誰に喧嘩を売ったのか
監督生の名前
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「おうおう、お前こんなとこで何してんだ?
ユウが寝付けずに外を散歩していたら、前方から声をかけられる。
見ると数人、明らかに柄が悪そうな生徒達がいた。
(あまり関わりたくないタイプの人達に出くわしてしまった)
そんなことを思っていると、他の男が
「何黙ってんだぁ?何してんのかって聞いてんだよ」
と、こちらに歩み寄って来る。
こんな時、なんて答えて、どう対象するのが正解なのだろう。
(魔法での私闘は禁止されてるとはいえ、殴りかかってきそうな勢いだな さて、どうやって切り抜けようか…)
「おう、聞こえなかったとは言わせねぇぞ?何してるかって聞いてんだよ!」
また別の男が前に出てきてユウに掴みかかろうとした
こういう時の為に防衛魔法を習ってはいるが、そもそも魔力が無いので使えない。
(誰か助けて…!)
ユウは思わず目を閉じる。
-目を閉じるまでの一瞬、何か黒いものがふわりと目の前に降り立った気がした-
構えていた衝撃はいつまで経っても来ない。
代わりにパァンと何かが弾き飛ばされた様な音と、男達の悲鳴が聞こえてきた。
「お…お前は…………!!」
「おやおや、どうした?僕が恐くて声も出ないか?」
聞き覚えのある声に恐る恐る目を開く。
「ツノ太郎!!」
そこには、夜の散歩中たまに会う長身でツノのある男、ツノ太郎(仮)が立っていた。
「ユウ、僕を呼んだな?大丈夫だったか?」
「…うん!…ツノ太郎は大丈夫?」
「ははは…この状況で僕の心配をするなんて、お前は本当に面白いヒトの子だ」
ツノ太郎(仮)とユウがそんなやり取りをしている一方で男達は
「おい、あいつマレウス•ドラコニアの知り合いなのか?」
「ツノ太郎なんてあだ名で呼んでるんだから知り合いだろうよ…」
「あだ名呼びなんだから、知り合いよりも仲の良い知り合いじゃねぇのか?」
「馬鹿かお前、知り合いより仲の良い知り合いなんてもうそれ友達じゃねぇか!」
「ヤバイぜこれ、今の間にとっとと逃げようぜ!
ユウ達には聞こえない声量で何やら話していたが、次の瞬間一目散に逃げ出した。
「あっ!…行っちゃった…。 なんだか眠れなくて散歩してたら声をかけられてしまって…ツノ太郎ありがとう!」
「このくらい構わん しかしそうだな…よく眠れる様に贈り物を授けよう」
そう言ってマレウスはユウの手を取ると指先にキスを落とした。
「!?ツノ…太…郎…?」
驚いたと同時にユウを急激な眠気が襲う。 糸車に指を刺して眠りについたという姫もこんなにあっさりと眠りについてしまったのだろうか。 眠ってしまったユウを抱えて、マレウスはオンボロ寮の方へと歩き出した。
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