コロシアム
コロシアムは普段生活している船とはまた別の船で行われる。普段生活している船は街を1つ積んで浮かべた様な見た目をしている。それに対しコロシアムの会場となる船は大きな空中に浮かぶステージのような舞台、そしてその両サイドに小型のギルドシップが浮かんでいる、といった形式が取られている。広い舞台で前衛を全員倒すとその後ろに控えるギルドシップに攻撃できるというシステムなのだ。
コロシアムの会場へはギルドのメンバーがそれぞれ開戦に間に合うようバラバラと集まってくるのが常だった。
「今日はもしかして全員参加?これ勝てるかもなぁ」
帝王がコロシアムの会場に来た時、その場にはもうかなりの人数が集まっていた。
「今日もよろしくお願いしますね」
最初に挨拶してきたのは執事長だった。恭しく礼をする姿は執事長の名に恥じない姿だったが、
「おう、ふぁふすけよろしくね」
「なっ…!ふぁふすけって呼ばないでくださいよ!」
実際は実はドジな面が多々見られるためいじられキャラである現状だった。
執事長はぶつぶつと文句を言いながら帝王のいる前衛位置から後衛の場所まで下がっていった。それと入れ替わるように司祭がのろのろと重たい足取りで前衛の1番前まで移動しているのが見えた。
「司祭また後衛にいたの」
帝王がその様子を見て司祭に声をかけると司祭は心底嫌そうな顔をして振り返る。
「後衛がやりたかったって意思は変わらないのです。前衛めっちゃ殴られていてぇんだもん!死なねぇけど!」
「うるさい、後衛武器10本揃えて出直してきて」
文句を飛ばす司祭に向かって帝王がそう告げると途端に大人しくなる。この世界では強い武器を手に入れられるかどうか、欲しい役割の武器を手に入れられるかどうかは運なのだ。主にこの世界の戦い方は最大20本の武器を所持し、それを相手によって使い分けて戦う。相手にも武器にも火、水、風の3つの属性がありそれも考慮した上で相手より有利に立ち回ることが大切になるのだ。
「まだ3本ですけど!!3本しか後衛武器の強いのないんですけど!!」
再び司祭がヤケになったように叫ぶ。
そう、3本トータルで20入るところに強い武器が3本しかないのだ。驚きの運の悪さである。
「その代わり前衛は武器あるでしょ、ほら行ってらっしゃい」
しっしっと追い払うように手を振り、そのまま帝王は自らの立ち位置に向かう。
その間も横では
「また私一番前ですかー?向こうがうちの拷問官みたいにちゃんと数値と名前確認してるとこだったらいいんですけど…一番前=強いって勘違いして私に大量のデバフ飛んでくることあるから嫌なんですけど!前衛でも1番弱い私にデバフかけてどーすんだって感じですよ。あれ地味にしんどいんですよー!」
と司祭がだらだらと文句を垂れ流していた。流石態度はでかく実力は低くを自称しているだけのことはある。
コロシアム直前までは殺伐とした空気もなく冗談の言い合いの様な光景が流れるのもいつも通りだった。客員剣士であるyouが後衛に詰め寄り
「物攻」
と笑顔で告げて行き、それを見た上皇が
「俺にも物攻ください」
と慌てて頼みに行くのも、もはや恒例行事と化しているようで、それを皆が笑いながら見守っている風景はこの後コロシアムが開戦するとは思えないほど平和だった。
コロシアムの会場へはギルドのメンバーがそれぞれ開戦に間に合うようバラバラと集まってくるのが常だった。
「今日はもしかして全員参加?これ勝てるかもなぁ」
帝王がコロシアムの会場に来た時、その場にはもうかなりの人数が集まっていた。
「今日もよろしくお願いしますね」
最初に挨拶してきたのは執事長だった。恭しく礼をする姿は執事長の名に恥じない姿だったが、
「おう、ふぁふすけよろしくね」
「なっ…!ふぁふすけって呼ばないでくださいよ!」
実際は実はドジな面が多々見られるためいじられキャラである現状だった。
執事長はぶつぶつと文句を言いながら帝王のいる前衛位置から後衛の場所まで下がっていった。それと入れ替わるように司祭がのろのろと重たい足取りで前衛の1番前まで移動しているのが見えた。
「司祭また後衛にいたの」
帝王がその様子を見て司祭に声をかけると司祭は心底嫌そうな顔をして振り返る。
「後衛がやりたかったって意思は変わらないのです。前衛めっちゃ殴られていてぇんだもん!死なねぇけど!」
「うるさい、後衛武器10本揃えて出直してきて」
文句を飛ばす司祭に向かって帝王がそう告げると途端に大人しくなる。この世界では強い武器を手に入れられるかどうか、欲しい役割の武器を手に入れられるかどうかは運なのだ。主にこの世界の戦い方は最大20本の武器を所持し、それを相手によって使い分けて戦う。相手にも武器にも火、水、風の3つの属性がありそれも考慮した上で相手より有利に立ち回ることが大切になるのだ。
「まだ3本ですけど!!3本しか後衛武器の強いのないんですけど!!」
再び司祭がヤケになったように叫ぶ。
そう、3本トータルで20入るところに強い武器が3本しかないのだ。驚きの運の悪さである。
「その代わり前衛は武器あるでしょ、ほら行ってらっしゃい」
しっしっと追い払うように手を振り、そのまま帝王は自らの立ち位置に向かう。
その間も横では
「また私一番前ですかー?向こうがうちの拷問官みたいにちゃんと数値と名前確認してるとこだったらいいんですけど…一番前=強いって勘違いして私に大量のデバフ飛んでくることあるから嫌なんですけど!前衛でも1番弱い私にデバフかけてどーすんだって感じですよ。あれ地味にしんどいんですよー!」
と司祭がだらだらと文句を垂れ流していた。流石態度はでかく実力は低くを自称しているだけのことはある。
コロシアム直前までは殺伐とした空気もなく冗談の言い合いの様な光景が流れるのもいつも通りだった。客員剣士であるyouが後衛に詰め寄り
「物攻」
と笑顔で告げて行き、それを見た上皇が
「俺にも物攻ください」
と慌てて頼みに行くのも、もはや恒例行事と化しているようで、それを皆が笑いながら見守っている風景はこの後コロシアムが開戦するとは思えないほど平和だった。