運命の歯車

美琴はふと夜中に目を覚ました

目を覚ましたとたん、不思議な感覚が美琴を襲う

まず、体が宙に浮くような感覚があり

周りの景色が変わり始める

暗闇にぼんやり見えていた美琴の部屋の家具がなくなり

美琴の周りに光のような物が帯び始めた

そして耳元で声が聞こえた

『美琴 天に守られし者よ』

「誰?」

美琴は体を動かそうとしたが金縛りのように動かない

声だけは出るようだ

そんな事を美琴が考えている間に

声の主はさらに美琴に語りかけてくる

『美琴 選ばれし者よ お前には使命がある』

「使命?」

『お前はやがて苦難な道に進むだろう』

「苦難な・・・道?」

『それを乗り越える事が出来るかどうか それはお前次第だ』

「・・・・・・」

『乗り越えた時にやってくるのは絶望の可能性が高い』

「え!?」

『お前にそれを受け入れる覚悟はあるか?』

「そんなこと・・・・」

『今はまだ分からないだろうが必ずその時が来る』

「必ず?」

『そうだそれまで良く考えるのだ』

その言葉を最後にふと体が軽くなった

と同時に周りの景色もはっきりと見えるようになった

「今のはいったい・・・何だったのかしら?」

その時1部の空間が揺れ〝闇〟が現れた

「美琴! 大丈夫か?」

「え?」

「今、〝あがらう者〟の気配がしたが」

「わ、分かんないけど 大丈夫だったよ?」

「それなら良いが、何故〝鍵〟を使わない?」

「え・・・? でも寝てたし・・・・」

「〝人間〟はこれだから・・・ まあ良い」

「えっと、君は〝人間〟じゃ無いの?」

「どうだって良いだろうそんな事」

「・・・・・・」

「また奴らは現れるだろう 仕方ないバリアーを張っておく」

「ありがとう 君は本当は優しいんだね」

美琴はニコニコしながらそう言った

「ば! 馬鹿な事言ってんじゃね~よ!!」

「そうかなあ? 優しいと思うけど」

「お、お前があまりにもどんくさいからしてやったまでだ」

「うん、私を守ってくれてるんだもんね」

「っ/// ふ、ふん! じゃあな!!」

〝闇〟はそう言うとまた何処かえと消えていった
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