コロシアム
「さてさて今日のお相手さんはー…」
コロシアムが始まる30分前、拷問官は今日の相手のデータ集めに勤しんでいた。コロシアムは基本前衛5人、後衛10人で編成されている。そしてその全員の強さが数値化されており、誰でも見える形になっているのだ。
「向こうのトップは物理特化型かぁ、あとは物理、魔法、バランスって感じ?」
タブレットを片手に拷問官は次々と文字を書き込んでゆく。それは相手の前衛の数値だった。前衛には主に2種類あり、剣と槌を好んで使う物理攻撃重視と、弓と槍を好んで使う魔法攻撃重視だ、そしてそれぞれ同じくらい使う人を拷問官はバランスと呼んでいた。
ゲームのようなシステムのこのコロシアムは後衛役職が味方の攻撃や防御を上げたり、相手の攻撃や防御を下げたりすることも出来た。そして拷問官は相手の数値を見て誰を狙うのか決める仕事もしていた。
「このトップの攻撃力は潰しとかないとしんどいよね。トップは物攻下げてもらって、3番手さんを魔法で攻撃、5番手さんを物理で攻撃って感じでいいかなぁ」
コロシアム前の相手の強さの確認、もちろんやらないギルドもあるらしいが、モブ帝国はコロシアムをきちんとやるギルドのため準備は欠かせなかった。
「今日は参加人数次第って感じかな」
ふと拷問官の手元に影が落ち、頭上から声が降ってきた。拷問官が見上げると帝王がひょいと拷問官のタブレットを取り相手の数値を確認していく。
「そうですね。総合的な強さ的には向こうの方が格上かと…」
拷問官は作戦を考えながら思っていた事を素直に口に出す。思わず眉間にシワがよるのは仕方が無いのだろう。
「や、でも勝機はあると思うよ」
帝王は何食わぬ顔でさらっと自信たっぷりな発言をすると拷問官の部屋を去っていった。
モブ帝国においてコロシアムの最中に指揮を取るのは帝王の仕事だった。その帝王に勝機があると言われてしまえば頑張るしかないじゃないかと拷問官は自らもコロシアムへ出るために武器を取りに行くのだった。
コロシアムが始まる30分前、拷問官は今日の相手のデータ集めに勤しんでいた。コロシアムは基本前衛5人、後衛10人で編成されている。そしてその全員の強さが数値化されており、誰でも見える形になっているのだ。
「向こうのトップは物理特化型かぁ、あとは物理、魔法、バランスって感じ?」
タブレットを片手に拷問官は次々と文字を書き込んでゆく。それは相手の前衛の数値だった。前衛には主に2種類あり、剣と槌を好んで使う物理攻撃重視と、弓と槍を好んで使う魔法攻撃重視だ、そしてそれぞれ同じくらい使う人を拷問官はバランスと呼んでいた。
ゲームのようなシステムのこのコロシアムは後衛役職が味方の攻撃や防御を上げたり、相手の攻撃や防御を下げたりすることも出来た。そして拷問官は相手の数値を見て誰を狙うのか決める仕事もしていた。
「このトップの攻撃力は潰しとかないとしんどいよね。トップは物攻下げてもらって、3番手さんを魔法で攻撃、5番手さんを物理で攻撃って感じでいいかなぁ」
コロシアム前の相手の強さの確認、もちろんやらないギルドもあるらしいが、モブ帝国はコロシアムをきちんとやるギルドのため準備は欠かせなかった。
「今日は参加人数次第って感じかな」
ふと拷問官の手元に影が落ち、頭上から声が降ってきた。拷問官が見上げると帝王がひょいと拷問官のタブレットを取り相手の数値を確認していく。
「そうですね。総合的な強さ的には向こうの方が格上かと…」
拷問官は作戦を考えながら思っていた事を素直に口に出す。思わず眉間にシワがよるのは仕方が無いのだろう。
「や、でも勝機はあると思うよ」
帝王は何食わぬ顔でさらっと自信たっぷりな発言をすると拷問官の部屋を去っていった。
モブ帝国においてコロシアムの最中に指揮を取るのは帝王の仕事だった。その帝王に勝機があると言われてしまえば頑張るしかないじゃないかと拷問官は自らもコロシアムへ出るために武器を取りに行くのだった。