コロシアム
コロシアムの時間を告げる時計が秒針を刻一刻と進めていく。カウントダウンの様に減る数字、先程まで談笑していたモブ帝国の人間達もそろそろかと皆自然と口数が減り、減っていく数字を自然と目で追う。その数字が0になった瞬間
「よっしゃー!いくぞー!」
外交官の気合いたっぷりの掛け声と共に、コロシアム会場は赤、青、緑の閃光に包まれた。
開戦した直後の事だった。
モブ帝国が相手のナイトメアの出方を伺っていると相手はすぐにミトラの召喚の準備をし始めた。ナイトメアはコロシアムにおいて、ギルドに様々な恩恵を与える物であった。攻撃力や防御力を上げるものから、相手の攻撃力、防御力を下げるもの、属性の効果を上げるものなど様々であった。
「相手ミトラ!水貯めね」
「こっちは準備ばっちり」
帝王がミトラだと発言する頃には上皇が既にユノの召喚準備を整えていた。ユノは水属性の武器の効果を上げるが、風属性に弱くなってしまうため、相手のナイトメアを意識しないといけないのだ。
ユノの召喚準備をしていたため出遅れたが、すぐに上皇も相手の前衛へと向かって走ってゆく。
拷問官の指示を聞きつつ誰を倒すべきなのか狙いを定め剣を振り下ろしていくのだった。
1度使った武器は相手に当たった直後ノイズを散らしながら霧散する。そして武器の使い手は自らの持つ武器から次の武器を選ぶ、頭の中で選んだ瞬間手元にはその武器が実体化する。これがこの世界での戦い方であった。
「えーっと、火と風、火と風…」
上皇はユノの効果を最大限に引き出すために火属性の武器と風属性の武器を意識して使っていく。相手の右腕を切りつけ1度距離を置こうとした瞬間、向こうの剣の切先が頬をかすめ、上皇は顔をしかめる。しかし倒れるほどの大きな傷ではない。そして相手に自慢の槌を叩きつけると、相手が膝から崩れ落ちるのが確認できた。内心で軽くガッツポーズをしながら上皇は倒れた相手になお武器を振り下ろそうとする。しかし相手の体が緑色の光に包まれたと思うと、苦しげな表情を浮かべてはいるがすぐに立ち上がり再び武器を取るのだった。
後衛がしっかりヒールをしているようだ。ヒールを上回るくらい攻撃してやる…!そう上皇が武器をぐっと握りしめた瞬間、相手の放った矢が上皇の脇腹を貫く。
「いっ……」
想像していたよりも重たい一撃に崩れ落ちそうになるが、その直後後ろからヒールが飛んできたため上皇は足に力を入れぐっと堪える。そして矢を打ってきた相手を容赦なく槌で叩きつけるのだった。
倒れてもすぐに命を吹き返す。
死ぬと思うほどの痛みを感じてもすぐにヒールで分からなくなる。
「血反吐吐きすぎて毎度毎度殴られるのは嫌になるね…!」
そう呟きながら服を鮮血で濡らし、上皇は新たな武器を実体化させ相手へ向かっていくのだった。
「よっしゃー!いくぞー!」
外交官の気合いたっぷりの掛け声と共に、コロシアム会場は赤、青、緑の閃光に包まれた。
開戦した直後の事だった。
モブ帝国が相手のナイトメアの出方を伺っていると相手はすぐにミトラの召喚の準備をし始めた。ナイトメアはコロシアムにおいて、ギルドに様々な恩恵を与える物であった。攻撃力や防御力を上げるものから、相手の攻撃力、防御力を下げるもの、属性の効果を上げるものなど様々であった。
「相手ミトラ!水貯めね」
「こっちは準備ばっちり」
帝王がミトラだと発言する頃には上皇が既にユノの召喚準備を整えていた。ユノは水属性の武器の効果を上げるが、風属性に弱くなってしまうため、相手のナイトメアを意識しないといけないのだ。
ユノの召喚準備をしていたため出遅れたが、すぐに上皇も相手の前衛へと向かって走ってゆく。
拷問官の指示を聞きつつ誰を倒すべきなのか狙いを定め剣を振り下ろしていくのだった。
1度使った武器は相手に当たった直後ノイズを散らしながら霧散する。そして武器の使い手は自らの持つ武器から次の武器を選ぶ、頭の中で選んだ瞬間手元にはその武器が実体化する。これがこの世界での戦い方であった。
「えーっと、火と風、火と風…」
上皇はユノの効果を最大限に引き出すために火属性の武器と風属性の武器を意識して使っていく。相手の右腕を切りつけ1度距離を置こうとした瞬間、向こうの剣の切先が頬をかすめ、上皇は顔をしかめる。しかし倒れるほどの大きな傷ではない。そして相手に自慢の槌を叩きつけると、相手が膝から崩れ落ちるのが確認できた。内心で軽くガッツポーズをしながら上皇は倒れた相手になお武器を振り下ろそうとする。しかし相手の体が緑色の光に包まれたと思うと、苦しげな表情を浮かべてはいるがすぐに立ち上がり再び武器を取るのだった。
後衛がしっかりヒールをしているようだ。ヒールを上回るくらい攻撃してやる…!そう上皇が武器をぐっと握りしめた瞬間、相手の放った矢が上皇の脇腹を貫く。
「いっ……」
想像していたよりも重たい一撃に崩れ落ちそうになるが、その直後後ろからヒールが飛んできたため上皇は足に力を入れぐっと堪える。そして矢を打ってきた相手を容赦なく槌で叩きつけるのだった。
倒れてもすぐに命を吹き返す。
死ぬと思うほどの痛みを感じてもすぐにヒールで分からなくなる。
「血反吐吐きすぎて毎度毎度殴られるのは嫌になるね…!」
そう呟きながら服を鮮血で濡らし、上皇は新たな武器を実体化させ相手へ向かっていくのだった。