「ステイ！今日はここまで！」

終業の鐘と共にクルーウェル先生の声が実験室中に響き渡る。
あぁ…課題が全く出来ないまま授業が終わってしまった。

「最初に言ったように今日の課題が出来なかった者は放課後補習を行う。サボらず、おりこうさんで来るように！」

憂鬱だなぁ…。
魔法史は元いた世界での歴史、体力育成は体育の授業のようなものなのでなんとなく勝手はわかる。(飛行術に関しては魔力が無いせいでしようがないのだけど)元いた世界には錬金術の授業なんて無かった。
何をどうすればいいのか、根本的なところからわからない。

憂鬱な気持ちのままあっという間に放課後になってしまった。
勇気を出して実験室の扉をノックする。

「入っていいぞ！」

クルーウェル先生の声がした。
先生は既に教室の中にいるようだ。

「失礼します！」
「逃げずにちゃんと来たようだな！グッボーイ！さて、では早速補習を始めようか」
「あの…他の生徒は…？」
「今日課題が出来なかったのはユウだけだ」

うわー…やっちゃった…確かに今日の課題は初歩的なものだとエース達が言ってたな…。
初歩的だと聞いて、わからないとこを聞きにくくなってしまった自分が悪いのだけれど、まさか課題が出来なかったのが自分だけとは…。

「ユウ、もしかして元の世界では錬金術の授業をしたことが無いんじゃないか？」
「！？どうしてわかったんですか？」
「やはりな…授業の序盤から困り顔で手が止まっていた」
「あっ…！」

身に覚えがありすぎる。

「その場では質問しにくかったんだろう？」
「はい…」
「では今から、イチから丁寧に教えてやろう」

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