたを殺します。」
「紅奈ちゃんと戦うのはあの時ぶりだね…私も今日は本気を出させてもらうよ」
私達は戦闘体制に入った
_________
乙骨side
帳が降りてから暫く経つ
頻繁におきる地震に僕は不安が積もった
「何が起きてるんだろ…『憂太先輩‼︎』波風さん!?」
ぽつりと呟くとそこには同じくここで待機していた波風さんが走って寄ってきた
「波風さんなんでここに?!」
『私は
「分身⁉︎って夏油さんがここにきてるの!?」
分身という言葉にも驚いたがそれよりも夏油さんが高専に来たことに驚いた
『はい。恐らく狙いは里香さんです…私としては先輩には隠れていて欲しいんですが』
「そんなことできないよ‼︎波風さん案内して‼︎援護に行く‼︎」
『…先輩ならそういうと思いました。しかし何があっても心を強く持ってください。それと私が消えたらオリジナルに何かあったと思ってください…行きますよついてきて下さい』
そう波風さんに言われ頷き僕は彼女の後を追った
乙骨side終
______________
「はっはっ…くそが」
「ふふ、女の子なのに口が悪いね」
お互い攻防戦を繰り広げ辺りは崩壊している
「これはどうかな?」
その声と共にまた別の呪霊が飛び出してくる
炎を纏った呪霊は一直線に私に飛びかかってくる
「水遁ー水龍弾の術‼︎」
火と水が激突し激しい爆発が周りに起こる
「埒があかない‼︎」
「そんな怒らないでくれよ…おや、帳に穴が開いたようだ、君のお仲間かな」
段々イライラしてくると夏油がそんなことを言い出した
恐らく悟さんが気付いて誰かを此方に飛ばしたんだろう
あと少し、ここで時間稼ぎをしようそう思って私は再び戦闘体制に入った
「やっぱり何事もそう思い通りにはならないものだね…「金剛封鎖‼︎」っと危ないなぁ その鎖嫌な感じしかしないから捕まりたくないんだよね」
背から鎖を出し夏油が逃げるのを防止する
そしてその横の壁からバコンッと壁が破壊されパンダが現れた
容赦なく殴りかかるが真希先輩の様子をよそ見してしまい隙が生まれる
「ッパンダよそ見しないで‼︎‼︎」
その隙を夏油が見逃す訳なくパンダが一瞬で沈められる
「棘‼︎」
その声と共に私は意図を理解し高速で鎖を動かし夏油を拘束する
パンダも足を掴み逃さないようにする
「‼︎」
「油断したな」
「〈堕ちろ〉‼︎‼︎」
連携で夏油を沈め私は鎖を消し2人に近寄った
「棘先輩‼︎パンダ大丈夫⁉︎」
「い"…ぐら"」
「俺は平気だ、まずは真希」
少し気が緩んでいた
それがダメだった
大穴から夏油と呪霊が出てきて
反応が遅れ……振動と共に一瞬目の前が真っ暗になった
「真希さん?」
憂太先輩の声が聞こえる
「本当はね君にも生きていてほしいんだ乙骨 でも全ては呪術界の未来のため」
夏油の声もする…だんだん視界に光が戻ってきた
どうやら一瞬気をやっていたらしい…身体中が濡れている感じがする
「パンダ君…波風さんっ⁉︎」
「ゆ"う"だ…逃…げろ」
「‼︎狗巻くん‼︎」
棘先輩の声が聞こえた、多分無事だ
憂太先輩から凄まじい殺気が漂う
「来い‼︎里香‼︎」
「君を殺す」
「ブッ殺してやる」
里香さんが現れたのがわかる
先輩の悲痛な声が聞こえた
私は力を振り絞り立ち上がる
「ゆ、うた先輩…」
「!!!波風さん‼︎」
先輩は私に近づく
「大丈夫!?君の分身体が途中で消えたから…」
「分身は私の意識が途切れると消えちゃうので…それに少し頭を打っただけなので大丈夫です…私は回復早いんで…先輩、暫く私が時間を稼ぎます、なのでその間に先輩達を安全なところに」
憂太先輩が目を見開いて首を横に振る
「駄目だ…‼︎」
「今の私に全員を庇って戦う余裕はありません。なので先輩に安全なところに運んで欲しいんです…お願いします」
真剣に淡々というと先輩は一瞬考えるが「わかった」と頷いてくれて3人を抱え消えた
何もせずに律儀に待っていた夏油がようやく口を開く
「…良かったのかい?」
「えぇ、恐らく悟さん以外で今の貴方に勝てるのは憂太先輩だけなんで…少しでも貴方を弱らせてから引き継ぎます」
「その怪我でよくやるね…尊敬するよ」
ボタボタと脇腹からは大量に血液が流れている
「守れる可能性のある人は守りたいタチなんでね…さ、続きやりましょ」
クナイを素早く投げ飛雷針の術で瞬時に移動し斬りつける
「まだそんな力が残っていたのか…恐ろしいね」
「思ってもないくせに」
手のひらに尾獣玉を作り放つ
それを夏油の呪霊が受け破裂する
夏油が私の間合いに入り蹴りを繰り出してきたから私はそれを両手をクロスさせ受け止める
攻防戦をずっと続けていた
しかしそれも長くは続かなかった
「⁉︎…ゴホッ⁉︎」
突然身体が硬直し胃のなかから何かが迫り上がってきて堪えきれず吐き出す
ボタボタと大量の血液が口から溢れた
「な"…ん」
「あぁ。やっと効いてきたんだね…どうやら君には効き目が遅いようだ」
ふふ、と楽しそうに笑う夏油に私は睨みを効かせる
《毒だ‼︎いつの間に盛られた》
「ど、く?」
「気付いてなかったようだけど君の首に小さな毒を扱う呪霊を仕込ませて貰ったんだ」
その声にバッと首を押さえる
「本当なら直ぐに効果の出るものだったんだけど…恐らく君に憑いてる狐のせいかな 時間がかかってしまったよ」
「ちっ…」
血液が大量に失ったことにより更に足元が覚束なくなってくる
《もう引き返せ‼︎死ぬぞ‼︎》
九喇嘛が頭の中で叫ぶ
私は一度死んだ時の事を思い出していた…あの時も最終的には大量出血だったなぁ
憂太先輩は上手く皆を安全な所に連れて行けたかな
もう少しだけ…もう少しだけコイツを弱らせなきゃ…
もっと…もっと私に力があれば…
無意識のうちに片手に力をこめる
「まだやるつもりかい?今なら見逃してあげるよ?別に君を死なせたい訳じゃないんだ」
夏油が何か言っている
ぴくっと私の手のひらに呪力がこもる
「でもまだ来るのであれば…殺すしかない」
手のひらに呪力が集まる…尾獣玉のように黒くない、澄んだ青色の球
私はそれに見覚えがあった…これは
「螺旋丸…」
《螺旋丸…だと?》
この術はナルトや自来也さん…そして父さんが使えていた忍術
属性的に私には扱えないもののはずなのに手のひらには紛れもない螺旋丸で
「あっははっ」
「なに笑ってるんだい?気でもおかしくなった?」
怪訝な表情を浮かべる夏油に私はニヤリと笑った
「そうですね、イカれたのかも…」
どんどん螺旋丸が大きくなる
ークレナ頑張れってばよー
「‼︎ありがとう、ナルト」
不意にナルトの声が聞こえが聞こえた気がして小さく笑う
無事に先輩達を運び終わった憂太先輩が此方に近づいてくるのがわかった
「そろそろ選手交代のようなので…夏油傑、貴方にコレが受け止められますか?」
飛雷針の術で瞬時に懐に入り込み渾身の一撃をお見舞いする
「螺旋丸ッッッ」
確かな手応えを感じ反撃が来る前に憂太先輩の元に飛雷針で飛ぶ
すると先輩はびっくりした表情で此方を見る
「波風さんっ」
「なんとか、致命傷一歩手前まではやったんで…げほっ、あとはおね…い、ます」
先輩の言葉を聞かず早口で伝え、ニコッと笑い私の身体は力が抜けそのまま地面に伏せ目を閉じた
4*災厄襲来
全て終わったら皆で遊びたいなぁ