2章
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「わたし…生きてる」
起きて第一声がこれだった
全身の大火傷とかは恐らく硝子さんが治してくれたんだろう、今は体の怠さだけ残っていた
《起きたか大馬鹿者》
「あ、九喇嘛おはよ…ごめん状況説明」
《あの後ワシが何とか回復しつつ回収して小娘の治療を受けて今だ》
「なーるほど理解。それで今何日目?」
《あれから一週間経っている》
「はぁ⁉︎嘘でしょ⁉︎」
そんなに経ってるの⁉︎
思わぬ事態に驚愕しているとガラガラッと扉の開く音がした
「お、起きてんじゃん寝坊助」
「しょーこさんおそようございます…迷惑かけたみたいでごめんなさい」
「まじで最初びっくりしたからな。徐々に回復してんの分かってたけど運ばれた時アンタ全身大火傷の複雑骨折数カ所、更に内臓火傷で生きてるのが奇跡だよ…ま、重症だったからその分回復に時間かかったけどな」
そう言いながら遠慮なく煙草を咥える硝子さんに苦笑いを浮かべながらもう一度ありがとうございます。と伝えた
「五条と一年…特に一年がかなり心配してたから早く顔見せに行ってやりな。まぁ説教必須だろうけど 特に五条の」
早く行け。と部屋を追い出されてしまい私は覚悟を決めて皆の所へ
「怒られるよなぁ…」
《自業自得だ》
「…九喇嘛」
《…》
「心配かけてごめんね。ありがとう」
《もう無茶な事はするな》
「はぁい」
目指すは皆のいる演習場
バシッ、パンッ…ドタッ
演習場に乾いた音や何かが倒れる音が沢山聞える
私はひょこっと草むらから顔を出しその音のするほうを隠れて覗く
「真希さん不機嫌続きだね…」
「憂太も分かってきたか?アレもう暫く続くぞ」
どうやら組手は今真希先輩と棘先輩が行っているみたいで互角にやりあっている
しかし見るからに真希先輩の機嫌が悪かった
「す、じこっ」
「あ"??まだやれんだろやるぞ」
「おかか!明太子!」
さっきからずっとやっているようで棘先輩の体力がほぼゼロらしい
休ませてくれ!と叫んでる
「皆げんき〜?」
そんな中呑気な声が演習場に響き渡る
「あっれぇ〜真希めちゃくちゃ機嫌悪いじゃん」
「直球だね…」
「悟だからな」
「しゃけ」
遠くからヒラヒラと手を振りながら悟さんがみんなの所へ近づく
真希さんはそんな軽い態度にさらに苛立っていた
「ほらほら、そんな機嫌悪い真希と心配性な3人に良い知らせだよ…紅奈が目を覚ましたって硝子から連絡きた」
ここで私の名前が出るとは思わなくて思わずビクッとしてしまった
音は出てない…はず
悟さんの発言に4人は目を見開きながら校舎へと足を向けようとするがそれを止めた
「んだよ、目ェ覚ましたんならとりあえず説教だろ」
「いやいや話しは最後まで聞いてよ」
「おかか」
「だからね?今から行っても意味ないよ」
この一言に「は?」「え?」「ん?」「なぜ?」と各々の反応を示す
「硝子から聞いた話だと目を覚ましたから追い出したんだと、つまり今ごろ何処かに徘徊中って訳……下手したら訛った体動かしに行ってるかもね、病み上がりなのに」
あの人よからぬ事考えてるぞ…と段々嫌な予感が増して益々みんなの所に出て行けなくなってきた
4人は黙って聞いている
それに気を良くしたのかニヤニヤしながら続ける
「今から4人には特別授業だよ!!紅奈を見つけて皆でお説教しよっか!手段は選ばない 見つけて捕まえた人からお説教していく…つまり一番最初に捕まえたら言いたいこと全部言えるよ〜」
多分あの子もお説教嫌だろうし本気になると思うからいいリハビリになるだろうし4人もトレーニングになる、一石二鳥だね!
なんて言ってると真希先輩と棘先輩とパンダはやる気になるが憂太先輩がオドオドしていた
「え、でも波風さん病み上がりだからそれはまずいんじゃ…」
「気にすんな紅奈は早いし強い、ぶっちゃけ病み上がりでも捕まえられるか微妙」
「そうそう、憂太も本気出さないと無理だぞ〜」
「すじこ〜」
遠慮ない言葉に私は冷や汗ものだがそれ以上に認めてくれていることが嬉しかった
遠慮ないけど
「そーゆーこと!つまり憂太は何も心配しなくていいよ。制限時間は今日の授業終了の3時間後まで 因みに僕も終了1時間前に参加するからそれまでに捕まえられるといいね!それじゃあよぉいスタート」
合図と共に4人がばらばらに散った
それを見送ってから私はため息を着く
「悟さん意地悪すぎ」
「あそこでずっと隠れてる紅奈が悪い」
はぁ、と溜息をつきながらバレてるのは分かっていたので出ていくと悟さんは楽しそうな声色をしていた
「どこまでおっけー?」
「自然災害レベルとリンクはだめだよ」
「はーい」
「じゃあ2時間後に会おうね〜」
その言葉を聞きながら会いたくないなぁと思いつつも少からずワクワクしていた私は逃げ始めた
_______
____
__
今私はふらふらと森をさ迷っていた
因みに九喇嘛を具現化させようとしたら《いやだ》と言われてしまったので諦めた
どーしようかなぁ…なんて思っていたら木の葉が不自然に揺れた
私はそれを見逃さず飛び込んできた攻撃をひらりと躱す
「ありょ、パンダと憂太先輩」
「ほんとに徘徊してるよ…」
「俺らは怒らねぇから大人しく捕まれって」
そう言ってはいるが嘘なのは丸わかりだ
私は憂太先輩からの攻撃を交わしながら会話をたのしむ
「えー、ヤダ。それより憂太先輩がパンダと組むの新鮮ですね…てか憂太先輩容赦ないですねさっきまで本気でやっていいよの言葉にオドオドしてたのに」
「え、なんでそれ知ってるの?」
「そりゃ私あの場にいたので…先輩方の実技実習+私のリハビリって所ですね…私に得のない景品付きの」
そんな話をしていると背後に気配を感じ逃げようとするがガシッと抱き締められるように捕まえられる
とってももふもふしてる
「あーん、パンダに捕まったァ」
「大人しくしてろって」
「陽動作戦って訳か」
「ごめんね」
何故か申し訳なさそうにする憂太先輩に逆に罪悪感が芽ばえる
「謝らないでくださいよー。大丈夫ですって、謝るのは私の方なんで!!」
そう言うとパンダに捕まっていた私はドロンと音を立てて丸太に変わっていた
「えっ!?丸太!?」
「あちゃ〜やっぱそうくるか」
「忍法・変わり身の術ってね」
本体の私は木の上でその様子を見ながらじゃ!と言ってその場から逃げた
「忍者だ…」
「だから言ったろ?忍者だぞーって」
私が逃げた後そんな話をしていたとかしていないとか
______
___
_
「憂太先輩のびっくりしてた顔面白かったな〜」
ふふふ、と思い出し笑いをしていると「“止まれ”」と聞こえその瞬間動きが止まってしまった
「わー…動けない…これ絶対棘せんぱいじゃん」
「しゃけしゃけ」
「わーコンニチワ」
そうだよ〜と言いながら出てきた棘先輩はブイッとピースしている
「棘先輩1人じゃ無いですよね…となると…」
「よくわかってるじゃねぇか。覚悟はいいか?クレナチャン」
がさっと別の木の横からいい笑顔の真希先輩が出てきた
ワァートッテモイイエガオ
「真希先輩笑顔が怖いです」
「よし説教前にしばいてやる覚悟しろ」
「キャー」
そう言いながら棘先輩と真希先輩2人と組み手が始まる
パシッと言い音を鳴らしながら防御と攻撃を繰り返しながら棘先輩の呪言を聞かないように口を開くたび水遁を繰り出して喋らさないようにするを繰り返していた
「もー‼︎先輩たち!しつこい!」
「オマエが諦めれば済むんだよ!説教されろ!」
「すじこ!こんぶ!」
容赦ない真希先輩とそーだそーだ!捕まりな!と煽り立てる棘先輩
お互い疲れてきてそろそろかな…と私はある準備を始める
「先輩方そろそろ疲れてきましたよね?」
「それは紅奈もだろ?いい加減捕まれや」
「いやでーす!なのでそんな先輩方にプレゼント」
「明太子??」
スタッと木の上に移動し私は印を組む
「多重影分身の術‼︎」
バババッと10人くらいの私が先輩達を取り囲む
それに2人は冷や汗を流す
「うそだろ」
「すじこ」
「あははっ、じゃあ私は逃げまーす!」
影分身にあとは任せ逃げた
森からは大きい声で「後で覚えてろー‼︎」「明太子ー‼︎」と響いていた
_____
___
_
「いやー、先輩達の反応楽しくてつい忍術使っちゃったな〜」
先輩達強いしつい本気だしちゃうんだよね〜
ルンルンとご機嫌に歩きながら時間を確認すると残り1時間だった
「あと1時間かぁ〜…あれ?残り1時間って事は…」
「紅奈ちゃん〜遊びましょ〜」
「ひっ」
背後から悟さんの声が聞こえ思わずびくっとしてしまった
「悟さん⁉︎」
「うん、悟さんダヨー…さ、僕と遊ぼっか」
にーっこりと笑う悟さんに諦めモードな私は「お手柔らかに…」とだけ言った
「おいそっちいたか?」
「いやいない」
「すじこぉ…」
「ん?校庭の方から音しない?」
バキッ、ドコッ…
と鈍い音が校庭の方から聞こえて4人は急いで向かう
「「「「…………」」」」
嘘だろ…と4人は唖然としていた
その訳は
「もーーー‼︎悟さん‼︎しつこすぎ‼︎」
「あははっ、でも流石だよね〜全然隙ないもん」
「そりゃ‼︎悟さん1番めんどくさいから‼︎捕まりたくないの!」
「諦めなよ〜僕も怒ってるんだよ?」
「反省はしてる‼︎」
校庭の半分が地形が変わっていて4人の冷や汗が止まらなかった
「え、この校庭やばいんじゃ…」
「あの2人が手合わせするといつもあんなんだぞ」
「しゃけ」
「あ、正道」
いつの間にか騒ぎを聞きつけたが夜蛾が2人に拳骨を落としたと同時に授業終了の合図がなった
今、私は5人の前で正座をしています。
逃げ切ったのに何故?とお思いかもしれませんが正道さんの拳骨を喰らった後その流れでお説教され、便乗みたいな形でそのまま5人のお説教が始まった
「で、言い訳は?」
「しません」
「なんであんな事したんだ」
「……それしか方法がなくて…」
「すじこ?」
「呪霊が報告時より強くて…」
「怪我は?」
「硝子さんのおかげでもう完治しました」
「……もう無茶はしないでくれ」
「…ごめん、なさい」
みんなが怒ってるのは心配してくれてるから、それをわかっているからこそ、申し訳なくて私は久々に泣いた
ひとしきり泣いた後先輩達は
「1人じゃ無いんだから無理するな」
「心配させた罰で鍛錬付き合え」
などと私の頭を撫でながら言いながら教室から出ていった
今教室には私と悟さんだけ
悟さんの表情が読めない
どうしよう…そう思っていると「紅奈」と呼ばれたので「はい‼︎」と勢いよく返事をする
「本当に大丈夫なの?」
「うん。九喇嘛と硝子さんのおかげだよ、痕も残ってない」
「……僕に隠し事してない?」
「…してないよ」
まさか確信を突いてくるとは思わず少し吃ってしまった
夏油傑のことは言わないほうがいい…余計な心配かけたくない そう思ったから
バレたらヤバいだろうけど大丈夫だろうと思い言わないでおく
暫く無言で見つめ合っていると悟さんがはぁ、とため息をついてから
「分かった。紅奈を信じる…お願いだからもうこんなことしないで」
「もうしない…多分」
「紅奈」
「緊急事態の時は目を瞑って」
「(ちっ)強いのは分かってるけど無茶は駄目だからね」
「(舌打ちした…)肝に銘じておきまーす」
ほんと心臓に悪い妹だよ…と頭を撫でながら言われたので撫でられながらごめんねオニーチャンと悪ノリで返した
2*お説教
もっと強くなろう、心配かけないくらいに
起きて第一声がこれだった
全身の大火傷とかは恐らく硝子さんが治してくれたんだろう、今は体の怠さだけ残っていた
《起きたか大馬鹿者》
「あ、九喇嘛おはよ…ごめん状況説明」
《あの後ワシが何とか回復しつつ回収して小娘の治療を受けて今だ》
「なーるほど理解。それで今何日目?」
《あれから一週間経っている》
「はぁ⁉︎嘘でしょ⁉︎」
そんなに経ってるの⁉︎
思わぬ事態に驚愕しているとガラガラッと扉の開く音がした
「お、起きてんじゃん寝坊助」
「しょーこさんおそようございます…迷惑かけたみたいでごめんなさい」
「まじで最初びっくりしたからな。徐々に回復してんの分かってたけど運ばれた時アンタ全身大火傷の複雑骨折数カ所、更に内臓火傷で生きてるのが奇跡だよ…ま、重症だったからその分回復に時間かかったけどな」
そう言いながら遠慮なく煙草を咥える硝子さんに苦笑いを浮かべながらもう一度ありがとうございます。と伝えた
「五条と一年…特に一年がかなり心配してたから早く顔見せに行ってやりな。まぁ説教必須だろうけど 特に五条の」
早く行け。と部屋を追い出されてしまい私は覚悟を決めて皆の所へ
「怒られるよなぁ…」
《自業自得だ》
「…九喇嘛」
《…》
「心配かけてごめんね。ありがとう」
《もう無茶な事はするな》
「はぁい」
目指すは皆のいる演習場
バシッ、パンッ…ドタッ
演習場に乾いた音や何かが倒れる音が沢山聞える
私はひょこっと草むらから顔を出しその音のするほうを隠れて覗く
「真希さん不機嫌続きだね…」
「憂太も分かってきたか?アレもう暫く続くぞ」
どうやら組手は今真希先輩と棘先輩が行っているみたいで互角にやりあっている
しかし見るからに真希先輩の機嫌が悪かった
「す、じこっ」
「あ"??まだやれんだろやるぞ」
「おかか!明太子!」
さっきからずっとやっているようで棘先輩の体力がほぼゼロらしい
休ませてくれ!と叫んでる
「皆げんき〜?」
そんな中呑気な声が演習場に響き渡る
「あっれぇ〜真希めちゃくちゃ機嫌悪いじゃん」
「直球だね…」
「悟だからな」
「しゃけ」
遠くからヒラヒラと手を振りながら悟さんがみんなの所へ近づく
真希さんはそんな軽い態度にさらに苛立っていた
「ほらほら、そんな機嫌悪い真希と心配性な3人に良い知らせだよ…紅奈が目を覚ましたって硝子から連絡きた」
ここで私の名前が出るとは思わなくて思わずビクッとしてしまった
音は出てない…はず
悟さんの発言に4人は目を見開きながら校舎へと足を向けようとするがそれを止めた
「んだよ、目ェ覚ましたんならとりあえず説教だろ」
「いやいや話しは最後まで聞いてよ」
「おかか」
「だからね?今から行っても意味ないよ」
この一言に「は?」「え?」「ん?」「なぜ?」と各々の反応を示す
「硝子から聞いた話だと目を覚ましたから追い出したんだと、つまり今ごろ何処かに徘徊中って訳……下手したら訛った体動かしに行ってるかもね、病み上がりなのに」
あの人よからぬ事考えてるぞ…と段々嫌な予感が増して益々みんなの所に出て行けなくなってきた
4人は黙って聞いている
それに気を良くしたのかニヤニヤしながら続ける
「今から4人には特別授業だよ!!紅奈を見つけて皆でお説教しよっか!手段は選ばない 見つけて捕まえた人からお説教していく…つまり一番最初に捕まえたら言いたいこと全部言えるよ〜」
多分あの子もお説教嫌だろうし本気になると思うからいいリハビリになるだろうし4人もトレーニングになる、一石二鳥だね!
なんて言ってると真希先輩と棘先輩とパンダはやる気になるが憂太先輩がオドオドしていた
「え、でも波風さん病み上がりだからそれはまずいんじゃ…」
「気にすんな紅奈は早いし強い、ぶっちゃけ病み上がりでも捕まえられるか微妙」
「そうそう、憂太も本気出さないと無理だぞ〜」
「すじこ〜」
遠慮ない言葉に私は冷や汗ものだがそれ以上に認めてくれていることが嬉しかった
遠慮ないけど
「そーゆーこと!つまり憂太は何も心配しなくていいよ。制限時間は今日の授業終了の3時間後まで 因みに僕も終了1時間前に参加するからそれまでに捕まえられるといいね!それじゃあよぉいスタート」
合図と共に4人がばらばらに散った
それを見送ってから私はため息を着く
「悟さん意地悪すぎ」
「あそこでずっと隠れてる紅奈が悪い」
はぁ、と溜息をつきながらバレてるのは分かっていたので出ていくと悟さんは楽しそうな声色をしていた
「どこまでおっけー?」
「自然災害レベルとリンクはだめだよ」
「はーい」
「じゃあ2時間後に会おうね〜」
その言葉を聞きながら会いたくないなぁと思いつつも少からずワクワクしていた私は逃げ始めた
_______
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今私はふらふらと森をさ迷っていた
因みに九喇嘛を具現化させようとしたら《いやだ》と言われてしまったので諦めた
どーしようかなぁ…なんて思っていたら木の葉が不自然に揺れた
私はそれを見逃さず飛び込んできた攻撃をひらりと躱す
「ありょ、パンダと憂太先輩」
「ほんとに徘徊してるよ…」
「俺らは怒らねぇから大人しく捕まれって」
そう言ってはいるが嘘なのは丸わかりだ
私は憂太先輩からの攻撃を交わしながら会話をたのしむ
「えー、ヤダ。それより憂太先輩がパンダと組むの新鮮ですね…てか憂太先輩容赦ないですねさっきまで本気でやっていいよの言葉にオドオドしてたのに」
「え、なんでそれ知ってるの?」
「そりゃ私あの場にいたので…先輩方の実技実習+私のリハビリって所ですね…私に得のない景品付きの」
そんな話をしていると背後に気配を感じ逃げようとするがガシッと抱き締められるように捕まえられる
とってももふもふしてる
「あーん、パンダに捕まったァ」
「大人しくしてろって」
「陽動作戦って訳か」
「ごめんね」
何故か申し訳なさそうにする憂太先輩に逆に罪悪感が芽ばえる
「謝らないでくださいよー。大丈夫ですって、謝るのは私の方なんで!!」
そう言うとパンダに捕まっていた私はドロンと音を立てて丸太に変わっていた
「えっ!?丸太!?」
「あちゃ〜やっぱそうくるか」
「忍法・変わり身の術ってね」
本体の私は木の上でその様子を見ながらじゃ!と言ってその場から逃げた
「忍者だ…」
「だから言ったろ?忍者だぞーって」
私が逃げた後そんな話をしていたとかしていないとか
______
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「憂太先輩のびっくりしてた顔面白かったな〜」
ふふふ、と思い出し笑いをしていると「“止まれ”」と聞こえその瞬間動きが止まってしまった
「わー…動けない…これ絶対棘せんぱいじゃん」
「しゃけしゃけ」
「わーコンニチワ」
そうだよ〜と言いながら出てきた棘先輩はブイッとピースしている
「棘先輩1人じゃ無いですよね…となると…」
「よくわかってるじゃねぇか。覚悟はいいか?クレナチャン」
がさっと別の木の横からいい笑顔の真希先輩が出てきた
ワァートッテモイイエガオ
「真希先輩笑顔が怖いです」
「よし説教前にしばいてやる覚悟しろ」
「キャー」
そう言いながら棘先輩と真希先輩2人と組み手が始まる
パシッと言い音を鳴らしながら防御と攻撃を繰り返しながら棘先輩の呪言を聞かないように口を開くたび水遁を繰り出して喋らさないようにするを繰り返していた
「もー‼︎先輩たち!しつこい!」
「オマエが諦めれば済むんだよ!説教されろ!」
「すじこ!こんぶ!」
容赦ない真希先輩とそーだそーだ!捕まりな!と煽り立てる棘先輩
お互い疲れてきてそろそろかな…と私はある準備を始める
「先輩方そろそろ疲れてきましたよね?」
「それは紅奈もだろ?いい加減捕まれや」
「いやでーす!なのでそんな先輩方にプレゼント」
「明太子??」
スタッと木の上に移動し私は印を組む
「多重影分身の術‼︎」
バババッと10人くらいの私が先輩達を取り囲む
それに2人は冷や汗を流す
「うそだろ」
「すじこ」
「あははっ、じゃあ私は逃げまーす!」
影分身にあとは任せ逃げた
森からは大きい声で「後で覚えてろー‼︎」「明太子ー‼︎」と響いていた
_____
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「いやー、先輩達の反応楽しくてつい忍術使っちゃったな〜」
先輩達強いしつい本気だしちゃうんだよね〜
ルンルンとご機嫌に歩きながら時間を確認すると残り1時間だった
「あと1時間かぁ〜…あれ?残り1時間って事は…」
「紅奈ちゃん〜遊びましょ〜」
「ひっ」
背後から悟さんの声が聞こえ思わずびくっとしてしまった
「悟さん⁉︎」
「うん、悟さんダヨー…さ、僕と遊ぼっか」
にーっこりと笑う悟さんに諦めモードな私は「お手柔らかに…」とだけ言った
「おいそっちいたか?」
「いやいない」
「すじこぉ…」
「ん?校庭の方から音しない?」
バキッ、ドコッ…
と鈍い音が校庭の方から聞こえて4人は急いで向かう
「「「「…………」」」」
嘘だろ…と4人は唖然としていた
その訳は
「もーーー‼︎悟さん‼︎しつこすぎ‼︎」
「あははっ、でも流石だよね〜全然隙ないもん」
「そりゃ‼︎悟さん1番めんどくさいから‼︎捕まりたくないの!」
「諦めなよ〜僕も怒ってるんだよ?」
「反省はしてる‼︎」
校庭の半分が地形が変わっていて4人の冷や汗が止まらなかった
「え、この校庭やばいんじゃ…」
「あの2人が手合わせするといつもあんなんだぞ」
「しゃけ」
「あ、正道」
いつの間にか騒ぎを聞きつけたが夜蛾が2人に拳骨を落としたと同時に授業終了の合図がなった
今、私は5人の前で正座をしています。
逃げ切ったのに何故?とお思いかもしれませんが正道さんの拳骨を喰らった後その流れでお説教され、便乗みたいな形でそのまま5人のお説教が始まった
「で、言い訳は?」
「しません」
「なんであんな事したんだ」
「……それしか方法がなくて…」
「すじこ?」
「呪霊が報告時より強くて…」
「怪我は?」
「硝子さんのおかげでもう完治しました」
「……もう無茶はしないでくれ」
「…ごめん、なさい」
みんなが怒ってるのは心配してくれてるから、それをわかっているからこそ、申し訳なくて私は久々に泣いた
ひとしきり泣いた後先輩達は
「1人じゃ無いんだから無理するな」
「心配させた罰で鍛錬付き合え」
などと私の頭を撫でながら言いながら教室から出ていった
今教室には私と悟さんだけ
悟さんの表情が読めない
どうしよう…そう思っていると「紅奈」と呼ばれたので「はい‼︎」と勢いよく返事をする
「本当に大丈夫なの?」
「うん。九喇嘛と硝子さんのおかげだよ、痕も残ってない」
「……僕に隠し事してない?」
「…してないよ」
まさか確信を突いてくるとは思わず少し吃ってしまった
夏油傑のことは言わないほうがいい…余計な心配かけたくない そう思ったから
バレたらヤバいだろうけど大丈夫だろうと思い言わないでおく
暫く無言で見つめ合っていると悟さんがはぁ、とため息をついてから
「分かった。紅奈を信じる…お願いだからもうこんなことしないで」
「もうしない…多分」
「紅奈」
「緊急事態の時は目を瞑って」
「(ちっ)強いのは分かってるけど無茶は駄目だからね」
「(舌打ちした…)肝に銘じておきまーす」
ほんと心臓に悪い妹だよ…と頭を撫でながら言われたので撫でられながらごめんねオニーチャンと悪ノリで返した
2*お説教
もっと強くなろう、心配かけないくらいに