運命の歯車

それから数日後

美琴の所に差出人不明の封書が届いた

中には場所と日時は書いていないが

『おめでとうございます 天守 美琴様 

このたび我が屋敷でパーティを行うこととなり

サプライズで貴女がゲストに選ばれました

最高のパーティとなっておりますので是非ご参加ください』

と言う、何とも怪しい内容の招待状が入っていた

「なにこれ・・・? 詐欺?」

美琴はその招待状をごみ箱に捨てた

その封書が届く数分前ーーーー

「ん?・・・・」

「どういたしました?」

「この気配まさか・・・〝欠片〟を持ったものか」

「なんと!? 何千万年も現れなかったと言う 伝説の?」

「うむ、しかもこれは〝翔〟の言ってた〝人間〟だ」

「〝人間〟 しかも〝翔〟様とかかわりがあるとはまた厄介な・・・」

「〝翔〟には申し訳ないが、黙ったまま〝招待〟するしかあるまい」

「かしこまりました 早速手配いたします」

「うむ、とりあえずあいつには〝欠片〟を持ったものが来るとだけ伝えとけ」

「かしこまりました」

それと同時期、違う空間では

「・・・様 この気配は」

「ほほう、これまた面白い事もあるものだ」

「私の様な者でも感じる事が出来るほど強いものなのですね」

「〝こちら側〟だからな 〝あいつ〟は気づくまい」

「〝召喚〟に影響はないのでしょうか・・?」

「うむ、おそらく大丈夫だ 〝例の件〟を進めてくれ」

「かしこまりました」

そんな事が起こっているとは知らない2人

特に美琴は招待状の存在も忘れて過ごしていた

しかし、着実に〝その日〟が近づいてきていたのだった

謎の封書が届いてから、さらに数日後

〝その日〟は突然やってきた

美琴はいつもの通り学校に通い

友達と和気あいあいと過ごしていた

〝はずだった〟

気づいた時にはもう美琴は〝そこ〟にいた

まるで最初から〝そこ〟にいたように

不意に夢から覚めたように

瞬きした瞬間にはもう

美琴は〝そこ〟に立っていた

来た事はもちろん、見た事のない

非日常の異空間のはずなのだが

何故か美琴には懐かしい風景に感じた
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