運命の歯車
それから数日後――
美琴のもとに、差出人不明の封書が届いた。
中には、場所も日時も記されていない一枚の招待状だけが入っている。
『おめでとうございます 天守 美琴様
このたび、我が屋敷にてパーティを催す運びとなりました。
サプライズではございますが、貴女がゲストに選ばれております。
最高のひとときとなることでしょう。
ぜひ、ご参加ください』
あまりにも曖昧で、あまりにも胡散臭い内容だった。
「……なにこれ? 詐欺?」
美琴は眉をひそめ、迷いなくその招待状をゴミ箱へ放り込んだ。
――――――――――――――――――
その封書が届く、ほんの数分前。
とある空間で、重苦しい気配が揺れ動いていた。
「……ん?」
「どうなさいましたか?」
「この気配……まさか……〝欠片〟を持つ者か」
「なんと!?
何千万年もの間、姿を現さなかったという、あの伝説の……?」
「うむ。
しかも――〝翔〟が言っていた〝人間〟だ」
「〝人間〟……。
それに〝翔〟様と関わりがあるとは、また厄介な……」
「〝翔〟には申し訳ないが……
今回は、黙ったまま〝招待〟するしかあるまい」
「かしこまりました。すぐに手配を」
「うむ。
とりあえず、あいつには〝欠片〟を持つ者が現れたとだけ伝えておけ」
「承知いたしました」
――――――――――――――――――
それと、ほぼ同じ時刻。
別の空間でも、静かな会話が交わされていた。
「……様。この気配は……」
「ほほう……。
これまた、実に面白いことが起きたものだ」
「私のような者でも感じ取れるほど、強いものなのですね」
「〝こちら側〟だからな。
〝あいつ〟は、まだ気づくまい」
「〝召還〟への影響は、ございませんでしょうか……?」
「うむ。おそらく問題はない。
〝例の件〟を、そのまま進めてくれ」
「かしこまりました」
――――――――――――――――――
そんなことが起きているとは、露ほども知らず。
特に美琴は、招待状の存在すら忘れ、いつも通りの日常を過ごしていた。
だが――
確実に、〝その日〟は近づいていた。
――――――――――――――――――
謎の封書が届いてから、さらに数日後。
〝その日〟は、前触れもなく訪れた。
美琴は、いつも通り学校へ行き、
友達と笑い合い、他愛もない時間を過ごしていた。
――〝はずだった〟。
気がついた時、美琴はもう〝そこ〟にいた。
まるで最初から、そうであったかのように。
夢から覚めたような感覚。
瞬きをした、その一瞬の後――
美琴は、〝そこ〟に立っていた。
来た覚えもない。
見たこともない。
非日常のはずの、異空間。
それなのに――
「……なに、ここ……?」
なぜか美琴には、
ひどく懐かしい風景に感じられた。
美琴のもとに、差出人不明の封書が届いた。
中には、場所も日時も記されていない一枚の招待状だけが入っている。
『おめでとうございます 天守 美琴様
このたび、我が屋敷にてパーティを催す運びとなりました。
サプライズではございますが、貴女がゲストに選ばれております。
最高のひとときとなることでしょう。
ぜひ、ご参加ください』
あまりにも曖昧で、あまりにも胡散臭い内容だった。
「……なにこれ? 詐欺?」
美琴は眉をひそめ、迷いなくその招待状をゴミ箱へ放り込んだ。
――――――――――――――――――
その封書が届く、ほんの数分前。
とある空間で、重苦しい気配が揺れ動いていた。
「……ん?」
「どうなさいましたか?」
「この気配……まさか……〝欠片〟を持つ者か」
「なんと!?
何千万年もの間、姿を現さなかったという、あの伝説の……?」
「うむ。
しかも――〝翔〟が言っていた〝人間〟だ」
「〝人間〟……。
それに〝翔〟様と関わりがあるとは、また厄介な……」
「〝翔〟には申し訳ないが……
今回は、黙ったまま〝招待〟するしかあるまい」
「かしこまりました。すぐに手配を」
「うむ。
とりあえず、あいつには〝欠片〟を持つ者が現れたとだけ伝えておけ」
「承知いたしました」
――――――――――――――――――
それと、ほぼ同じ時刻。
別の空間でも、静かな会話が交わされていた。
「……様。この気配は……」
「ほほう……。
これまた、実に面白いことが起きたものだ」
「私のような者でも感じ取れるほど、強いものなのですね」
「〝こちら側〟だからな。
〝あいつ〟は、まだ気づくまい」
「〝召還〟への影響は、ございませんでしょうか……?」
「うむ。おそらく問題はない。
〝例の件〟を、そのまま進めてくれ」
「かしこまりました」
――――――――――――――――――
そんなことが起きているとは、露ほども知らず。
特に美琴は、招待状の存在すら忘れ、いつも通りの日常を過ごしていた。
だが――
確実に、〝その日〟は近づいていた。
――――――――――――――――――
謎の封書が届いてから、さらに数日後。
〝その日〟は、前触れもなく訪れた。
美琴は、いつも通り学校へ行き、
友達と笑い合い、他愛もない時間を過ごしていた。
――〝はずだった〟。
気がついた時、美琴はもう〝そこ〟にいた。
まるで最初から、そうであったかのように。
夢から覚めたような感覚。
瞬きをした、その一瞬の後――
美琴は、〝そこ〟に立っていた。
来た覚えもない。
見たこともない。
非日常のはずの、異空間。
それなのに――
「……なに、ここ……?」
なぜか美琴には、
ひどく懐かしい風景に感じられた。