3章
夢小説設定
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「1年がたった4人って少なすぎねぇ?」
「じゃあオマエ今まで呪いが見えるなんて奴会ったことあるか?」
「………ねぇな」
「それだけ
原宿駅改札付近で制服を纏った男子生徒2人一虎杖悠仁と伏黒恵は残りの2人を待っていた
「てゆうか先生と波風遅くね?」
「五条先生はいつもの事だけどあいつが遅れるのは珍しいな…」
どうしたものかと考え一先ず連絡しようとスマホを手に取ると駅の方から一人の男性の声が聞こえた
「おまたせーお!制服間に合ったんだね」
「おう!ピッタシ。でも伏黒と微妙に違ぇんだな」
虎杖は自分の制服と伏黒と制服を交互に見ながら言う
「制服は希望があれば色々弄って貰えるからね…紅奈のスカートが分かりやすい例かな」
「確かに!波風のスカートって何か変わった形してたな…あれカスタムしたって事か!って俺そんな希望出してねぇけど」
「そりゃ僕が勝手にカスタム頼んだもん」
サラリと爆弾発言をする五条に虎杖は少しだけしょぼんとしたが伏黒に「気をつけろ、五条先生こういうところあるぞ」と言われまぁ気に入ってるしいっか!と前向きに考えた
「それより何で原宿集合なんですか?」
「本人がここがいいって」
「アレ食いたい!ポップコーン!」
「……ってか紅奈の奴まだ着てないのかよ遅刻とか珍しくないか?」
ここまでの会話に紅奈がまだ来ていない事に不審に思った伏黒は電話を掛けようとすると五条に止められた
「紅奈ならもう着いてるよ〜買いたいものあるから先に行くから3人合流したら連絡くれって言われてたんだ」
わっすれてた〜!テヘペロと言う五条に「こいつ…っ」と頭を抱えるが直ぐに思考を戻し紅奈に電話をかけた
『もしもーし恵くん??3人合流した?』
「あぁ、今の今まで五条先生がこの事伝え忘れてて知らなかったけどな」
『あちゃ、やっぱりか。ちょっと嫌な予感はしてたんだよねぇ…私買い物早めに終わってカフェで……』
「紅奈?」
途中で途切れたのが不審に感じ名前を呼ぶが返事が返ってこない
伏黒の様子がおかしいことに気づいた虎杖と五条はスマホをスピーカーにしてもらい3人で様子を伺った
「どうしたの?」
「いや、なんか急に会話が途切れて…」
『ねぇお嬢さん学生?今1人?』
「「「は?」」」
急に聞こえたと思ったらそれは見ず知らずの男性の声で思わず3人は声を出す
虎杖が慌てたように早口に「ナンパだよな!?早く行った方がよくね!?」と口にする
その間にもナンパ男の声はスピーカーから響く
『変わった制服だよね?どこ高?もし良ければ一緒に買い物しない?てかその赤い髪綺麗だね!染めてんの?』
『目も青くて綺麗だよね!そんな綺麗に発色するカラコンってあるんだ〜種類教えてよ!』
男の声は聞こえるものの紅奈の声が一切聞こえない
そこで長年一緒にいる伏黒と五条は1つの考えに至った
「これは大丈夫ですね」
「うん、問題ないね。よしまず新入生の前に紅奈を迎えに行こっか」
「え?なにが大丈夫なの?ねぇ俺にも教えて!?」
キャンキャン吠える虎杖とスルーし2人はお目当てのカフェ付近に到着した
するとカフェの近くによく見知った制服と顔の少女が二人組の男性に話しかけられていてその顔は心底面倒臭いといったオーラを各自もせず全開に出していた
ふと、紅奈は視線に気づき五条達の姿を確認するとぱぁっと明るくなり話しかけてくる男二人を無視しコチラに走ってくる
五条と伏黒は慣れているのか少しだけ紅奈よりも前に出る
それに紅奈は2人の片腕に自分の腕を絡ませ得意げに言った
「私、強い人にしか興味無いんです。なのでオニーサン達がこの2人に勝てたらいいですよ」
ハートでも付きそうなくらい素敵な笑みを浮かべる
男二人はチラリと紅奈の盾になっている二人を見る
1人は珍しい白髪に黒の目隠し、更には高身長
もう1人は同じ学校の制服を着用し鋭い目付き
……これは勝てない。そう感じた男二人はチッと舌打ちをして早々に去って行った
「いやー。ありがとう助かった〜あと少しで手ぇ出てたところだよ」
あははっ。と笑う彼女に少しだけ冷や汗が流れた
手を出す前に来れてよかった、と
「全くいつも言ってるけど気をつけるんだよ?」
「はぁい。」
「ホントに分かってんのか?」
「分かってるって!!」
「何か3人って家族みたいだよな」
こんなやり取りに虎杖はなんか家族みたいだなぁと思わずぽろりとこぼしてしまい慌てた
しかしそれを聞いて紅奈はきょとんとした後に「まぁ確かにそうなるかな」と続けた
「悟先生とはもう10年くらいの付き合いだし、恵くんも言うて5年ちょいの付き合いあるからね、家族も同然かなぁ」
「そっか…そういうの何かいいな!」
「ふふ、因みに悠仁くんももう私の中では家族認定だらかね!高専関係者はみーんな大切な家族!」
1部例外もあるけど。と笑いながら言うと虎杖は嬉しくも少し気恥ずかしくて小さくサンキュー。と返した
そこでパンッと手を叩く音が聞こえその方に顔を向けると五条が叩いたようで
「はいはーい。無事紅奈の回収も済んだし。そろそろ本題の新入生迎えに行くよ〜」
その言葉に本来の目的を思い出して慌てて集合場所へと向かった
「ちょっとアンタ。私は?」
この衝撃的な一言に少しばかり反応が遅れる
目の前の目的の少女は何故かスカウトマンに声をかけ寧ろスカウトマンが可哀想な状況になっていた
「俺たち今からアレに話しかけんの?ちょっと恥ずかしいなぁ」
そう言った悠仁くんの姿は2018と形作られたド派手なサングラスに片手にポップコーン、片手にクレープと言った満喫スタイルだった
「オメェもだよ」
恵くんの一言に私も少しばかり同意し頷いた
「おーいコッチコッチ」
悟さんの心の強さに拍手する……いやこの人目隠し人間だし気にしないのか、と
呼ばれて振り返った彼女に私は一瞬だが同期だったサクラの姿を重ねた
「釘崎野薔薇。喜べ男子可愛い女の子が増えるぞ」
彼女はどうやら強気なタイプらしく隣で恵くんが「ウザ….」と小さく呟いたのが聞こえて確かに苦手なタイプだろうなぁ、と思ってしまった
「俺、虎杖悠仁。仙台から」
「伏黒恵」
釘崎さんは2人の顔をじっと見つめてからはぁ、とあからさまに残念な顔をしてため息をついた
「私ってつくづく環境に恵まれないのね……貴女は…」
そう言いながら私の顔を見てきたので初めての女の子の同級生に少しドキドキしながら自己紹介をした
「波風紅奈です!苗字呼びも名前呼びも好きだからどっちでも好きな方で呼んでね!よろしく釘崎さん」
にっこりと笑いながら手を差し出すと釘崎さんも笑って握手をしてくれた
「ふーん、貴女とは楽しくやれそうね。紅奈って呼ぶから貴女も呼び捨てで呼んでいいわよ。ってかその髪染めてんの?目も青いしハーフ??」
「わーい!じゃあ野薔薇って呼ばせてもらう!目も髪も自前なの、因みにハーフじゃないよ。純日本人」
そう言うとしんっじられない!神様不平等すぎない!?とか言ってたけどよく分からなかった
「で、これからどっか行くんですか?」
私たちのやり取りを横目に恵くんが悟さんに聞いていた
「フッフッフ…せっかく1年が4人揃ったんだ。しかもそのうち2人はおのぼりさんときている…
行くでしょ、東京観光」
めちゃくちゃキメ顔(だと思う)の悟さんに悠仁くんと野薔薇はパァアアアアっと笑顔になっていた、うん2人とも可愛い
その逆に恵くんは嘘だろ?と顔を顰めていた
「TDL!!TDL行きたい!!」
「バッカTDLは千葉だろ!!中華街にしよ先生!!」
「中華街だって横浜だろ!!」
「横浜は東京だろ!!」
なんて言い合ってる、うん、2人とも横浜は神奈川だよ。
あと私嫌な予感するんだよね
そんな私の考えを他所に悟さんが続ける
「それでは行き先を発表します」
スッ。と悠仁くんと野薔薇はスマートに膝を着き悟さんの指示を待つ
その光景が面白くてつい、無音カメラで3人の様子をカメラでおさめてしまった…私は悪くない
「六本木」
「「六本木?」」
あれ?ちょっと前に悟さん確か六本木に呪いがなんちゃらって言ってた気が……いやうん気のせい、だよね?
「いますね呪い」
「うそつきーー!!六本木ですらねぇ!」
予想はドンピシャで着いたそこは呪いの気配がバンバン出ている建物だった
「地方民を弄びやがって!!」
「まぁまぁ落ち着いて野薔薇…退治終わったら買い物行こ?」
切り替えた悠仁くんと違って野薔薇は未だに怒っていたので何とか鎮めようと必死になる
丁度悠仁くんが呪いについて聞いてる時に漸く少し落ち着きを取り戻した
「ちょっと待って。コイツそんなこと知らないの?」
「そっか野薔薇は知らないよね、実はね……」
-虎杖がここに通う事になった経緯を説明中-
「飲み込んだぁ!?特級呪物をぉ!?きっしょ!!ありえない!!衛生観念キモすぎ!!」
まぁそういう反応になるよねぇ。と思いなが苦笑い
しかし悠仁くんは不満だったみたいで「んだと?」と少し怒ったような顔で言っていた
しかし私も恵くんも同じことを思っていたので
「「これは同感」」
と言うと「うそだろ?」と絶望した顔で悠仁くんが言った。
ごめん、流石に私も思ったよ
少し話が脱線してしまったが悟さんは折り合いをみて話し始めた
「キミたちがどこまで出来るか知りたい。ま、実地試験みたいなもんだね。野薔薇、悠仁、2人で建物内の呪いを払ってきてくれ」
そう五条が言うと釘崎はあからさまにげって顔をしていた
「でも呪いは呪いでしか祓えないんだろ?俺呪術なんて使えねぇよ」
虎杖が首を傾げるが五条は得意げな感じ人差し指を虎杖に向ける
「君はもう半分呪いみたいなもんだから体には呪力が流れているよ。でもま、呪力の制御は一朝一夕じゃないから…これを使いな」
そう言って1つのあるモノを手渡した
包まれてるものを取り外すと仲から少し大きめのナイフが出てきて虎杖は嬉しそうに見ていた
「呪具"屠坐魔"呪力の籠った武器さ。これなら呪いにも効く…あとそれから宿儺は出しちゃダメだよ。アレを使えばその辺の呪いなんて瞬殺だけど近くの人間も巻き込まれる」
注意をすると2人は建物の中へと消えていった
残った3人は近くに腰を下ろし2人の帰りを待つ
「やっぱ俺も行きますよ」
「無理しないの。病み上がりなんだから」
「じゃあ私行くよ?元気だし、何なら悠仁くん要監視なら尚更じゃない?」
「いーの、それこそ紅奈が行ったらすぐ終わっちゃうでしょ。だーいじょうぶ、今回試されてるのは野薔薇の方だから」
そう言われてしまうと何も言えず私と恵くんは大人しくする事にした。
「しっかし暇だよねぇ」
「暇だねぇ」
「アンタら一応危機感もてよ…」
待つことに飽きてきた頃上空から呪霊の気配がした
上を見ると1匹逃げ出してきたようだ
「祓います」
すっと、恵くんが立ち上がるとそれを悟さんが止めに入った
何かあるのかな?って思って様子を見ていると突然呪霊は苦しみだし体の至る所から黒い棘のようなものが突き出ていた
「いいね、ちゃんとイカれてた」
この悟さんの一言にこの棘のようなものは野薔薇の術式ということが理解出来たのだった
この廃墟にいた少年を私たち3人が責任をもって送り届け戻ってくると悠仁くんと野薔薇が廃墟から丁度帰ってきたところだった
「お疲れサマンサー。子供は送り届けたよー。今度こそ飯行こうか」
そう言った瞬間「ビフテキ!!」「シースー!!」と欲望の塊が瞬時に聞こえ面白くて思わず笑ってしまった
「ふふ、今日は2人頑張ったもんね、好きなもの食べちゃお悟先生のお金だし」
「じゃあビフテキだな!!てか伏黒どったの」
「別に」
「出番がなくてスネてんの」
「プップー子供〜」
こんな何気ない会話がとても楽しくて、この1年生4人組で頑張っていこうねって思ってた
なのに、なんで
私はまた大切な人を無くしてしまうんだろう
2*同級生は釘少女
野薔薇は怪力娘じゃありませんでした