酒場にて
夜も深まり夕食時のいそがしさのピークを超えた頃、店内の人影もまばらになっていた。
そんな中普段よりお高めのメニューを頼んで楽しんでいた人物がいたなと、拷問官はそっとその人物の机の所へ向かった。
「あ、拷問官おつかれー」
司祭をやっているひよは、お皿の上の生ハムをつつきながらひょいと近寄ってきた拷問官に顔を向ける。
「おつかれー、今日どうしたの?いいもん食べてんじゃん」
業務もある程度落ち着き暇が出来たため、司祭の隣に座り、皿の上の生ハムをひょいと食べる。チーズアラカルトに、あちらの空いた皿には恐らくステーキが乗っていたのだろう。
「城の方は時給480円でしょ?私もアルバイトしてるし、まぁみんな上手くやってるみたいだけど結構キツくない?」
「あー…ほら、私お布施ありますんで、こないだ外交官と皇子の金額ちょこっと上げてたしねー」
ニマニマとピースしてから司祭はちびちびと酒を口に運んでいた。
相変わらずこの司祭は…と思いながらも拷問官は皿に残っている料理をひょいぱくひょいぱくと食べていく。するとじーっと司祭に見つめられていることに気づいた。
「…なに?」
「いやー、平気でぱくぱく食ってくなぁと思って。まぁちょっと頼みすぎたかなって思ってたから丁度いいんだけど」
にこやかな顔でそう告げられ多少気味の悪さを感じたがきっと気のせいだろう。
普段ならちょこっとつまみ食いすると軽く怒ることもあるが、今日は1度も止められることが無かったため、つい手が止まらなくなってしまった。やはりちょっといいものは美味しいなと思いながら、拷問官は最近貯金も溜まってきたし少し贅沢してみるかと考えていた。
「あー、美味しかった。時間も時間だしそろそろ帰るねーお会計お願いー」
結局あのあと二人で喋りながら飲み食いしていたら結構な時間になってしまった。なかなかに楽しかったため気も緩んでいた。
「はいはいっと、あれ?司祭財布変えた?」
お会計を済ませている時拷問官は司祭の財布がいつもと違うことに気がついた。
「え?あー、そうそう。拷問官が使ってるやつあったじゃん。デザインいいなーって思ってたから似たの探したんだよねー」
そうなんだーなんて返しながらお会計を済ませる。持ち物のセンスを良いと思われることはなかなかに気分がいいななんて緩んだ頭で考えていた。
一日の業務も終わり帰り支度を整える拷問官。鞄を持っていざ退社しようとすると何故か鞄の口が空いていた。鞄は閉めて出たはずなのに…そう思いながら中を除くと鞄の中の一番上には自身の財布が、そしてその上にメモ用紙が乗っていることに気がついた。
『ごちそうさま!』
という文字とともにひよこのイラストが書いてあった。まさかと思い急いで中身を確認すると札がごっそり抜き取られていた。
「あのクズ司祭!!」
店のバックヤードでは拷問官の悲痛な叫びが響き渡った。
そんな中普段よりお高めのメニューを頼んで楽しんでいた人物がいたなと、拷問官はそっとその人物の机の所へ向かった。
「あ、拷問官おつかれー」
司祭をやっているひよは、お皿の上の生ハムをつつきながらひょいと近寄ってきた拷問官に顔を向ける。
「おつかれー、今日どうしたの?いいもん食べてんじゃん」
業務もある程度落ち着き暇が出来たため、司祭の隣に座り、皿の上の生ハムをひょいと食べる。チーズアラカルトに、あちらの空いた皿には恐らくステーキが乗っていたのだろう。
「城の方は時給480円でしょ?私もアルバイトしてるし、まぁみんな上手くやってるみたいだけど結構キツくない?」
「あー…ほら、私お布施ありますんで、こないだ外交官と皇子の金額ちょこっと上げてたしねー」
ニマニマとピースしてから司祭はちびちびと酒を口に運んでいた。
相変わらずこの司祭は…と思いながらも拷問官は皿に残っている料理をひょいぱくひょいぱくと食べていく。するとじーっと司祭に見つめられていることに気づいた。
「…なに?」
「いやー、平気でぱくぱく食ってくなぁと思って。まぁちょっと頼みすぎたかなって思ってたから丁度いいんだけど」
にこやかな顔でそう告げられ多少気味の悪さを感じたがきっと気のせいだろう。
普段ならちょこっとつまみ食いすると軽く怒ることもあるが、今日は1度も止められることが無かったため、つい手が止まらなくなってしまった。やはりちょっといいものは美味しいなと思いながら、拷問官は最近貯金も溜まってきたし少し贅沢してみるかと考えていた。
「あー、美味しかった。時間も時間だしそろそろ帰るねーお会計お願いー」
結局あのあと二人で喋りながら飲み食いしていたら結構な時間になってしまった。なかなかに楽しかったため気も緩んでいた。
「はいはいっと、あれ?司祭財布変えた?」
お会計を済ませている時拷問官は司祭の財布がいつもと違うことに気がついた。
「え?あー、そうそう。拷問官が使ってるやつあったじゃん。デザインいいなーって思ってたから似たの探したんだよねー」
そうなんだーなんて返しながらお会計を済ませる。持ち物のセンスを良いと思われることはなかなかに気分がいいななんて緩んだ頭で考えていた。
一日の業務も終わり帰り支度を整える拷問官。鞄を持っていざ退社しようとすると何故か鞄の口が空いていた。鞄は閉めて出たはずなのに…そう思いながら中を除くと鞄の中の一番上には自身の財布が、そしてその上にメモ用紙が乗っていることに気がついた。
『ごちそうさま!』
という文字とともにひよこのイラストが書いてあった。まさかと思い急いで中身を確認すると札がごっそり抜き取られていた。
「あのクズ司祭!!」
店のバックヤードでは拷問官の悲痛な叫びが響き渡った。